地下遺跡を探索開始!
再び訪れた地下遺跡は、変わらない様子だった。
今回の地下遺跡探索のため、先行隊に参加していたロアとアーリ、そして肩に止まったセイルークが一緒だ。先頭は当然ハルハマー師だ。
地上の入口からはしごを下り、しばらく進むとハルハマー師が生活し、研究していたスペースに行き当たる。そこは、男の独り暮らしで好き勝手に研究に没頭していたらこうなるだろうなという乱雑さ。
部屋のすみには大量の保存食が積み上げられている。
ここら辺は、前回はセイルークを助けるために行きそびれてしまった場所だ。この惨状を見ると、特に残念でもないが。
「暇を見つけては、かなりハーバフルトンに生活用品は運んで、片付けてしまったからな。残念ながらもてなしはできん」
がははと笑いながら、そんなことを言うハルハマー師。
ロアがぼそりと呟く。
「信じられない汚さ。これで片付けた?」
「嬢ちゃんは相変わらず辛辣だ」
ロアの辛口にもなぜか機嫌良さげなハルハマー師。アーリの方がおろおろしている。
「放って置いて大丈夫さ。それよりもアーリもロアも二人ともカリーンのそばを離れて大丈夫? 王都での襲撃も未解決だろ」
私は歩きながらアーリに話しかける。先日の襲撃、十中八九は呪術師が絡んでいるとは思う。しかし、手練れの人間を実際に手配したのは呪術師とは別の存在の可能性が高い。
呪術師が直接的に仕掛けてくるなら、使い魔を使いそうなものだ。
「カリーン様にはしばらくはハーバフルトンで大人しくしていてもらうようにお願いしてあります。ハーバフルトン内でしたら警備も厚めですので」
アーリとそんなことを話しているうちに、ハルハマー師が立ち止まる。
そこは、通路の行き止まりであった。そしてその正面の壁は霊廟の壁と似た材質でできているように見える。
「ここじゃ。ルストから聞いた話を元に、ここが一番怪しい場所だ」
ハルハマー師が壁を指差す。
私はリリー殿下から譲り受けた鍵の魔晶石を取り出すと、ゆっくりとその行き止まりの壁へ近づいていった。
「転移するかもしれない。皆、ダメもとで私に掴まって」
私はハルハマー達にそう伝える。
この原初魔法の転移式が不明の現状、どこまでが転移対象とされるかは全くの未知数だ。
体に掴まるぐらいでうまく一緒に転移されるとは限らないが、なにもしないよりはましだろう。
皆が私の肩と腕に掴まったのを確認すると、私は取り出した鍵の魔晶石を壁へとかざした。




