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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第二章

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ハロルドとカリーンと!!

「ハロルド、それ……」


「その声はルストか。カリーンからきいたよ。強行偵察に出てくれたんだって。無事かい?」


「あ、ああ。私はな」私は目の前でベッドに横たわるハロルドをじっと見ながら答える。


「どうした? ふう。もしかしてこれかい? うん。手遅れだったみたいなんだ。これでもカリーンはベストを尽くしてくれたんだ。彼女を責めるなよ」


 そういって顔に巻かれた包帯を指差すハロルド。


「いや、そんな事はしない。それよりも、両目ともか?」


「いや。右目だけだ。左は回復するはずだ」


「……ちょっと待ってろ。すぐ戻る」


 私はそう言うと、ハロルドの寝ている、カリーンの屋敷の部屋を飛び出す。


 すると、そこにはカリーンがいた。


「ルスト、すまん。ハロルドの目、私の判断が間違いだった。完全に癒してあげられなかった」


 そういって深々と頭を下げるカリーン。その表情からは強い自責の気持ちが、にじみ出ている。


「カリーン──。カリーンのせいじゃないよ。それに大丈夫。私が何とかする」


 今だけはいいかと、うつむき続けるカリーンの頭に、軽くぽんぽんと何度か手を置く。なぐさめになることを願いつつ。


「それにカリーンの指示で行った、あの偵察は有用でしたよ。もし偵察が無しでは、今頃敵を殺し尽くす選択肢しかなかったんですから」


「──ああ。そうだな。アーリから報告は聞いている。カゲロ機関、驚いただろう?」


 まだ少し瞳をぬらしながら。それでも笑みを浮かべてそんな事を言うカリーン。


「全くですよ。驚かされました。カリーンも相変わらずですよね。文句の一つでも言ってやろうと思ってたのに」


 そんな私の物言いに、にやにやと笑い続けるカリーン。

 私はとりあえずカリーンは大丈夫かと、その場をあとにする。


 ◆◇


「ハロルド、どうだ?」


 準備を終えた私はハロルドへの治療を終え、声をかける。


「ルスト、お前は相変わらず、すごいな。見える。見えるよ」


 私特製の義眼をつけたハロルドが、感嘆の声をもらす。魔晶石を何個も薄く加工し、魔導回路を立体的に組込んだ義眼。

 それがハロルドの片目となってこちらを見つめていた。


「ああ、こんな物、見たことも聞いたこともない。痛みはないのか」


 心配して見ていたカリーンがハロルドにたずねる。


「ああ。全く違和感がない。不思議だけど」とハロルド。


「常時発動型の魔道具だからな。ハロルドの肉体に適合するのにも魔素が使われているんだ。すまんな、ハロルドの使える魔素の総量がその分減ってはいるはずだ」


 首を振るハロルド。


「それでもありがたいよ、ルスト」


「一応、これも。眼帯だ。何だかんだで目立つからな、その目」


 私は作っておいた眼帯も手渡す。


「──なかなか格好いいな」


「だろ?」


 そういって笑いあう、私たち三人。それは学生時代に戻ったかのような錯覚を覚えるものだった。



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