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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第三章

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例のあの人、再登場!!

「ぎゅるるー」


 セイルークは体が大きくなっただけではなく、声まで低くなったようだ。鳴き声が野太い。

 セイルークに『ポイント』を渡したあと、私たちは歩いて本部へと向かっていた。

 その横を並んで歩くセイルーク。

 私はそっちを見上げながら呟く。


「これ、どう見ても部屋に入らないよな。どうしよう、専用の建物、作るか……」

「ルスト師、やりすぎはダメですよ」


 私の呟きにアーリの突っ込みが入る。

 そうしているうちに本部が見えてくる。

 なんだか騒がしい。


「ルスト師、開拓部隊が到着したみたいですっ!」


 シェルルールの弾んだ声。

 見ると確かに見知った顔が増えている。


「あれ、カリーンじゃないか。来るはずじゃなかったよな。また面白がって飛び入りで参加したのか……」


 開拓部隊の中にカリーンがいるのが見える。

 こちらに気がついた様子のカリーン。

 巨大化したセイルークを見て驚いている。


 私たちはカリーンの方へと歩いていく。


「カリーン様? 開拓部隊には参加しない予定でしたよね?」


 私の声に、ぽりぽりとほほをかき、気まずい表情をするカリーン。


「いや、まあ、ちょっとな……」


 珍しく歯切れが悪い。いつもなら開き直ってガハガハ笑うはず。そのカリーンの様子に嫌な予感がする。

 その時だった。開拓部隊の人混みのなかから飛び出してくる人影。


「ルスト様! お会いしたかったです! まあ、ドラゴン殿も立派になられて。既に例のものは手にしたのですね。流石、救国の英雄ですね」


 ──げっ! なんでここにリリー殿下が! というか近いって!


 私がじりじりと下がりながらカリーンの方をにらむと、片手を顔の前にあげてすまなそうにウィンクする。口がパクパク動いている。

 口の形から判断すると、「だめだった」と言っているようだ。


 ──いやいや、ダメだったじゃないから! 頼りになる上司様だと感謝した私の気持ちを返してほしいわっ!


 私は内心カリーンに突っ込みながらひきつった笑顔でリリー殿下に返事をする。


「これはこれは、リリー殿下。こんな未開の地にようこそいらっしゃいました。こんなところでは何ですから、室内へご案内します。ただ、急なお越しでなにぶんお泊まり頂く場所の準備が……」

「ルスト様の部屋でもよろしくてよ」

「……ははっ。冗談にしてもあまりよろしくありませんよ。直ぐに準備しますので、わたくしはこれで一度失礼します!」


 ──いやいや、本当に冗談じゃないから。未婚の王族の女性を、例え開拓地とはいえ部屋にあげるなんて、良くてスキャンダル。最悪、命のやり取りだろ、それ。


 私は冷や汗を拭いながら、その場を離れイブの元へと向かった。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新ありがとうございます。 [一言] 女率が高くなった!
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