会議に出よう!!
「全員、揃ったな。まずは結論から伝える」
カリーンが執務室の隣の小会議室に集まったメンバーの顔をゆっくりと見回しながら話し始める。
「私はこのアドミラル領の領主であり、この地に住まうものを守る義務を負うが、同時にこの国の騎士として王に剣を捧げている。今回の事態、座視することあり得ない。王都の奪還を、はたす」
皆、真剣にカリーンの言葉を、その意思を受け止める。それが今後の私たちの指針なのだから。
私も義理堅いところのあるカリーンならきっとそういうとは思っていた。
問題は、ここからだ。カリーンなら、自分が先頭に立って王都へ乗り込む、ルストだけついてこい、とか言い出しそうだ。
しかし安心なことに、その心配は私の勘ぐりすぎだったようだ。
続くカリーンの言葉が常識的なものでほっとする。
「その前提で、各部門長、そして経験豊富なお二人の意見も伺いたい」
とその場にいる一人一人の目を順番に見ながらカリーンが話す。
「それでは最初に失礼します」と最初にカリーンと目があっていた食料管理長に昇格したリットナーが話し始める。
「まず現在の食料の保管状況ですが、新規の町を作る想定で多めに備蓄しております。これに加え周囲からの狩猟を加味すれば流通が完全に断絶したとしても、ハーバフルトンの自給のみであればかなりの期間は飢える心配はありません」
「行軍するとして、その際の兵糧はどうだ?」
待ってましたとばかりに生き生きと話し始めるリットナー。私は急に専門用語の増えたリットナーの話に、急に眠気が。
「ふむ。やはり大規模な出兵は無謀か」
そのリットナーの話を聞いてカリーンがそう結論付ける。
その後も、各部門長からの提案、意見が続く。
「次にアーリとロア。何が見える?」
無言で首を横に振る二人。
「カリーン様。申し訳ないのですが何も。ロアもです。ただ、ハーバフルトンでしばらくは争いは起きないとみていいかと」
「なるほど。それはかなり有益な情報だ。ハーバフルトンの守りも重要な要素だからな」
うんうんと、うなずいているカリーン。
私はなんとなく雲行きが怪しくなってきたように感じてしまう。
──これは少数精鋭で突撃する、ついてこいの流れかな。やれやれ。腕がなるな。
「次にタウラ殿。貴女の知見をお借りしたい。此度の事態、どう見ていますか」
「魔族は多くて一体。そして回復された兵からの証言によると我が宿敵たる呪術師の姿も確認されています。敵の本拠地は王都、地下と想定されます」
そこでいったん口をつぐむタウラ。
しかし意を決したかのよう再び口を開く。
「王都へと向かう際は是非私も同行させて頂きたい。私はそちらのルスト師に借りがあります。今こそ、借りを返させていただきたい。ルスト師、貴殿の前に現れたこの厄災。切り裂く一振りの剣となりましょう」
こちらを向き、そう宣誓をするタウラ。
かなり外堀が埋まったところで、カリーンがついに私にも話を振ってきた。




