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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第二章

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試行錯誤!!

 深夜。


 私は皆が帰った後のカゲロ機関の研究室にいた。そこで一人、錬成を続けていた。


 ──まず、立体型集積魔導回路の複数並列接続をして……


 私の指では太すぎる、繊細な作業をするために、ローズとアロマカズラにお手伝いをお願いしていた。


 目の前にある、緑色の手袋。ローズとアロマカズラの蔦製だ。その手袋に両手を突っ込み、ゆっくりと動かす。


 その私の指の動きに連動して、極細で強靭な蔦が動いてくれる。その疑似手指とも言うべきもので、とても小さな物がつまめるのだ。今は疑似手指を使い、完全なる純水の中で集積魔導回路の組み立てを行っていた。


 ──問題は、ここからだ。錬成獣の生命の元となる各種たんぱく質、ミネラル、そして破砕した魔晶石の混合液。この立体型集積魔導回路そのものを核として、錬成獣へと至る胚の生成を……


「あっ」


 形成されかけた胚が崩れる。


「これもダメか。単純に魔導回路の処理能力を上げる力技じゃ無理ってことか……」


 私は完全なる純水を維持していた魔素の注入を中断する。すぐさま、完全なる純水がその中に沈む全ての物を溶かしていく。


「うーん。なんだろう、完全に行き詰まったぞ。やはり魔石を使わないと錬成獣は作れないのか? でもそれだとな──」


 私は伸びをすると、散歩でもするかと、そのまま外へ出る。


 曇天なのか星も見えない。それがなんだか今の自分のスランプ気味な気分と微妙に合致していて、かえって可笑しく感じられる。


「今頃、アーリとロアはどこら辺かな」


 私はカリーンに大見栄を切ったあの日から、寝る間も惜しんで準備を進めていた。しかし、その準備の間にも更なる襲撃がある可能性も考え、二人には周囲の偵察の任務がカリーンより下されていた。


 私も少しばかりの手伝いとしてヒポポブラザーズのうちの二体を貸し出している。


「まあ、あの二人にヒポポブラザーズがついていればよほどのことがなければ大丈夫だとは思うんだけど」


 どうも悩みながら散歩していると独り言が多くなるようだ。


 ふらふらと歩き続ける。不在にしていた間にハーバフルトンも知らない場所がかなり増えていた。


「あれ、教会かここ? 最近出来たのか」


 ふと目についた建物。そこは夜に属する神を祭っているのだろう。夜間の礼拝が可能なように門扉が開け放たれ、うっすらとした照明が灯っていた。


 月明かりを思わせるような微妙な光量の照明。その光にうっすらとした照らし出された建物はどこか優しさと安寧を感じさせるものだった。


 普段なら無視してそのまま立ち去っただろう。しかし、今の私はふらふらとその入り口へと近づいてしまう。


 ゆっくりと中を覗きこむ。


「驚いた。こんな時間にも人がいるんだ」


 さっきまで独り言を言っていたせいか、思わずそんなことも呟いてしまう。


 その声が聞こえてしまったのか、教会の中にいた人影が立ち上がり、振り向く。それは、タウラだった。


「ルストか。こんな時間に教会を訪れるなんて珍しいな」


「なんだ、タウラか。驚いた。私は少し錬成で上手くいかなくてね。散歩だ」


「なんだとは、随分と酷いな」と泣き真似をするタウラ。


「え、いや! そんなつもりは! ────ごめん。あー、タウラはこちらへ礼拝に?」


「ああ、我が主神たる女神アレイスラは夜に属するからな。こうして夜間にも礼拝が必要なのさ。それでルストは何を悩んでいるのだ。私で良ければ聞くぞ」


 そうタウラは言うと、まるで受け止めるぞっとばかりに両手をこちらへと広げてくる。


 私は一瞬悩むが、そのお言葉に甘えて、上手くいかない錬成の事を話し始めた。




予約投稿の時間、間違えました……

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