表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

309/462

ナイフとフォーク?

 ──あれ、方向が違わないか?


 入り口まで案内してくれるというシスターについて早足で歩きながら、私はふとそんなことを思う。

 細かい教会内部の道順は当然知らない。

 しかし前にセイルークに乗って教会を上空から眺めた時の記憶はある。それと、その時案内されたカヘロネーの私室の場所。くわえてカヘロネーと一緒に教会内を歩いたここ数回の記憶。

 それを頭のなかで組み合わせながら、視線だけで周囲を確認する。


 ──やっぱり。出口から離れている気がする。建物の裏手側に向かってる?


「シスター、王城の様子は何か聞いていますか!?」


 私は少しづつ前を行くシスターと距離をあけながら、質問する。


「──戦闘が、起きているようです」

「そうですか。まだ制圧されていないんですね。王城にあるポイントはまだ無事ですか」

「……何の事ですか?」


 私のセリフに、ピタリ歩みを止めるシスター。私もそれに合わせ、足を止める。


「あれ、シスター。ここは厨房ですよね。確か、入り口まで案内してもらえるのでは? シスター?」

「……もういい。ここで死んで下さい」


 その声とともに、ばっとシスター服の袖をはねのけ、両腕を掲げるように広げる動きをする女性。

 その手からきらめく物が、いくつもこちらへと飛んでくる。


「《展開》《顕現》アロマカズラ!」


 私はこっそり準備していたスクロールを発動させる。スクロールから部分顕現したアロマカズラの蔦が溢れ出す。

 ローズに比べてかげが薄いアロマカズラだが、その能力は優秀だ。

 その百の効果を持つ香りは汎用性が高く、そして何よりもローズより細かい仕事が得意なのだ。


 ローズが剛とすれば、アロマカズラは柔。


 力任せなところがあるローズに比べて、アロマカズラの繊細さは特に対人の時はありがたい資質だ。


──モンスターだったらローズの蔦がズタズタにしちゃってもまあ、仕方ない時もあるけど、人相手に流石にそれは、ね。


 スクロールから溢れ出したアロマカズラの蔦が、こちらに飛んできた物を次々と空中で、からめとっていく。

 蔦についた無数の葉で挟むようにしてからめとってくれた物。


「ナイフにフォーク?」


 ここまで案内してきた女性が投擲してきた物は食器だった。


「ちっ」


 舌打ちをする女性。

 次の瞬間だった。

 その舌打ちが合図となって、厨房に置かれた無数の食器がふわりと浮かび上がった。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ