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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

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呪いを錬成!!

 夜の闇のように真っ黒な呪い。その存在で、部屋自体が薄暗く感じるほどの、黒さ。

 手袋に埋め込んだ《封呪》の魔導回路によって溜め込まれていたそれが、あふれ、こぼれ、沸きだし。黒々とした津波のように押し寄せてくる。


 しかし、黒々としたなかに、キラキラと光る要素がまんべんなく混じっているのが、私には見える。


 魔素だ。


 呪いの中に溶け込んだ私の魔素が、今回の錬成の取っ掛かりとなる。


「《定着》《定着》──《定着》」


 旋回するスクロール群のうち一部が、私のそのフレーズに反応する。

 スクロールの《定着》の魔導回路が作動。周囲へと拡散し侵食しようとする呪いの動きが、止まる。呪いに含まれる魔素を空間に定着させることで、呪いそれ自体をも留めたのだ。


 とはいえ今にも暴発しそうなぎりぎりではある。まるで不定形のスライムが、周囲にある餌にその粘体を伸ばすかのように、呪いはグニグニと周囲へと広がろうとする。

 それでも、呪いを一時的に制御下におくことに成功したのは間違いない。


「《限定解除》対象スクロール《解放》。重力のくびき」


 生まれた猶予の間に次のスクロールを展開、発動させる。

 それは、《解放》のスクロールの限定解除。

 精密操作を行うためにかけていた重力操作に関する制限。それを解除し、《過重》の効果を使用可能にする。ぐにぐにと広がろうとうごめく呪いに、全方向から《過重》し、押し込めていく。

 その際、僅かに力の向きを調整することで、徐々に縮まっていく呪いに、回転運動が発生するように調整する。


「──一応、押し込められているけど、抵抗がひどいな」


 手応えが、非常に強い。押し返されてしまいそうなほどだ。

 私は顔をしかめながら呪いの様子を眺めるが、一向に改善される兆しはない。仕方なしに、リソースの消費覚悟で、もう一つ《解放》のスクロールを限定解除し、スクロール二本体制で呪いへと加圧を進めていく。どうせここで失敗すれば次はないのだからと。


 二本分のスクロールの《過重》で、一気に呪いの形成が進む。

 スライムのようにうごめいていたそれが、徐々に徐々に回転しながら直径が私の身長ぐらいありそうな球形へと変化していく。


「よしよしよし。良い調子だ。ここへ、金塊と竜泉石を同時に投入する、はず」


 錬金術そのものを象徴する金。そして竜を象徴する竜泉石。

 その二つと呪い、ひいては呪術との関係は今だ明確ではない。つまりは何が起こるのか私自身にも明言出来ない。しかし古き血である王家に伝わる王権の継承の儀式に隠されたもの。そして神の託宣により呪いを討ち滅ぼすとさせているセイルークの記憶。

 断片にしか過ぎないそれらが指し示すもの。そこには意味があると、私の直感が囁く。


 私は自らの直感のままに、金塊と竜泉石を呪いの渦巻く球の中へと、投入した。



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