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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第五章

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逃げ惑う人々!!

 ヒポポをかり、王城へと向かう。


 その時だった。急停止するヒポポ。

 私はとっさにヒポポの鞍をつかんで体を支える。


「ヒポポ!?」

「ブモーっ!!」


 ヒポポの警戒の叫び声。次の瞬間、通りを曲がった先から大量の群衆が何やら叫びながら現れる。

 彼らの顔に浮かぶ、恐怖。そして無数の怒号と悲鳴が通りを満たす。恐怖が、周囲にいた人々にも伝染したのだろう。みな、我先にと押し寄せる群衆とは逆方向に走り出す。


 ヒポポの上から見ると、よくわかる。群衆はどうやら何かに追われて逃げてきた人々のようだ。

 通りの真ん中で止まったヒポポを避けるようにして群衆が私たちの左右を駆け抜けていく。


 私はもっとよく見ようと、ヒポポの鞍の上に立ち上がる。


「見えた! ヒポポ、敵は浄光をまとっている。どうやら地下の墳墓で見かけた浄光カマキリみたいな奴らだ。数は百以上。この群衆が抜けたら、前に!」


 私の視線の先には、青白く光る、たくさんの昆虫たち。そのどれもが人並みか、それ以上の大きさがある。

 私は一瞬、ヒポポブラザーズを顕現して一気に殲滅しようと思ったが、すぐに思いとどまる。

 通りの先、今にも昆虫たちの魔の手が迫りそうな場所に、逃げ遅れ、うずくまる人影が見えたのだ。


 取り出すスクロールを変更。


「《展開》《顕現》ローズ! あの逃げ遅れた人を頼む!」


 宙を舞うスクロールから、ローズの蔓が溢れ出す。

 走り抜ける群衆の頭上をこえ、スクロールが迫り来る昆虫たちの眼前で停止する。


「ローズ。構築名、『薔薇庭園』で蔓を展開! これ以上の敵の進行を阻止して!」


 私はいくつかあるローズの蔓による造形のうち、対モンスター特化の防御に優れた物を指示する。

 薔薇庭園と名付けたそれは、名称の通り、庭園のようにローズの蔓による生け垣を作成してもらうもの。

 完全に大通りを封鎖せず、人間や敵意の無い存在が通り抜けられる通路を残してある。


 ──脇道からいつ逃げ遅れた人が出てくるかもわからないからな。それにこれだけ通路幅がある場所なら、薔薇庭園で迷路のようにして敵を引き込んで内部で処理した方が効率的だろう。


 すぐにこちらへと押し寄せる浄光をまとった巨大な虫たちの前に、薔薇の庭園が出来上がる。

 そして虫ゆえの知能の低さからか、ローズの生け垣にそのまま突っ込む個体が多いようだ。生け垣に触れた先からローズの蔓がその棘を食い込ませるように虫たちに絡みつけ、生け垣の中へと引き込んでいく。

 ぶちゅ、ぐちゅ、と何かが引きちぎられ潰れる音がそこかしこの生け垣から聞こえてくる。


「うーん。これは薔薇庭園にして良かったかも。何が起きてるか見えてないだろうし」


 私の周りには、足を止め、急に現れた薔薇の庭園に驚きの視線を向ける人々。王都に住んでいる一般の人には生け垣の中で起きている事象は刺激が強いだろう。


 周囲を伺っていたヒポポが、進み始める。まだ路上に残る人々を踏み潰さないよう、その巨体からは考えられない身軽さで群衆の隙間をぬい、時には高く跳躍して進むヒポポ。

 すぐさま薔薇庭園の手前、先ほど見かけた逃げ遅れてうずくまる人の所へと到着する。

 私は飛び降り、そのうずくまる人物へと近づいた。



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