表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

144/462

これは、圧勝せざるを得ない!!

「それは、勝者がなにか報奨を頂けると言うことでしょうか?」


 私は街道の周りを続々と埋めていく人垣を眺めながらリリー殿下に尋ねる。先ほど門番にゾロアーが話に行っていた。これから始まる私たちの早駆け勝負の事が、門番からあっという間に噂となって広まったのだろう。

 早駆けのため、街道を開けてもらうという点では良かったが。


 人垣から、若い女性を中心にリリー殿下への声援が上がっている。ただ、それを上回るぐらい、私への声援が聞こえてくる。なぜか男性や、家族連れを中心に。


「あれが救国の英雄殿!」「意外といい男じゃない?」「パパ、ドラゴン、どこ? 真っ白なドラゴンっ」


「ルスト師の方が声援が大きい」


 ポツリと呟いたロアの声。なぜか少し満足げだ。そして、その呟きが聞こえたのだろう、ゾロアーとリスミストの顔が少し険しくなる。ただ、聞こえなかったフリはするようだ。

 私とリリー殿下は周りの諸々は置いておいて、話を続ける。


「負ける気が無いのですね。どうでしょう、賭けにするというのは」


「賭け事は、貴種にあるお方としてはあまり誉められたものでは無いのでは?」


 私はやんわりと止めてみる。


「上に立つものほど、決断が必要でしょう?」


「──賭け事も、そのうちに含まれると言う事ですか。わかりました。何を賭けるのでしょうか」


「救国の英雄殿達が勝ちましたら、先日お渡しした魔晶石の秘密をお教えする、というのはいかがでしょうか」


 私は一瞬、返事につまる。それはかなり気になっていた事だったので。


「──それで、私達が負けた場合はどうすれば?」


「カルザート王国第二王女たるわたくし、リリエンタール=カルザートのものになってくださいまし」


 両手の指を再び会わせ、にっこりと笑いながら、リリー殿下が賭けの内容を告げた。


 私はその朗らかながら、目が笑っていない笑顔を見て、決意する。

 これは圧勝しなければいけない戦いなのだと。


「いいでしょう。その賭け、受けてたちましょう」


「ルスト師っ!」


 何かいいかけるロアへ、手のひらを向けてなだめるように伝える。


「大丈夫。絶対勝つよ」


 力強く言い切ると、ロアもしぶしぶ引き下がる。


「まあ。それでは早速始めましょう。五人のうち最初に霊廟にたどり着いた者が、勝者です。ゾロアー」


「はっ! 門番殿! スタートの合図を頼む」


 慌ただしくも準備が整う。

 ずらりと私たち五名は門の外で一列に並ぶ。

 皆の視線は急に任命された門番へ注がれる。


 大きく挙げられたその手。

「それでは、スタートの合図をさせて頂きます。皆様、準備はよろしいでしょうか」


「良い。はじめてくれ」


「わかりました。三、二、一。スタートっ!」


 門番の手が勢いよく振り下ろされた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 掛けとして成立するほど重大な秘密抱えてるん?魔晶石
[一言] 鼻っ柱をへし折ってやってくだせぇ!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ