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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第五章

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螺旋階段の上で!!

「きりがない」


 縦穴の中、ローズの展開してくれた可動式の蔓の螺旋階段の上で、私とロアは次々と現れる敵と対峙していた。


「全くだ。しかし強行突破するのは危険すぎる。カリーンに説明した、アレイスラ教会での件はロアも聞いてただろ?」

「カマキリ型のに、スクロールとられちゃったルスト師の話しの事?」


 ロアが振るう錬成獣の槍。植物型の錬成獣をもとにしているためか、妙にローズと相性が良いようだ。

 今もするすると伸びた槍が絶妙にローズの螺旋階段をかいくぐり、複数のダンゴムシ型の敵を貫いていく。

 そしてそんなロアにも、ローズがひいきしている節がある。ロアへの細やかなローズのサポートが感じられる。


 ──まあ、ロアとローズ、もともと仲が良かったしな。というかロアってうちの子達、みなと仲がいい気がする。


 私は内心肩をすくめ、自分の方へときた敵を一つ一つ地味に対処していく。


「《展開》《束縛》《展開》《束縛》。《転写》っと、急所はここだな」


 隙をみて、ロアへと再び話しかける。


「まあ、そうだけどね」


 そうロアに話しかけながら、新作の《束縛》のスクロールで動きを止めた敵の急所を《転写》で確認して一突きにしていく。


「なんにしても浄光をまとった敵の攻撃は受けるのは危険だから。ロアも気をつけて」


 そうしているうちに、私の近くの次の敵が縦穴の壁からこちらへ向かってダイブしてくる。

 何匹も。

 それらを新作の《束縛》のスクロール、複数枚を空中でくるりくるりと巻き付けて、固定。

 あとは流れ作業だ。


 ちなみに、この《束縛》のスクロールはツヴァイへの対策を練るために色々作ったときの副産物だったりする。

 他のスクロールと大きく違っているのは、スクロール自体には何の錬金術も込めていない事だ。

 その代わり、ふんだんにモンスターの素材を使用し、スクロール自体の強度を最大限まで高めてある。

 その使い方としては、今見た通り。

 展開させて空中に浮かせ、その端を敵に巻き付け、動きを阻害する事。それだけだ。


 ──近接戦闘の補助には最適だよね。強度もあるからスクロール自体で殴り付ける事もできる。ただまあ、威力を出すには移動速度面での更なる強化が課題か。


 ちょうど次のダンゴムシの正面から巻いたままのスクロールをぶつけてみて、その威力を確認する。


 ──今のままだとあの質量の敵を弾き飛ばせるぐらいっと。


 戦闘の傍ら、自身の新作の検証を頭の中でメモしておく。次は移動速度特化型を作るのも面白そうだなと、私が考えている時だった。

 ロアの少し緊迫感のある声。


「ルスト師。これ、アーリ姉様の槍の跡!」


 そういって壁を這うダンゴムシの隙間に見える縦の長い痕跡を、ロアが指し示した。



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