表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

321/462

sideアーリ 7

 指先に触れる、ポーションの瓶の冷たい感触。

 震えだした指先に力をこめ、私は瓶の蓋を開けます。


 こぼさないように慎重に口許へと運んだポーションの瓶。それをゆっくりと傾けていきます。

 その間も体の中心から発する痛みで、全身が震え続けます。


 ぶるぶるとした震えのせいで、口許から離れそうになるポーションの瓶。私は思わず槍を手放すと、空いた両手で瓶を抑えるようにして持ちます。手放した槍が、地面へと倒れ軽い音が洞窟に響きわたります。


 そしてついに唇に触れた、ひんやりとしたポーションの液体。

 その一部は唇の端からもれて、つーと、顎へとしたたっていきます。


 一口。

 冷たいはずのポーションが喉をとおります。爽やかな爽快感をあとに残して、液体が体内へと入るにつれて、体の中心から一気に暖かみを帯びていきます。

 濃厚といってもいいぐらい高濃度に濃縮されたポーションの魔素が、私の体のなかでまるで花開くように一気に全身へと巡っていくのを感じます。


「はぁっ──」


 痛みが一気にひき、思わず漏れる安堵のため息。

 顎から伝わったポーションのしずくが数滴、槍の穂先へと滴っています。

 一瞬放念していた私はさっと口許を拭うと、貴重なポーションをこれ以上こぼさないように、急いで瓶に蓋をします。


「──ルスト師、助かりました」


 私は握ったままのポーションの瓶に額をつけ、虚空に向けて感謝の言葉を漏らします。

 たまたまルスト師から渡されたポーションがあった幸運。そしてあれほどの落下の衝撃でもひび一つない、ルスト師作成の瓶の強度への感謝。

 我ながら祈りのしぐさみたい、と少し可笑しくなって笑みをこぼしながら、ポーションを再び懐へとしまいこみます。


「救いが人におよぼす影響、ですか。これはタウラが敬虔なアレイスラ教の信徒になるのも、わからなくないですね……」


 目の前の地面から、槍を拾い上げます。


「あら?」


 私は使いなれたはずの槍から、わずかな違和感を感じました。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] そして可笑しな方向に行くと狂信者になって 間違った方向に行くとヤンデレに(スットボケ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ