二つ目の警告!!
「カヘロネー、少し離れてくれますか」
私はそう告げるとリュックサックからブラッディポーションを取り出す。
右手の手のひらにそれを垂らすと、薄くガーンの遺体が置かれていた台の上へと塗り広めていく。
「ルスト、何を?」
カヘロネーが後ろへ下がりながら、疑問の声をあげた時だった。
台に残されていた呪いの残滓と、ブラッディポーションが反応し、青白い光が現れる。
「え、えっ! 光りましたよ、ルスト!」
浮かび上がった光は、私の予想通り文字の形をしていた。驚いたのか、足を止めるカヘロネー。
私は現れた文字を読み上げる。
「『ルスト=シュトルナ=ハーツニクスくん。君への二つ目の警告を告げる。手を引け。僕の救済の邪魔をするな。蘇りしために死せる者たちに手出しは無用』」
文字は、そこで終わっていた。
──これがツヴァイの言っていた警告とやらか。確か二つあると言っていな。この警告を無視すると、何かの制約が外れて直接的に攻撃を仕掛けてくるのだろうか。
私が文字を睨み付けるように見ていると、ゆっくりと青白い光が消えていく。
「あ、文字が消えていきます。このルスト=シュトルナ=ハーツニクスというのはルストのことですか?」
「ええ。私の事をそう呼ぶ存在がいまして。私はただのルスト、なんですけどね」
「では、その存在が今回の一連の事案の犯人なんですね」
「たぶん。そうだと思います」
「そうですか。それとこの、『蘇りしために死せる者たち』というフレーズですが」
消える直前の文字を指差しカヘロネーが告げる。
「あの童謡の一部ですよね、これ」
「童謡って、もしかしてプレイヤーと原初の八人の童謡ですか?!」
「そうです。最後の方にこのフレーズが出てきますよね。ガーンたちは『蘇りしために死せる者たち』だったんで──」
そこで、ぱっと自らの口をおさえるカヘロネー。
「カヘロネー?」
「ルスト、続きは私の自室に行ってからに。ここで調べるものはまだありますか?」
「あと、少し」
私の返事に無言で頷くカヘロネー。その様子をみて、不用意にしゃべらない方が良いのかと、私も極力話さないように気を付けながら、部屋の残りの部分について手早く調査を終える。
目線だけでカヘロネーに終わったことを伝えると、私たちはそのまま無言で玄室を立ち去った。




