表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第四章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

278/462

シュトルナ??

「自らの足で来てくれて嬉しいよ、ルスト=シュトルナ=ハーツニクスくん」


 巨大ホムンクルスは尊大な口調でのんびりと告げる。


「うれしいついでに、彼女達を解放してくれたり、します? お名前を存じ上げない方」


 私は冷や汗をかいているのを気づかれないよう、精一杯の虚勢をはってみる。聞きなれない名前を言われたが、それはとりあえずスルーする。


「いいともいいとも。ほら」


 そういって両手を打ち鳴らす、巨大ホムンクルス。

 ぱんっという高い音が鳴り響く。

 私は目の前の存在への警戒を途切らせないようにしながら、ちらりと後ろを見る。

 がばっと立ち上がったロアがこちらへと駆けてくる。


「ロアっ!」

「きゃっ」


 私が制止を叫ぼうとしたちょうどその時、空間の穴へと突っ込もうとしたロアが何かに弾かれるようにして、しりもちをつく。


 すぐに再び立ち上がるロア。手にした半分になった槍に魔素をまとわせ、空間の穴へと突き立てようとする。

 がつんがつんと、鈍い音。槍が、通らないようだ。

 目に止まらぬ、刺突の連撃。しかしその全てがことごとく跳ね返されてしまっている。


「ふーむ。ルスト=シュトルナ=ハーツニクスくん。ちょっと躾が出来てないんじゃないかね、あれは」


 あきれたような声の巨大ホムンクルス。相変わらず尊大な仕草で肩をすくめている。

 私は、ばっと振り返ると、空間の穴へと駆け寄る。確かに空間の穴を覆うように、何か見えない障壁のようなものがある。


 ──手触りは、錬金術協会で使用していた特別保管庫の斥力場と似ているな。


 私が来たことで、槍を納めるロア。

 私は斥力場に両手をつき、顔を寄せると急いでロアへと話しかける。


「ロア、たのむ。タウラを連れて外へ。そしてセイルークと一緒に、出来るだけ遠くへ」

「でもっ!」

「たのむよ」


 私の右の手のひらへ、斥力場越しに自分の左手をあてるように重ねるロア。背伸びして、ぐっと顔を近づけてくる。睨み付けていると言ってもいいような真剣な表情。


「帰りを、待ってる」


 それだけ告げると、勢いよく身をひるがえすロア。

 タウラを包んだままのローズを回収し、一気に走り去っていく。


「ふー」


 私はため息を一つ。

 斥力場についたままの右手を名残惜しげに握りこむ。

 そして背後の存在へと対峙するため、ゆっくりと振り返った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 名字とかって初出だよね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ