再び王城へ!!
「ルスト、返事が来たぞ」
カリーンがヒラヒラと手にした手紙を振って見せてくる。
タウラが戻ってきてから数日後の昼下がりだった。夜会の方も、行かないといけない会にはおおかた参加し終わった。それもあり、ここ数日は久しぶりにゆっくりと過ごしていた。
黒い立方体探しをするためリリー殿下へお話を聞きに行く用事がなければ、ハーバフルトンに戻れていただろう。そう考えると、なかなか複雑な気分だ。
その、リリー殿下からの返事。むげにされることはないとは思うが、万が一あてが外れた場合には別の手だてを探さないといけない。
その方が気楽かも、と思いながら私は手紙を受け取り、目を通していく。
「それで、リリー殿下からは何て書いてある?」
にやにやしながらたずねてくるカリーン。
「……王城へ招待された。しかも、またしても今日だ」
「それはそれは。だいぶ熱烈じゃないか! 流石に求婚されただけはあるな」
「カリーン、もうそういうのはいいから」
「はは、すまんすまん。で、誰をつれていく?
一人で来いとは書いてないのだろう?」
「……ないな」
私は手紙を読み返すがそんな記述は見当たらない。
「であれば慣例的に二人は随行しても問題無い。で、誰を選ぶんだ」
再びニヤニヤとするカリーン。何故か私が誰を選ぶかが面白いようだ。
私は黒い立方体の探索の成功率を上げることを念頭に、二人の名前を告げた。
◆◇
「タウラもシェルルールも、急に連れ出してしまって済まないな」
私たち三人と、セイルークは王城の控え室にいた。ここでリリー殿下からの呼び出しを待っているように言われた。
「いや、そもそも私の呪術師への復讐が根底にあるのだ。今回のことも含めて、ルストにはかなりの労力を使わせてしまっているだろう。本当に感謝している」
真剣な顔でお礼を言ってくるタウラ。
そんな私たちの顔を交互に見て、おずおずと話しかけてくるシェルルール。
「あの、ついてくるの、本当にボクで良かったんでしょうか……」
「ああ、シェルルールの錬金術師としての仕事ぶりを見ていたけど、かなり思考が柔軟に感じたし、着眼点も鋭い。だから、シェルルールは普段通りにしていてくれ。あまり気負わずに、気がついた事があったら教えてくれたら良いから」
「ルスト師──! わかりました! ご期待に添えるよう、全力を尽くします!」
何故か、感極まった様子を見せるシェルルール。
何故か、呆れたように私とシェルルールのやり取りを見ているタウラ。
「ルスト、ほどほどにしておいた方が良いぞ」
「……何のことだ?」
「いや、何でもない」
すっかりご機嫌な様子のシェルルールは、張り切って、このあとの私たちとリリー殿下の話しを記録するため、準備を始める。
書記役をしてくれるようだ。
セイルークはそんな私たちのやり取りなどどこ吹く風といった感じで、私の肩の上でうつらうつらしている。
どうも体が大きくなってから、前より寝ていることが多い気がする。
そんな中、ついにリリー殿下からお呼びがかかった。




