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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第二章

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こっそり仕込んだ隠し機能!!

「ハロルド! 眼帯、外しておけ」私はハロルドの背中に声をかける。


「ああ、そうだな」そのまま眼帯を外し、前方にいるリリィを見つめながら後ろに投げるハロルド。


 全くこちらを見ていないにも関わらず、眼帯はちょうど私の手元へと投げ込まれてくる。


「ルスト師。ハロルドさんは軍部所属とはいえ、事務職なのでは?」


 アーリが私に小声できいてくる。ハロルドが少し離れたタイミングなのは気を使ったのだろう。


 その気遣いをぶち壊しにする大声で、カリーンがこたえる。


「ああ、たしかに経理関係の仕事だぞ。なんだ、心配しているのか? あいつ、それなりにやるぞ」


「カリーン様。それもありますがあのリリィと言うハロルドさんの部下は? 全く経理系のお仕事をされているようには見えません」


「昨晩聞いた話だと、王都の混乱と人手不足で指揮に駆り出されたと言っていたから、その部下なんじゃないかな」


 私が今度はアーリに答える。


 なぜかちらっと顔を見合せるカリーンとアーリ。


「始まるようだ。ルスト、私はいざとなったら宣言通り、出るからな」


 私は一瞬感じた違和感も、目の前のハロルドとリリィの戦いでうやむやになる。


「もちろん、止めないさ。でも、大丈夫だと思うけど」


 私は二人の戦いを眺めながらカリーンに答える。


 リリィの高速で繰り出される双剣の連撃。

 ハロルドはそれを片手で構えた剣で受け流している。

 ハロルドが一歩踏み出しながら、剣を振り上げる。

 リリィは打ち込んだ剣撃で、すくわれるように体が持ち上げられてしまう。わずかに生まれたリリィのその隙を狙い、ハロルドより放たれる魔法弾。


 それは、ハロルドが構えた拳銃型の魔法銃から発射されたもの。


 驚異的な身体能力で、魔法弾を双剣で切り裂くリリィ。


 ハロルドとリリィの間合いが、広がる。


 地面に剣先を突き刺し、ハロルドはもう一つ、拳銃型の魔法銃を取り出すと両手で魔素の弾を撃ち込んでいく。


 しかし、無数のポーションラビットを寄せ付けなかったリリィだ。当然ハロルドの放つ魔法弾はすべて切り裂かれて、いなされ、リリィには届かない。

 それどころか、放たれた魔法弾の雨のなか、ゆっくりとハロルドへと歩みを進めるリリィ。


「ルスト師、そろそろ不味いのでは?」


 その様子を見てアーリが声をあげる。


「確かに、そろそろだ」私はハロルドをしっかり見ながら、そう答える。


「やっぱりですね……。あれ?」と急に単眼鏡を押さえるアーリ。


「アーリ、どうした?」


「はい。今ちょうど、未来視で見える世界が変わりました」


 アーリが話しているタイミングで、ハロルドの義眼に宿る魔素が、急激に高まっていく。


「ルスト師。 あれは何ですか」と満面の笑みのアーリ。


「あー。ハロルドの義眼にちょっとした仕掛けを組み込んでおいたんだよ。ようやく発動したみたいだね」


 ハロルドの動きがそこから一気に変わり始めた。


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