シェルルールの発見!!
「──という訳なんだ」
私は新しい手袋をはめると、金塊と竜泉石を持ち、説明の最後にシェルルールに見えるように示す。新しい手袋は当然、内側には《封呪》の魔導回路が組み込まれているものだ。
「ああ、ボクは何で寝てしまっていたんでしょう……。その錬成の様子、とても見たかったです。概念存在を物質化するなんて、鉛を金に変えるより、断然凄いじゃないですかっ。ああ、ボクのバカ……。徹夜なんていつもなら、楽勝なのに……」
寝ている間に私がかけてあげていた予備のマントを、悔しそうにぎゅっと握りしめるシェルルール。そう嘆きの声をあげると、落ち込んだ様子でくしゃっとなったマントに顔を埋める。
──あー。マントがシワになっちゃいそう……。まあ、良いか。予備のだし。
「ま、まあそんな感じで今はこんな状態なんだ。で、問題はこの糸なんだよね。どれくらい危険かすら、さっぱりなんだ。──ほらこれ」
腕を一振りし、《転写》のスクロールの高さを移動させる。黒い糸の読み取った情報がシェルルールも見える位置へ。
私の横に来て、肩を並べて一緒にスクロールを覗き込むシェルルール。
「本当ですね……。読み取れません……あれっ」
「うん? 何か気になるところがある?」
「あの、ここらへん。共通した単語だと思うのですが──」
「うんうん、あっ。少し崩れているけどこれ、セイルークって書かれている?」
「はい。いくつか、別々の部分が変化していますので、たぶんです」
「ほう──確かに。いや、シェルルール、これはお手柄だ」
「そんなっ。……えへへ。ルスト師のお役にたてて良かったです」
「早速、セイルークの所へ行ってみるか。何かわかるかもしれない」
「はい。お供します!」
二人してカゲロ機関の研究室から外へ。
辺りは、うっすらと明るくなりかけている。夜明けが近いのだろう。幸いなことに辺りには人影は少ない。
セイルークの寝ているはずの特製の建物に向かう途中、顔見知りの警備担当者何人かとすれ違ったぐらいだ。
最初は皆が皆、ぎょっとした顔をするが、軽く声をかけ、こちらを向いて私とシェルルールの姿を見るとなぜか納得顔で返事を返してくれる。
「皆さん、びっくりされてますね」
小走りでついてくるシェルルールの面白がるような声。
「まあ、こんな時間だしね」
「え? はい。──そうですね、ルスト師」
そんな話しをしながら進んでいく私たち。周囲には、黒い糸を巻きつかせ浮遊するスクロールが大量に浮かんでいる。
そうして、セイルークの寝ている建物が見えてきた。
本日はコミックス二巻の発売日です!
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また同時にコミカライズ11話①も更新されております~。
ルストに無茶振りされているカリーン、必見です(笑)




