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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第三章

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転移先は?!

 私が目の前の壁に鍵の魔晶石を近づけると、壁に魔法陣が浮かび上がる。


「おお!」「一発で正解を引いたなっ」


 私の肩や腕に掴まっている皆から感嘆の声が上がる。


 霊廟の壁の物と同様に、くるくると壁の上で回り始める魔法陣。それが崩れ、魔素の光がやはり文字となって壁の表面に現れる。


 霊廟の時はリリー殿下からの求婚の衝撃もあってしっかりと見ていなかった文字。

 今回現れた文字もやはり、『管理者権限の確認が完了』と書かれている。


 しかし、僅かな違和感。


「あ、『バックドア』の文字がないんだ──」


 私は書かれた文字のうち、読み取れる部分に素早く目を通す。そして、違和感の正体に気がつく。

 しかし、『バックドア』というものが何かは相変わらず、わからないままだった。それでも、何かが変更になっている可能性が高いと、皆へと警告しようとする。


 しかし、私が口を開くよりも速く、壁から溢れだす魔素の光。

 それは私の体を通して、皆へと広がる。そのまま全員の体を包み込んでいってしまう。


 次の瞬間、世界がパッと切り替わる。

 私たちを取り囲んでいた地下遺跡の壁が完全に消失している。


「え、転移しました? 外?」


 私の肩につかまったままのアーリの呟き。先程まで感じなかった日の光が私たちに降り注ぎ、風が吹き抜ける。

 私の後ろには、ロアにハルハマーもいる。私の腕を掴んで一緒に転移してきたようだ。

 しかし、アーリが掴んでいるのと逆の肩が不思議と軽い。


「セイルーク、いない」


 ロアが私の空いた肩をみて、ぼそりと呟いた。


「セイルークだけ取り残されたのか? それとも別の場所へ?」


 私は呟きながら急いで辺りを見回す。

 辺りはひらけていて、少し離れた場所には無数の建物が見える。

 石とも金属ともわからない不思議な質感の建物群。

 どれもなかなかの大きさがある。

 足元も不思議だ。石というには柔らかく、僅かに弾力を感じる。


 そのどれもが霊廟の時の転移先の小部屋とは全く別物で、戸惑ってしまう。

 何よりも、戻るための壁がどこにあるのかがわからない。


「なんだか不思議な場所ですね。今のところ争いの兆候は無さそうです」


 同じように辺りを見回しながらアーリが教えてくれる。


「ありがとう、アーリ。まずは戻る用の、鍵の魔晶石が反応する壁を探そうと思うんだけど、どうかな?」


 私は皆に尋ねる。


「それがいい。セイルークの事は今は何もわからんしな。わしの勘ではセイルークだけ地下遺跡に取り残された可能性が高いとは思う。どちらにしても確認できん。ルストの言うように、動くしかあるまい」


 アーリとロアも頷いてくれる。

 方針を決めた私たちは、一番近くに見える建物へと向かった。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新ありがとうございます。 [一言] なんてこった分断された!
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