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オマケの転生者  作者: むらべ むらさき
5 エミー、メイド見習いになる!初めてのお友達編!
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76 【悪役令嬢に転生するのは構わなくってよ!だけど名前がイジワール・デスワーって、ちょっと酷すぎじゃありませんこと!?】サラ・サラー男爵令嬢SIDE

「......さい、起きなさい、サラくん。君がこれから勉強をする王立キラリメーク学園に到着したよ」


「......ふぇ?あっ、本当!?本当なの、です!?」


私はキスケット先生の声に飛び起き、よだれをふいて馬車の窓から外を覗いたのです!

するとそこに広がっているのは、荘厳な装飾の施された正門、美しく整備された庭園、そしてぴかぴかの制服に身を包み語り合う素敵な先輩の皆さん!

まるでさっきまでみていた夢がまだ続いているのかと勘違いするほど、きらびやかな世界!

庭園の花々からは素敵な香りが漂い、もう、肥料の香りしかしねぇサラー男爵領とはまるで別世界!

まさに、まさに!

私が前世で吐くほどプレイした『剣と魔法と恋乙女~キラキラ学園、恋愛下克上!~』の世界が広がっていたのです!


「う、うわぁ!凄い、凄い!あ!マッシオの噴水もショコンの銅像も、完全にゲームのまんまなの、です!」


「ちょっとサラくん、身を乗り出すと危ないよ......っていうか、ゲーム?とは一体なんのことだ?」


「はっ!?え、えっと......あ!げ、げぇぇ~!馬車に酔ってしまったの、です!吐きそうなの、です!!」


「......はぁ、君は本当に、奇天烈な言動が多いな。とにかく、危険な真似は慎むんだぞ?」


ふぅっ!危ない危ない!私の華麗な吐き真似で、なんとかキスケット先生はごまかせたのです!

ふっ!しょせんはゲーム内でもチョロさに定評のあったお助けキャラ、キスケット先生。

私にかかれば先生をごまかすことなど、お茶の子さいさいなのです!

この人、ゲーム中では主人公がどんな発言を選択してもそれに納得し、肯定してくれる激アマ先生ですからね。



いやぁ、それにしても本当に私、ゲームの世界に転生しちゃったのですねぇ......。改めて実感したのです。

マーツ男爵やイーマ夫人が私のお父さんお母さんだって気づいた時点でわかっちゃいたんですけど、あの二人は基本的にゲーム内では長期休みの時にしか会わないですからね。

それだけでは半信半疑だったのです。

男爵家のお屋敷では、ゲーム内で見たことのない女の子がいたり、ゲーム内で見たことあるはずのおっさんがいなかったりと、微妙に差異もありましたしね。

そういえば私、魔物の毒に侵されて死にそうになっていたらしいんですけど、それってゲームだと『盗賊に襲われて瀕死』になったっていうオープニングイベントの代わりに起きた事件、ですよね?

なんで乙女ゲームのオープニングで盗賊に襲われんだよ!ってプレイした当時はつっこみ入れまくったから、よく覚えているんです、そのイベントのことは。

ゲームのチュートリアルを進めてくれる、お助けキャラのキスケット先生と出会うために存在したイベントであり、それ以外の伏線とかは特に何もなかったのが逆に新鮮というか、そのせいで妙に印象に残っているのです。

周回していれば、嫌でも何度も見るしね。スキップ不可だし。


まぁ、こんな風に細かな差異はあれども、間違いなくここはゲームの世界なのです。

私、“杉 千尋”は大好きだった乙女ゲームの世界に、転生してしまったのです。


「ふふふ......」


「?サラくん?」


しかも、しかもですよ?

私の頭の中には、ゲームをプレイした時の攻略情報が、しっかりと残っているのです!


ってーこたぁ、つまり!

どんな攻略対象のハートも!

思うがまま!思うがままに鷲掴みにできる!

そういうことなのです!!


「ぐふふふふ!」


「ちょっと!ちょっとサラくん!?何を不気味に笑っているんだ!?」


「はっ!?あ、いや、その、あっほら!あそこに犬がいるのです!犬を見たら吐き気がおさまって、それで私、嬉しくなってしまっただけなの、です!」


「君、どんな体質をしているんだい?あと、あれは猫だよ?」



ふぅ~~~!危ない危ない!なんとかまたしてもごまかせました!

相手がチョロすぎチョロキングのキスケット先生だから何とかなったものの、今後は気を付けないといけないのです。

何しろ、ゲームの攻略情報を知っているということは、ゲーム内のキャラクターからしてみれば、未来を知っていることと同じなのです。

もしそれがばれてしまえば、私のどんな行動も“相手を堕とすための下心ありありの行動”であるとみなされ、攻略できるキャラクターも攻略できなくなってしまうかもしれねぇのです!

逆に、ばれなければきっと、全てが思い通りです。

実家で魔法の練習をしていて気づきましたが、都合が良いことにゲームデータを引き継いだのか、どうやら私の能力は現時点でほぼレベルマックスの状態になっており、ステータス的なごり押しも容易く可能なのです。

うまくいけば、ハーレムルートすら選択可能、かもしれないのです!


「ぐふっぐふふ......ぐははははっ......はぁーーーーーーはっはっはっは!!!」


「ねぇ、サラくん?サラくんちょっと声抑えよう?皆見てるよ?皆この馬車見てるよ?もう先生、完全に他人のふりするからね?いいよね?」




私はッ!!


この乙女ゲームの世界でッ!!


この世の春を謳歌しまくってやるのですよ~~~~~~~ッ!!!


































......だけど。


だけど大丈夫かな?良いのかな?それで。


私、何かとっても大切なものを忘れているような......。


たまに、ふと、そんな気がするのです。





何なのでしょうか?この感覚は......?

『何かとっても大切なもの』。

それはきっと、彼女の体に宿るもう一つの魂の深い深い部分に打ち込まれた楔。

その楔が、彼女の今後にどのような影響を与えるのか?

それがわかるのは、もっともっと時間が経ってからになります。


さてさて、これで本当に第5章はおしまいです。

こんな素人臭い小説をここまで読んで頂きまして、本当に嬉しく思います。

ありがとうございます。


第6章は、今書いてます。

書き終えたらまた投稿しますので、今後も『オマケの転生者』をよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 目覚めよ、目覚めよ、サラの魂よ目覚めるのです。そうしなければ向かう先は断罪の破滅しかないのです。早く、早く、お友達を探すのです、お友達ならあなたを落とし入れる邪悪の根源を祓えるかもしれません…
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