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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第三章

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急報!!

「という訳で、このアンデッドドラゴンもついてくる事になって、セイルークは四つ目のポイントを手に入れた訳なんだ」

「ふむ。なかなかイベントたっぷりの空のデートだったわけだな」

「カリーン。違うからな?」


 私は、じとっとした視線をカリーンに向ける。

 カリーンはどこ吹く風とそれを受け流す。

 今、私たちがいるのはセイルークのために新しく作った竹の建物の中だ。

 そこでカリーン、アーリ、ロアとハルハマー師に詳しく、何があったのかの話をしていた。

 その間、ドラゴン二匹は興味深そうに室内を嗅いで回っている。アンデッドドラゴンに嗅覚があるのかは、大いに謎だが。二匹とも気に入ったようだ。


 その時だった。扉を開け、シェルルールが飛び込んでくる。

 その手にはくるりと丸まった羊皮紙が一本。最新式の通信装置からの知らせのようだ。


「カリーン様! ハーバフルトンより通信です。至急、親展とのことですぅ!」

「なんだ良いところなのに。これからルストの初デートの話を根掘り葉掘り──」

「いや、そんな事実は無いから! カリーンもいい加減にしようか」


 羊皮紙をカリーンに手渡したシェルルールが目をまるくしてこちらを見てくるので、私はきっぱり否定しておく。


「はは。そんなに照れると逆に……」


 羊皮紙の封を切り、目を通すにつれてカリーンの軽口が途切れる。

 重苦しい雰囲気が一気に広がる。

 カリーン以外の面々が互いに顔を見合わせる。

 羊皮紙を読み終えたカリーンが顔をあげ、皆を見回すと口を開く。


「緊急事態の可能性が高い。連絡はタウラからだ。東の国境付近で、超大型のモンスターが移動しているのを確認。進行方向にはハーバフルトンが含まれるそうだ。ハーバフルトン到着まで推定、六日」

「六日という事は、移動速度はそこまで速く無さそうだね。それで、タウラは無事なのか? というかなぜそんな所に」


 私は思わず口出ししてしまう。


「タウラの状態については記述はない。彼女が東の国境にいたのは『ポイント』の手がかりを探してくれていたんだ。あの辺りも遺跡が点在しているからな」

「そうか……。口出ししてすまない」

「なに、いいさ。さて私はハーバフルトンに戻らねば。どれだけでかいのか、今から楽しみだ」


 そういってがははと笑うカリーン。しかし虚勢をはっている時、笑い顔が少しひきつるのは、カリーンの昔からの癖だ。

 領主としての皆の命を背負う重圧は想像しようとして止める。今はそれよりも少しでもカリーンの手助けをすべきだろう。


「セイルーク、ハーバフルトンまで何人乗せて飛べる?」

「ぎゅー」


 絆を通して伝わってきたのは三人。そもそもセイルークはハーバフルトンまで人乗せて飛べるんだな、と内心感心する。


「カリーン様、三人ならセイルークが運べると」

「助かる、ルスト師。私、ルスト師、ロアの三名はセイルークでハーバフルトンへ向かう。ハルハマー師、先行部隊から開拓部隊への引き継ぎ作業の監修を頼む。その後、アーリをつれて錬成獣でハーバフルトンで合流してくれ。この地のカゲロ機関の責任者は──」

「シェルルールが良いかと」

「うむ。そうしよう。ありがとうルスト師。シェルルール、頼めるかな」

「は、はいっ! がんばりますぅ」


 びくっとなって背筋を伸ばして返事をするシェルルール。


「あとは、リリー殿下だ。どうしたものか」

「カリーン様、わしの方で引き受けましょう」

「……すまん。ハルハマー師、よろしく頼む。さて、準備でき次第出発だ」


 カリーンのその声で皆があわただしく動き始めた。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新ありがとうございます。 [一言] 絆が便利になってる!
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