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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第四章

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接続!!

 私は右手の手袋を外す。

 こぼれるように溢れ出した呪いが、右手を包む。


 祭壇の上に置かれた経典の表紙をめくる。

 それだけで、わずかに感じられる、とっかかり。


 呪物としての経典と、私の呪術が干渉した事による感触だ。

 私はそのとっかかりをたよりに、経典のページをパラパラと捲っていく。


「──ここだ」


 とあるページで、感触が変わる。

 開ききった経典の、そのページにゆっくりと右手を押し当てる。


 そのままの姿勢で左手で、ポーションホルダーから、ホムンクルスの入った瓶を取り出す。


 蓋をあけ、中を覗く。

 いつもはぐーたらと寝ているホムンクルスが、元気一杯だ。

 くねくねと両手足を動かす様子は、まるで踊っているかのよう。


 躍りをやめ、両手足をつっぱるようにして、自力で瓶から這い出してくるホムンクルス。ピョンっと瓶のふちに足をかけ、祭壇の上、宙へとジャンプする。


 そのまま、ホムンクルスは祭壇の上を踊るように飛び回る。

 どうやら祭壇と私の右手を中心に周囲にこぼれ出した呪力、それ自体を足場にしているようだ。


 ──こんなことも出来るのか。まあ、手間が省けていいけど。


 私も目の前で踊るホムンクルスに感嘆の眼差しを送る。

 そのホムンクルスが踊りながら通った跡が、やがて空中に浄光の軌跡となって魔法陣が描かれていく。


 それに合わせて、どんどんと、私の右手から呪力が引き出されていく。

 その一部が、呪力導線を経由し、ロアの手の中の魔導具へと流れる。


 あの筒型魔導具には、二つの機能を組み込んでいた。

 一つはロアの持つ遠視の魔眼の強化。それも単純に、見える距離を伸ばすだけではない。

 ここならざる場所──タウラが転移された先。今、目の前でホムンクルスが踊りながら描いている魔法陣の導く地へと、ロアの魔眼の視線を繋いでいるのだ。


「ルスト師、ノイズ」


 魔導具を覗くロアからの指摘。私は魔導具を巡る魔素と呪力の流れを遠目に確認して、指示を出す。


「横のつまみ、奥から二つ目を二メモリあげて、奥から五つ目を三メモリ半、下げて」

「動かした。──見えた。さすが、ルスト師」


 そしてついに、タウラが拐われた地へと、繋がる。

 そうして発動する、魔導具の二つ目の機能。

 それは《転写》。


 ロアの魔眼の視線の先に、魔導具によってホムンクルスの描く魔法陣が転写されていく。


 原初魔法による転移には、移動先と移動元、両方に魔法陣が必要なようなのだ。

 かの地に媒介する物を持たない私が考えた唯一の手段。

 それがこれだった。


 ホムンクルスの踊りが、止まる。

 転写先の魔法陣が、同時に描き終わる。


 次の瞬間、魔法陣が、溢れ出した光によって変質していく。

 空間の軋むような、なんとも言えない音。私は奥の歯に響くようなそれに、必死に耐える。

 ちらりと見えたロアも、眉間にシワを寄せ、不快そうだ。


 ようやく、その音も止む。

 私の目の前、祭壇の向こうに、一つの穴が宙に空いていた。









本日、コミカライズ版の第五話②の更新日です!


いよいよカリーン、登場です~

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