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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第一章

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原因を探ろう!!

「言われてみれば確かに……。全員ではないですが。ロア、よく気づきましたね」とアーリ。


「単身者用の集合天幕から連れて行ってた」とロア。


 どうやら単身者向けの天幕、というのがあるらしい。昨日、ロアが連れてきてくれた風土病の患者は、そこで生活している者が多かったようだ。

 ようやく見つけた手がかりに、私は思わず立ち上がりかける。しかし、ふと、何か引っ掛かりを覚える。


 二人の会話を思い返してながら、ふよふよと浮いたままだった《転写》のスクロールを何の気なしに、目の前の食事に向ける。


「《転写開始》《示せ》」


「ルスト師、何を……?」とこちらを見てくるアーリ達。


「しっ。──見つけた! 二人とも、食事をいったんやめて!」


 私は二人に声をかけると、スクロールを真剣に読みといていく。


「微量だが、やはり毒だ。モンスター由来なのは間違いない。神経系の物だから症状的にも合致する。しかしこの成分、最近どこかで……」


 私は呟きながら一心にスクロールに目を通していく。そんな私のただならない様子に、ガタッとアーリは席を立ち、離れていく。どうやら周囲で食事中の人達への声かけをしてくれているようだ。ロアも食事の手を止め、じっとこちらを伺っている。


「あった! これだ。そうだよ、どこかで見かけたと思ったんだ。うん? でもそうすると……あれ?」


 ちょうどそこへアーリが一人の中年の女性を連れて戻ってくる。


「ルスト師? 何か、わかったんですね」とアーリ。


「ああ。()()()()()()()()()。それで、そちらは?」


「ここの責任者です」と中年の女性。キョロキョロと不安そうだ。


 私は名乗ると、カリーンの命令で風土病の調査をしていることを告げ、とりあえず、調理場を調べさせてもらう。

 その間に、ロアにはカリーンへの伝言をお願いする。


 一通り、調理場は調べ終わる。


 どうやら私の想像通りのようだ。それを元に、すぐやるべき事をその責任者の女性に指示する。戻ってくるロア。


「カリーン様、大丈夫」と相変わらず言葉の少ないロア。


「ありがとうロア。あ、それと一時間後にカリーン様の所に来てください。まとめて説明するので」と責任者の女性に伝えると、私は裏付けを取りに次は単身者用の天幕へと向かった。


 ◇◆


 一時間後。


 カリーンの天幕の外には関係者が揃っていた。


「それでルスト師。風土病が解決したとはどういうことだ?」とカリーンが口火を切る。


「はい、原因はこいつの毒でした」と私は《純化》処理を施した採取用の手袋をはめるとリュックサックへ手を入れる。


 取り出したのは、白いトカゲを襲っていたナマズのようなモンスター。錬成素材になるかと持ってきていたのだ。

 皆の目の前にどん、とそれを置く。


「近くの川の上流の池に生息していたモンスターです。その触手の毒が今回の風土病の原因でした」

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― 新着の感想 ―
[一言] 独身はほとんど自炊しないで食堂通い 妻帯者は逆に自炊が多い。 でもってこの辺ではトカゲも食材で、 ナマズの毒で弱ってたトカゲが中毒の原因か ナマズ自体が食材かも? だとすると独身者より料…
[一言]  栄養不足じゃなかったのか。
[一言] 大元は退治済み? それともまだ他にいるかな?
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