黒い影
うっそうと茂った森の中を、気の赴くままに散策する。木の葉を透かして照るあたたかな陽光と澄んだ空気がきもちいい。
この森はわたくしのお気に入りの場所だった。内緒で□□を抜け出しては、よくひとりでこの空間を楽しんでいた。ここはわたくしだけの場所。わたくしだけが許された場所なのだ。
おだやかな気持ちで大地を踏みしめていると、突如、大きな泣き声が神聖な空間を切り裂いた。
少し甲高く、あまったれたような、こどもの泣き声。
声の主を探して歩いてみると、すぐに見つけることができた。
ああ、かわいそうに。すっかり怯えて、□に□□かけている。きっと□□の国のこどもなのだろう。このまま放っておいては□に□み□まれて□□になってしまう。そうなってしまえば、□□□□□することなどできない。
わたくしはこどもを両腕で抱きしめて、あやしてみせた。すこしずつ泣き声がおさまっていく。かわいそうに。このこを□に□す術などあるのだろうか。
ああ、そうだ。わたくしのこの□□□。これをこのこに与えよう。これは□に祝福された□□だ。きっとこのこを守ってくれるだろう。
ちいさくかよわいいとしごよ。安心なさい。わたくしがかならずおまえを□してみせるから……。
「うぅん……かならず、やくそくするから……」
「リン!気がついたのか」
なんだか、背中が痛い。いや、全身が痛くて頭も重くて、気分もわるい。もうちょっとこのまま眠っていたいなぁ。
「おい、寝るんじゃない。起きろよ」
しかし、容赦なく肩をつかまれ、がくがくと前後に揺らされる。なにがなんでも起こすつもりらしい。
「アキちゃん……ひどいよ……」
「なにがひどいもんか。いつまで経っても起きないおまえのほうがひどい」
うっすらと開けた視界に、最初にうつったのはアキちゃんの凶悪な顔だった。目を眇めて、こちらを睨みつけている。ほんきで怒ってるらしい。
ずきずきと痛む頭を押さえながら、わたしはゆっくりと起き上がった。
「今日ってなんかだいじなやくそくでもあったっけ?寝坊してごめんね。だから怒ってるの?」
「は?なに寝ぼけてんの。しっかりしろよ」
アキちゃんにつっぱねられて、わたしはすこしだけ冷静になって考えた。
しめっぽい土のにおい、緑のじゅうたん、光をさえぎるように生い茂る木々。はっぱの隙間からわずかにさす太陽のあかり。頬をなでる風はひんやりとしていて、澄んでいる。正確な時刻はわからないけれど、朝なのだろう。ことりたちのさえずりがときおり耳を打つ。
ここって、山だ。
それもおそらく、わたしがアキちゃんとはぐれた山。
「あ!」
そうだ。わたし、へんな場所につれこまれて、へんなおとこのひとに捕まったんだ。
おとこのひとの首に深々と突き刺さったナイフ。異常な光景に慄いているひまもなく、とつぜん現れた光に飲み込まれて……。
そこから、なにも記憶がない。
もしかして、あのへんな場所から、気を失ったわたしをアキちゃんが連れ出してくれたんだろうか。
「俺も気がついたらここにいた。おまえとまったく同じ状況だよ」
まさか夢……だったなんてことはないだろう。だって、アキちゃんも覚えてるんだもん。あれはたしかに現実にあった出来事なのだ。そう思いたくはないけど。
なんだかすっきりしないまま、わたしたちは再び王都を目指すことにした。
立ち止まっていても仕方がないし、積極的に関わりあいになりたくなかったというのも大きな理由だった。
もくもくと下山して、ふもとの村にたどりついたのは、ちょうどお昼をまわった頃だった。
「だーれもいないねぇ」
村の地名が表記された看板の前をとおって、動物よけかなにかの木の柵をまたいで、ぽつぽつと建てられた民家の傍までやってきた。が、ここにたどり着くまで、村人の姿を誰一人としてみることはなかった。
お昼時だから、みんな家でごはんでも食べてるんだろうか。
そう思って周りを見てみるけれど、どの民家からもかまどの煙は出ていないし、空腹を誘うよい匂いもしてこない。
「いくらど田舎の村だからって、誰もいないなんてことはまずないはずだ」
アキちゃんは小さな民家を片っ端からノックした。けれど、どの民家からも返事はなかった。
村には、不気味な静けさが漂っている。
本来ひとがいるべき場所に、ひとがいない。それを意識すると、急に、この村がなにかとてつもなくおそろしい場所に思えた。
臆病風に吹かれたわたしはアキちゃんにおいていかれないよう、必死に彼のあとを追った。
そして、わたしたちが最後に訪ねたのは少し高い丘の上にある大きな民家だった。木の盾を意匠にした紋章がドアノブに刻まれている。
この村の村長の家だろうか。
アキちゃんが扉をノックする。一回、二回、三回。何度もノックを繰り返すが、返事はない。
やはり、この村には誰もいないのだ。
じんわりとした恐怖が足元に這いよってくる。一刻も早く、この村を離れたほうがいいんじゃないだろうか。なにかがおかしい。
「ねぇ、アキちゃん……」
はやく村を出て、乗合馬車に乗ろう。
そう声をかけようとしたときには、アキちゃんはもう姿を消していた。
村長宅の扉が開いている。勝手に中に入ってしまったらしい。
このまま外にひとりで待っているのも怖くて、わたしもあわてて中にはいった。
玄関をくぐると、まず客間があった。その奥にはキッチンがあって、食事をとる大きなテーブルがある。椅子はぜんぶで四脚あった。四人家族なのかな。怖さを少しでもまぎらわせるために、どうでもいいことを考える。
アキちゃんはキッチンにいた。堂々と食べものを物色している。
「な、なにしてるの、アキちゃん。誰かが帰ってくる前にはやくでようよ」
「どれも腐ってるな。荒れちゃいないが、テーブルも床もほこりが積もってるし、この家の住人はそうとう長い間留守にしているらしい」
「そんなことどうでもいいよ。ねぇ、はやく乗合馬車に乗るところにいこうよ」
アキちゃんの腕をひっぱって、ひきずるようにして民家を出る。
民家を出たところで、胸をほっとなでおろす。この村に対して感じる気味悪さは変わらないが、他人の家に土足で踏み入る後ろめたさからは解放されたからだ。アキちゃんってけっこう図太い。
「この村、へんだよ。はやく外にいこうよ」
「あんまり引っ張るんじゃねーよ。それに急ぐな。転ぶぞ」
とにかく一刻も早くこの場を離れたかった。嫌がるアキちゃんをぐいぐい引っ張って、木の柵を乗り越えて村を出る。小石が敷き詰められた街道と思しき道をずんずん進み、村が見えなくなったところでやっとひと安心できた。
はー。なんだったんだろう、さっきの村。誰もいないなんてぜったいおかしい。すごく嫌な感じがした。
わたしは山を降りたことがないから、ふもとの村を訪れたのははじめてのことだったけど、アキちゃんはどうだったんだろう。
一歩前を歩くアキちゃんに、なんとはなしに聞いてみた。
「アキちゃん、あの村っていっつもああなの?」
「そんなわけないだろ。あれは異常だ。集団でどこか他の場所に移動したにしろ、緊急的で突発的ななにかがあの村を襲ったのは確かだな」
「そっか。なにもしらなかった」
「俺達の住んでいた森は、正確な意味で隔絶されてるからな……」
そこでふと、アキちゃんは考えるそぶりをみせた。ああ、これはよくない兆候だ。アキちゃんはいちどなにかを考え始めるとまわりが見えなくなるのか、話しかけてもなにをしてもかまってくれなくなる。
その予感は的中で、思考の海に沈んだアキちゃんは、わたしがいくら話しかけてもなんの返事もしてくれなくなった。
ただもくもくと、乗合馬車乗り場を目指して街道を歩く。
太陽はすぐに西にむかって沈んで、あたりは飴色に染まっていく。だいぶ歩いた気がするけれど、誰ともすれ違わない。まるで世界には、アキちゃんとわたしふたりっきりみたいだった。
わたしたち以外の誰かがいない。ふだんは意識しない他人という存在をこんなにも心待ちにするのは、はじめてのことだった。
わたしがこんなにも不安がるのは、きっとあのへんな男のひとのせいだった。わたしたちではない誰かの死を見せつけられて、わたしたち以外の誰かの存在をこんなにも確かめたがらせている。
「……ついたみたいだな」
いつの間にか、思考の海から浮上したアキちゃんが言った。
彼の言葉につられて前方を見てみると、たしかに街道の近くに小屋のようなものが建っている。
あれが乗り合い場なんだろうか。自然と足が速まる。あたりは既に夜の気配に包まれていた。完全に夜になる前に目的地につけたのは幸運だった。
「疲れたねぇ。でもうれしいな。馬車でいく楽ちんな旅だね!」
「さすがに今から乗車できる馬車はないだろうが、野宿はせずにすみそうだ」
こころなしか、アキちゃんの声も弾んでいた。
しかし、小屋に近づくにつれて、その仔細がわかると、わたしたちは落胆せざるをえなかった。なぜなら、あたりが暗くなりはじめているというのに、その小屋にはなんの灯りもともっていなかったからだ。
小屋の扉には、木で作られた白塗りの看板が掛かっていた。『乗り合い場』と彫られた文字の下には『休業中』の文字。
つまり、ここはかつては乗り合い場であったけれども、いま現在はそうではないということだ。
アキちゃんは小屋の扉に手をかけて、何度か前後に揺さぶった。鍵が掛かっているらしい。
軽く舌打ちすると、アキちゃんは腰に下げた袋から針金を取り出して錠前に突き刺した。地面に片膝をつき、扉に耳をあてて探るように繊細な手つきで針金を動かす。
「アキちゃん……それって……」
「うるせー。いま大事なとこだから黙ってろ」
まさかの、本日二度目の不法侵入。
アキちゃんは見事に、針金一本で小屋の扉を開けてみせた。同時に、かび臭いこもった空気がむぅっと漂ってくる。
「なにしてんだ、さっさと入れよ」
「け、けど……」
「きたねぇけど野宿よりはマシだろ。外で寝たいっていうなら、止めないけど」
少し意地悪な言い方で、アキちゃんはわたしの腕をとり、小屋の中に引っ張り込む。
薄暗い小屋の中を見回すと、案外広いことが分かった。
扉からそう遠くないところに、カウンターがある。おそらくここが乗合馬車の受付だったんだろう。待合室らしきところには大きなソファがふたつ並んであって、その向こう側には大きな戸棚がひとつあった。
待合室の中央には、青銅で作られたランプがひとつ吊るされている。アキちゃんは戸棚からランプの油を拝借して、ランプに火をつけた。ほっとするような、橙色の炎が夕闇に揺らめく。
「誤算だったな……まさか乗合馬車が使えないとは思ってなかった」
アキちゃんはひとりごとのように呟いて、ソファの上に腰を下ろした。わたしもならってアキちゃんの隣に座ると、半眼で睨みつけられた。
「ソファならあっちにもあるだろ」
その指摘はごもっともだったので、すごすごと向かい側のソファに移動する。紅色の布で覆われたソファはほこりっぽかったが、すわり心地はいい。勝手に無人の小屋を借りることに対しては抵抗があったが、背に腹は変えられない。せめてあまり汚さないようにしようと決意した。
「ほら、食えよ。それが今日の晩めし」
アキちゃんが放ってよこしてきたのは乾パンたったの3枚きりだった。
「これっぽっち?」
「馬車が使えないんじゃ、この先どうなるのか分かんねー。食料が手に入る目処が経つまでは節約しねぇと」
育ちざかりの身としては、これはつらい。うらめしげなわたしの気配が分かったのか、アキちゃんは嫌そうに眉をひそめた。
「もともとふもとの村で食料とか本格的に揃える予定だったんだ。おまえは変なのに捕まるし、村は無人だし、馬車は使えないしで予定は狂いっぱなしだ。そもそも、おまえがついてくること自体、予定外なんだけど」
「それも人生をたのしくするためのスパイスだよ、きっと」
「いらねー。全力でいらねー」
ふたりで向かい合って、ちまちまと晩御飯……といえるかは微妙だけど、泣き声をあげるお腹を慰めた。
ブーツを脱いで、歩きっぱなしで疲れた足をソファの上に投げ出す。お風呂なんてぜいたくなことは言わないけど、せめて体が拭けたらなぁ。水場の近くに寄ることがあったらアキちゃんにお願いしてみよう。
閉じられた空間と、人の手による灯りによってすっかり寛いでしまっているわたしとは正反対に、アキちゃんは熱心に戸棚をあさっていた。
食事を終えたら一気に疲労が襲ってきてしまって、そんなアキちゃんを咎める元気はなかった。そもそも、この場所で寛いでしまっている時点で、わたしにそんな権利はないんだけれども。
「アキちゃん、なにしてるのー?」
「地図を探してるんだ。おおまかなものしか持ち合わせがないから、もっとこの辺りについて詳しい地図がほしい。……おまえも手伝えよ、ばかリン」
ぺしっとわたしの頭を叩いて、アキちゃんが睨んでくる。そんなに怒ってばかりで疲れないのかなぁ、アキちゃん。
そんな風に、のんきに過ごしているときだった。
とつぜん、谷底から聞こえる獣のような叫び声が空気を切り裂いた。慌てて飛び起きたわたしはソファから転げおち、アキちゃんは周囲をうかがうように身構えた。
今日は厄日だ。今度はなにが起こっているんだろう。
窓の外を見てみると、もう完全に夜のとばりはおち、真っ暗になっていた。
「リン、窓に近づくな」
そういわれて、わたしはアキちゃんの傍に走った。
戸棚を背にして、アキちゃんは窓と扉に注意を払っている。もしも、仮に、何者かがわたしたちに危害を与えようと進入してくるなら、まずそこだった。
「あ、あかり、消したほうがいいかな……」
「……そう、だな」
アキちゃんの返答は歯切れが悪いものだった。
灯りを消すことにためらいがあるらしい。たしかに、外はまっくらだし、視界が限られるのはあまりよいことには思えない。
けれど、灯りがついているということは、そこににんげんがいるということが相手にわかってしまうということだ。
さきほどの声の主が灯りのある意味を理解するかはわからないが、灯り自体がなんらかの目印になってしまうことは確かだった。
そもそも、わたしたちを害する意思があるのか、ないのかも、わからないけれど。
再び、獣めいた叫び声が、今度は二度続けて聞こえた。最初に聞いた声よりも大きく、なにより、思っていたよりも近い!
どくんどくんと耳の奥で心臓の音が響く。てのひらはいやな汗をかいている。アキちゃんの服の裾をつかもうと伸ばした手は、邪魔だとばかりにはねのけられた。行き場を失った手を胸の前で組み、わたしも耳をすます。
なに食わぬ顔で、見知らぬ何かはとおりすぎてくれただろうか。それとも。
「あ、アキ……」
「だまってろ」
どすんっと、小屋全体が揺れた。
大きく体が傾きかけ、あわてて戸棚にすがりつく。かろうじて転倒はまぬがれた。
顔をあげると、ほの暗い室内に、きらりと銀色の輝きが弧を描くのがみえた。腰元に隠していたナイフをアキちゃんがかまえたのだ。
なにか、くる!
そう思ったのが先か、そのなにかが到達したのが先か、正確なところはわからない。
目の前で、黒い影のようなものとアキちゃんがもつれ合うように床に転がった。ランプの灯りに照らされて、黒い何かは姿を現す。その何かに陰影はなく、ただただ異様で、黒一色の、生き物と呼ぶことを躊躇わせる存在だった。
いうならば、これは、影そのものだ。
けれど、わたしたちのうしろを無邪気についてまわるかわいらしいものではない。もっと、なにか、まがまがしいものに思えた。
「あ、アキちゃん!」
黒い影が咆哮をあげる。びりびりと空気が震え、窓ガラスががしゃんっと割れる音が聞こえた。まるで、その圧倒的な力をわたしたちにみせつけるみたいに、影は大きくしなった。
アキちゃんは影の下敷きになってしまっていた。どうしよう。いまはかろうじて右半身が見えている状態だけれど、いずれぜんぶ飲み込まれてしまいそうだ。
わたしはとっさに戸棚をあけて、中に入っているものを黒い影に向かって投げつけた。
お皿やコップ、スプーンといった食器類がつぎつぎと無残な姿で床に散らばる。黒い影はまったく堪えた様子もなく、まるで食事でもするかのように、じわりじわりとアキちゃんの姿を隠していってしまう。
「この!」
こんなところでアキちゃんを失うわけにはいかない。
そう思うのに、いったいどうすればアキちゃんを助けることができるのか、ぜんぜんわからない。悔しい。こんなことなら、アキちゃんと一緒に魔法を習っておけばよかった。つい最近、同じような後悔をしたばかりだというのに。
そうだ。アキちゃんは、助けてくれたんだ。それなのに、どうしてわたしはアキちゃんの助けになれないんだろう。
「どっかいきなさい!ここはおいしいものなんてなにもないよ!」
わたしは黒い影にむかって体当たりをした。なんども、なんども、なんども!
けれど、影はびくともしない。
それどころか、わたしをもつかまえようとその体を伸ばしてきた。大きな黒い影が、しりもちをついて座り込むわたしにむかって覆いかぶさろうとする。逃げ場はない。このまま、しんでしまうんだろうか。
そのとき、影がまっぷたつに割れた。
上下に分断された黒い影は、あっけなく溶けるように消えてしまった。一瞬だった。
「へ……?」
いったいなにが起こったのだろう。
いや、それよりなにより、アキちゃんは無事なんだろうか。
わたしは床に倒れているアキちゃんに駆け寄ろうと立ち上がるが、すぐにへたりこんでしまった。足が震えていうことを利かない。なんという役立たずな足なんだ。
「おや、生きてるね。君達は実に運がいい」
場違いな、なんとも明るい声だった。
声の主はアキちゃんの頭を靴で軽くこつく。すると、ちいさなうめき声がした。ああ、よかった。アキちゃんは生きている。
ほっとするのもつかの間、声の主はわたしの目の前までやってきた。床にすわりこんだわたしは、声の主を仰ぎみる。
まだ若い、おとこのひとだった。細身の長身で、長めの金の髪をうしろで括っている。少し切れ長の目は、まるで夏の青空のように澄んだ色をしていた。服装は至って簡素で、あら染めをした麻の服の上から苔色のマントを羽織っている。そしてその左手には、長く鋭い銀色の片刃の剣が握られていた。
じっと見つめていると、急におとこのひとは破顔した。
「なんだ。まだこどもか、残念。そっちの坊主、手当てしてやるから運ぶの手伝ってくれるかい?」
まったく汚れのない長剣を鞘にしまって、アキちゃんのからだを動かそうとするおとこのひとの姿をみて、はじめて、助けられたのだとわたしは実感した。




