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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第三章

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暗殺なんて、甘い甘い!!

 客車が止まる。


 待ちかねたように、飛び出していくカリーン。

 その手にした剣の重量で、カリーンの踏み込みに合わせて大きく客車が揺れる。


「なんで一番に飛び出すかな……」


 普通に考えて狙いはカリーンだ。私は思わず呆れて呟いてしまう。

 飛び出したカリーンを追うようにして、アーリも外へ。

 その際、客車の横に立てられた領旗を引き抜いていくアーリ。

 良く見ると、領旗のポール部分が槍になっていた。


 ──アーリ、槍を持ってないと思っていたら、あんなところに。


 私もスクロールを展開、発動しながら、アーリのあとを追って客車の外へ。


 そこは、カリーンの独壇場と化していた。

 嬉しそうに新品の隕鉄の剣を振り回すカリーン。一振りごとに風を切り裂く轟音が響く。

 その剣の先には、漆黒の服に、漆黒の覆面をつけた敵が複数。暗殺者だろうか。

 滑らかな動きで、カリーンの背後をとろうと連携している。

 そこへ繰り出されるアーリの槍。ついたままの領旗がはためき、カリーンの背後を狙っていた暗殺者の足を、槍先が貫く。


 ちらりと背後を確認して、カリーンが敵に向かって突っ込む。その背後をカバーするアーリ。

 背後を気にせずにすむようになったカリーンが、嬉々として剣を振るい、あっという間に複数いた暗殺者たちを制圧してしまう。

 どうやら剣の腹の部分で殴り、切り殺してはいないようだ。


 ──並みの人間相手じゃ、カリーンとアーリなら当然圧倒するよね。気絶させようとする余裕すらあったみたいだ。まあ、カリーンの馬鹿力であの重量の物で殴られたら、生きているとは限らないけど……


 私がそんなことを思いながら見ていると、意図的に意識を残しているのだろう、最後の敵に隕鉄の剣を突き付け、カリーンが口を開く。

 一応、事情の誰何を行うようだ。


 何を話しているか聞こうと私も近づいていく。その時だった。アーリが血相を変えて走り出す。


「ローズ!」


 私が叫ぶ。

 同時に、カリーンを押し倒すようにして上に被さるアーリ。

 その二人を守るように、事前に発動していた《顕現》のスクロールから、ローズの蔦が溢れる。


 くるくると二人の回りで、蔦の壁が形成される。


 暗殺者の体が膨れ上がる。

 何か液体を撒き散らしながら、爆散する暗殺者。


「《研磨》」


 私が追加で発動した研磨のスクロールによる竜巻で、その飛んで来た液体を吹き散らす。


 それでも雫が数滴、ローズの蔦へと付着した。



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