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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

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『最弱』の来襲

 私たちは岩影の窪みに身を落ち着け、一息ついていた。セイルークがその身を盾にして風を防いでくれているおかげで、体感的には先ほどに比べだいぶ暖かい。


 それでもまだ寒そうに見えるアーリ。私はスクロールを使って、まずいつものようにお茶をいれることにする。いれたお茶のカップを両手で抱えるようにして持ち、ゆっくりとお茶をすするアーリ。


 ──火を使うと、たぶん敵に見つかって襲って来るよね……


 それじゃあ休憩にならないだろうからと、暖を取るようの焚き火の設置は諦める。次にここまで頑張ってくれたセイルークにも上級ポーションのご褒美をあげる。


「アーリ。防寒具の類いがあるから、使って」


 私はドサドサとリュックサックから取り出した物をアーリに示す。


「──どうしましょう。あまり着込むと動きが阻害されてしまうので……」

「いいからいいから。寒そうだよ、アーリ」


 私は先に自分の首に、取り出した防寒具の中からマフラーを選び巻き付けると、もう一本あったそれをやや強引にアーリの首にかける。


「ほら、こうやって巻いて結んでおけば、そう邪魔にならないでしょ?」

「──暖かい。これも魔導具ですか」


 マフラーに鼻まで埋めるようにして、一呼吸おいたあと、目線だけ上向きにこちらを見ながらたずねてくるアーリ。


「そう、ほんのり発熱するようになってる。ここら辺も同じように処理してるから」


 私は答えながらレッグウォーマーやアームウォーマーをとりわけ、アーリに差し出す。

 今度は素直に受けとるアーリ。

 二人して防寒具を着込んでいるときだった。

 むくっとセイルークが首を持ち上げ、低い声で鳴き声をあげる。


 警戒を促す声だ。

 その声に機敏に反応するアーリ。

 槍をつかみ、セイルークの背をかけ上る。


「ルスト師、来ます。あれは、魔族ですっ!」


 上空を見上げたアーリが槍で指し示す先。そこには無数の配下を引き連れた『最弱の七席』と呼ばれる魔族の姿があった。


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