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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

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浄光の除去!

 私の手袋をした右手が、浄光の光によって焼かれていく。《純化》の処理を施し、並大抵のものであればびくともしない特製の手袋。それが浄光の前では、まるでただの布きれのようだ。


 すぐに浄光は私の右手をじかに蝕み始める。徐々に強くなる右手の痛みは、なぜだか、どこか懐かしさを感じさせるものだった。


「っ! ルスト師、手がっ!」


 こちらを振り返り一度絶句し、動揺をみせるアーリ。あわあわと手を動かし、しかしどうしていいのか、わからない様子だ。


 おろおろとしているアーリなんて、なかなか見れないなーと、心の片隅で思いながら、しかしさすがに返事をする余裕は私にも無い。


 ──あまり、時間が無い。何よりもはやくこの浄光の光を何とかしないと……。先程からの挙動をみても、この浄光は、炎のような特性を与えられているのだろう。


 まじまじと焼かれていく右手を見る。


 ──しかしその本質は同じなはず。呪術と魔素の複合体だ。そうであるならば、干渉が、できるっ!


 手袋が完全に焼け落ちる。痛みが一気に強くなるなか、私は右手に呪いを発動させる。


 右手から溢れだした黒い呪いと、浄光の青白い輝きが混じりあう。一瞬、右手を蝕む浄光が呪いの黒色に染まり、止まる。しかしすぐに呪いの黒は、浄光の青白い光にのまれてしまう。


「あっ! ああ……」


 私の手元を注視していたアーリの喜びの声が、すぐに落胆にそまる。


 ──のまれた。でも、一瞬タイムラグがある。これなら、いけるっ。


「ローズ、例のものを」


 残っていた蔓を素早く動かし、私のリュックから品物を取り出すローズ。私の曖昧な指示に、とても的確に対応してくれる。


「広げて!」


 それは真っ黒な布。呪いを錬成した糸で、アンデッドドラゴンの原初魔法により織られた作りかけのもの。

 それをローズが指示通りに広げてくれる。


 私はそれを確認すると再び右手から呪いを展開する。今度は一方の方向に押し出すように。私の右手を、最弱の七席の手を、そして骨のナイフをおおっていた浄光が、呪いとともに一瞬だけ片側に集まる。

 さっとそれを真っ黒な布に擦り付けるように滑らす。


 不思議な感触が、右手に伝わってくる。弾力と粘り気があってうまく切り離せなかった物が、急に粘り気を失ってスッと刃が通ったかのような、そんな感触だ。


 気がつけば、拍子抜けするほど簡単に、浄光の光はすべて布の上に濾しとられていた。






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