槍型錬成獣!!
「ルスト師?」
「ああ。完成だ」
私の周りに集まって固唾を飲んでいた、カゲロ機関の面々から、大きく歓声が上がる。
「みんな、協力ありがとう。皆のお陰で最高の錬成獣になった」
「私たちこそ、たくさん学ばせてもらいました。ローズさんの再構築のお手伝いをしていて本当に良かったです。あの経験がなければ、ボクたちは皆、ただの足手まといだったと思います」
私の横にピタリとついて、手元の計測データを見ながら、皆を代表してシェルルールがこたえてくれる。ハルハマーが野暮用で不在だったこともあり、植物型の錬成獣の錬成経験者はいなかったのだ。
「すごかったよな、ルスト師の錬成」「ああ。植物型の錬成獣の錬成なんて、ほぼ公開されてない技術だもんな」「俺、昔聞いたんだけどさ、今唯一流通している最新式の通信装置用の蔓型錬成獣も、プロトタイプはルスト師が生み出したらしいぞ。それ以降の奴は皆、そのプロトタイプの株分けされた奴らしい」
がやがやと話しているカゲロ機関の面々。錬成の成功で気分が高揚してあるようだ。
「ルスト師、本当なんですか? 通信機の錬成獣の件」
シェルルールがそれを聞き付けたのか、たずねてくる。
「ああ。そうだよ。同じ株から株分けすることで精神感応能力が劇的に向上するんだ。その能力をもとに情報のやり取りを可能にしている」
「じゃあ、情報の大元をおさえているルスト師の蔓型錬成獣は……」
ばっと自分の口を抑えるシェルルール。
どうやら気を使ってくれたらしい。
私はそれに、朗らかに笑ってこたえる。
「心配するようなことは起きないから。大丈夫だよ。それようにちゃんと閲覧制限の封印がかかっているからね。当時の協会長だったハルハマー師を含む三名のマスターランク立ち会いでかけた封印だ」
「そうなんですね。大変、失礼致しました」
「いやいや、シェルルールのその目の付け所はとても素晴らしいと思うよ」
「そんなっ……」
なぜか、くねくねとするシェルルール。
「さて、私はこれをロアに渡してくるよ。もしかしたら測定をここでお願いするかもしれないけど、そのときは自分でやるから。皆も疲れただろう? 今日はこれで終わりにしてくれていいよ。ありがとう、皆」
私は出来上がったばかりの槍を手に、ロアを探しにカリーンの執務室へと向かった。




