表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/462

魔晶石を作ろう!!

 魔素を大量に含んだカゲロの実が、竜巻の中心でくるくると回転し始める。

 この《研磨》のスクロールは当然、ただの竜巻を作るものではない。その本質は竜巻に含まれる微細な粒子。金剛石の粉の濃度を自在に変更し、竜巻の中での回転速度を操作することで、細かい調整が出来るのだ。


 金剛石の粉の濃度を上げる。

 カゲロの木からの木漏れ日を反射し、竜巻がキラキラと光り始める。


 村人達からも、それが見え、歓声が上がる。


「キレイ……」「うわー」「なにあれ──」


 女性陣の反応が顕著だ。やはりどこの地域でも光り物は女性受けするらしい。


 魔晶石の規格は三つの項目がある。サイズ、出力、容量、だ。

 特にサイズと出力が合わないと使い物にならない。

 そして、出力は魔晶石のカッティングによって決まる。


 幸運なことに、旧型の魔晶石の規格はバッチリ覚えている。

 私は小さくなりすぎないように気を配りながら、魔素を大量に含んだカゲロの実を竜巻の中でカッティングしていく。


「よし、こんなものか。《定着》」三本目のスクロールを発動させる。


 私は魔素をカゲロの実へと完全に封じ込める。

 竜巻を消すと、さっと手を伸ばす。


 私の手の上には、多面体にカットされ、中で真っ黒なモヤが渦巻く魔晶石が一つ。


「村長さん、どうぞ。そちらのH-32型魔法銃で試し撃ちしてみてください」


 私は魔晶石を差し出す。


 震える手でそれを受け取り、魔法銃へセットする村長。

 緊張した面持ちで、その様子を見守る村人達。


 村長が空に向けて魔法銃を構え、引き金を引く。

 魔素が弾へと変換され、一条の真っ黒な光が空へと走る。


「うおおおお!」「本当に魔晶石だ!」「これでもう怯えて暮らさなくて……」


 村人達の歓声が爆発した。


 ──こんなに喜んでもらえると、やりがいあるなー。


 そんな事を思いながら、呟く。


「さて、サクサク作りますかー」と、私は喜ぶ村人達を見ながら、先程の三本のスクロールをあと二セット、あと《解放》のスクロールを一本、リュックサックから取り出す。


 そして、計十本、スクロールを展開させる。

 そのまま三個同時進行で、カゲロの実をサクサク魔晶石へと錬成していく。


 いつの間にか、村人達の歓声が止んでいる。

 何故か皆、ポカンとした顔をして私の事を見ていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
スクロール十本同時展開は驚いた。
[良い点] ムダが無い。ストレスが無い進行です。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ