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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第三章

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歴史と新たな謎!!

 リリー殿下の手の魔晶石が、壁に触れる。

 魔素のきらめきで、魔晶石がふわっと光ったかと思うと、次の瞬間、壁に魔法陣が浮かび上がる。


 見たことのない魔法陣だ。


 くるくると壁の上で回り始める魔法陣。それが崩れたかと思えば、魔素の光が文字となって壁の表面に現れる。一見、読めない文字列だ。


 その文字はセイルークの半透明のプレートに表示されるものと同じ形式のものだった。

 その一部が二重写しのようになって、私の目には写る。


「バックドア? 管理者権限、……入力?」


 思わず、その意味のわからない、飛び飛びのその文字を呟いてしまう。


「ルスト様! やはりこの文字が読めるのですね!」


 ばっとこちらを振り向き、距離を詰めてくるリリー殿下。またふわりと、花の香りが鼻先をくすぐる。

 リリー殿下の手にした魔晶石が壁から離れ、文字も消える。


「お、落ち着いてください、殿下。ほら、賭けに勝ったのは私ですよ。説明の続きをお願いします」


 私は両手をあげ、迫るリリー殿下を押し止める。


「失礼致しました。この壁に浮かび上がった文字は、原初魔法の文字だと王家に伝わっております。しかしその読み方も、長きにわたる戦乱の中で、失われて行ってしまったようなのです。千年前に始まった、人と竜種対、魔族の争いで。もう残っているのは、こういった古い建物に、この鍵の魔晶石をかざして現れる物だけとなってしまいました」


 自らの鍵の魔晶石を握りしめながら、呟くように教えてくれる。


「なるほど……。しかし、何故私がそれを読めると思われたのですか?」


 私は一連のリリー殿下達の行動を思い出しながらたずねる。その行動から推測するに、会う前から、目をつけられていた可能性が高そうなので。


「原初魔法が竜種より人へと伝えられたと言う逸話はルスト様も御存じかと思います。そしてルスト様は数百年ぶりに竜種との契約を果たされた方。であれば、この原初の文字も読めるのでは、と思いました」


 そこで一旦、口を閉じるリリー殿下。


 私は自分が渡された魔晶石でも出来るのか試して見ようと、鍵の魔晶石を取り出す。リリー殿下を避けるようにして壁へと近づくと、魔晶石をかざそうと腕を伸ばす。


 背後で、リリー殿下が再び口を開く。どこか決意のにじむような口調。


「それで、改めてお願いします。ルスト様、私と結婚し、王家に入ってくださいませんか」


 えっと驚き、私はリリー殿下の方を振り返る。


 ちょうど同じタイミングで、私が壁にかざした魔晶石から発生した魔法陣が、文字へと変わる。

 しかし、それは先程のものと、文章が変わっていた。


 《管理者権限を確認 転送を開始します》


 私の体を包んでいく、魔素の光。

 目の前の、髪から枝を生やしたまま真剣な表情でこちらを見つめるリリー殿下の顔が、次の瞬間、かき消えた。

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