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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

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お腹が空いたものたち

 美味しそうにポーションを飲むセイルーク。

 お皿に顔を突っ込んで、一滴も残さないという執念すら感じさせる仕草で、丹念にお皿をなめ回している。


 それは周囲から伝説のドラゴンと畏怖されている存在とは到底思えない姿だ。

 そんなセイルークの背をロアが撫でている。


「セイルーク、美味しそう」


 ポツリと呟くロア。

 ぴくっとセイルークが身動ぎする。


「ロア、それだとセイルークが美味しそうに見えるって聞こえるよ。確かに美味しそうにポーションを飲んでるけど。ロアもお腹空いたの?」


 こくこくと頷くロア。

 そんなロアを一度見てから、こっちを向くセイルーク。セイルークも真似したようにこくこくと首を縦に動かす。


 絆を通してもっとポーションちょうだいっというセイルークの気持ちが伝わってくる。


「はいはい。セイルークはこれで最後だよ。ロアには、何か食べ物あったかな……」


 私はセイルークのお皿にポーションを継ぎ足すと、荷物を漁る。出てくるのはいつもの携行食ばかり。

 それを見て、とても嫌そうに顔をしかめるロア。

 私は苦笑して携行食をしまう。


「──ちょっと、行ってくる」


 ふらっとその場を立ち去るロア。多分何か食べ物を漁りに行くのだろう。

 それを見送った私はセイルークに向き直る。

 絆を通して王都へと来てもらうようにお願いしたときに、セイルークにはポイントをツヴァイの手の者に奪われてしまった事はすでに伝えていた。

 どうしたことか、その時にはあまり明瞭な反応がセイルークからはなかったのだ。


 ──私がポイントを持っている状態だと、セイルーク側のポイントがほしいという欲求が高まるのか? そういえばポイントを手にするまでセイルークから早く手に入れてってせっつかれた事、無かったよな。


 私がそんな事を考えているのを、おかわりのポーションも一滴残らず舐めとったセイルークが不思議そうに見てくる。


 《悩んでもしょうがないことに悩むよりポーションをもっとくれてもいいんだよ》とセイルークから絆を通して送られてくるメッセージ。


「飲みすぎは良くないよ」


 うるうると瞳を潤ませてこちらを上から覗き込むセイルーク。私はその頭を優しくとんとんと叩きながら伝える。


「ルスト」


 そんな事をしていると背後から声をかけられる。

 振り返ると、そこにはアクター・カヘロネーがいた。



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