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勇気ある武君にメグさんの意外な力

 メグさんがバイクで武士君を乗せてこちらに向かっている。どうしてこの場所が分かったのかみゆきには分からなかった。そう言えば空に何か違和感を感じていた。空を見渡すともう夕暮れで黄昏に染まっている。でも、何かメグさんに見られているような感じがして心がポカポカとした。


 どうやら武士君がキラリちゃんがさらわれた事を伝えたようだ。ただの泣き虫じゃ無いことはお詫びしなきゃいけないかもしれないね。武士君に。凄いスピードで来ている。そしてみゆき達はメグさんに助けられる。


 先ほど、蔵石に思い切り鳩尾に入れられて、もがきながらみゆきは言った。


「キ、キラリ・・・ちゃん。メグ・・・さんが・・・みゆき・・達を・・・助けに来るよ」


「それは本当なの、でもどうしてそんな事が分かるの?」


「みゆきは・・・何でも・・・知っているん・・・だよ」


 思い切り扉が開く音がした。メグさんと武士君だ。


「蔵石さんと、その部下さん達、大人しくみゆきちゃんとキラリちゃんを助けて上げられないかしら」


 メグさんの声がここの牢獄まで響く。


「てめえ、何しに来やがった?」


「みゆきちゃんとキラリちゃんを助けに来たのよ。同じ事を何回も言わせないで」


 ここからじゃあ、見えないがメグさんはすさまじい早さで、蔵石達の部下達を気絶させた。そして蔵石はこちらに向かってくる。みゆきとキラリちゃんを人質にしようとしていることが蔵石の反応が見えた。


 そうはさせない、今度蔵石がこちらに向かってきたら、その蔵石のキン○マに噛みついて引きちぎってやろうと思った。メグさんもすさまじい早さでこちらに向かっているが、私達がいる牢獄には蔵石が先に到着してしまう。


 蔵石は牢獄を開けて、みゆき達に襲いかかる。だが蔵石は利き腕である右の肩を銃で貫通してダメージを負っている。そこを狙ってみゆきは体当たりをして、蔵石は悶えていると、そこに武士君が「キラリお姉ちゃんとみゆきお姉ちゃんは僕が助けるんだ」と言って、蔵石に銃を向けられるが、にも関わらず武士君は蔵石に果敢に立ち向かっていった。


 やばい、武士君が銃に撃たれてしまう。このままでは武士君が危ない。そして蔵石はその引き金を引く、すると、銃に弾は発射されなかった。


「何だ。どうなっているんだ。銃に弾がない」


「うあああああああ」


 と武士君は果敢に蔵石の元へと体当たりをする。そして蔵石は倒れて、みゆき達は助かった。蔵石が立ち上がろうとしていると、目にも止まらない、いや映らない早さでメグさんが蔵石の右肩を踏みつけた。


「ぐわあああああ」


 と聞くに堪えない、断末魔を上げて苦しんでいる。そしてメグさんは、警察に出頭させようとすると蔵石は、


「そんな事をしたって、俺はここで終わりじゃ無い。仮にここで俺を殺したら、お前らは死ぬことよりも、辛い目に会うことになるぞ」


「今後に及んでその状態で、私達に反抗してくるとは良い度胸では無くこれはただのバカね」


 とメグさんは言って、先ほど肩に貫通した銃の怪我がある。その相手の弱点を踏みつけてメグさんは言った。


「三度目は無いと思って、もしここであなたが警察に出頭しなければ、あなたはここで死ぬことになるよ」


「わ、分かった。だから、その足をどけてくれ」


 メグさんが足をどけようとすると、みゆきの予言の力が発揮された。


「メグさん、その足をどけてはダメ!!!」


 みゆきがそう言うともう遅い、蔵石は利き腕では無い、左腕からナイフを取り出して、メグさんの胸に貫通させた。


 その時であった。メグさんが大変な目にあってしまった。

 メグさんが殺されてしまった。みゆきの体から得たいのしれない白い炎が沸き起こった。


「蔵石、あなただけは許すわけには行かない」


 白く燃え上がった炎は蔵石の体を焼き尽くしもはや骨も残っていない。


 そうだ。みゆきはこの状態になる事を望んでキラリちゃんを助けに行ったのだ。でもメグさんは蔵石の不意打ちに遭い、メグさんの急所を貫通させてしまった。みゆきはメグさんを救うことは出来なかった。


 みゆきの髪は白く、体中が真っ白な炎に包まれている。その炎でキラリちゃんの手を拘束している縄を燃やしキラリちゃんは自由になった。


「今頃何だよ。みゆきはこの姿になることを望んでいたのにメグさんを助ける事が出来なかった!!」


 キラリちゃんはみゆきのこの姿を見て、目を丸くして驚いているようだ。それは武士君も同じだった。キラリちゃんと武士君もみゆきのこの姿を見てみゆきの事が嫌いになってしまっただろう!嫌われたって良い、みゆきはメグさんを助ける事が出来なかった。


 みゆきはメグさんのところに行って、その胸に刺されたナイフを取り出すと、メグさんはいきなり起き上がった。


「メグさん!?生きていたの!?」


「言わなかったっけ、みゆきちゃん。私は一度死んで、私に急所は無いことを知らなかったでしょ」


 メグさんが生きていて、みゆきは本当に良かったと思えた。でも武士君とキラリちゃんの方を振り向くことは出来なかった。みゆきはとんでもない化け物で、あの時、瞳ちゃんがみゆきの本性を知って逃げてしまったように、二人はみゆきの事を恐れているだろう。みゆきは下着姿のまま、ここからキラリちゃんや武士君達から立ち去らなくてはならないと思って立ち去ろうとすると、キラリちゃんがみゆきの手を引いた。


「みゆきちゃん。どこに行こうと言うの!?しかもその下着姿のままで」


「武士君もキラリちゃんもみゆきの正体を知って分かったでしょ。みゆきは普通の人間じゃ無いの!!」


「それが何だって言うの?みゆきちゃんはうちらの大切な仲間だよ」


 そう言われて、みゆきはようやくキラリちゃんと武士君の姿が見れるようになった。そして心が凄く潤ってみゆきはどうしてしまったのか、瞳からドバドバと涙腺が故障したかのように涙がこぼれ落ちてしまった。


 そこでメグさんが、「さあ、二人とも、これに着て、帰るわよ」と言って白いワンピースと赤いワンピースを差し出した。

 みゆきは白が似合うと言われて、キラリちゃんに白いワンピースを着てと言われて、キラリちゃんは赤いワンピースに着替えた。


「キラリお姉ちゃん!!!」


 と言ってキラリちゃんに抱きついたのが武士君であった、みゆきは思った。武士君は弱虫な子じゃ無いと。みゆきがあの時、叩いた事を謝ると、武士君はみゆきにお礼を言った。みゆきお姉ちゃんに僕は勇気を貰ったと言っていた。


 それにしてもメグさんは何者なのだろう?ナイフを急所である胸元に刺されたと言うのに。

 それよりも武士君とキラリちゃんはラブラブだった。この二人もしかしたら将来結婚するんじゃないかと思った。


 今は十月だが、何時間も下着姿のままいたのだから、みゆきは風邪をこじらせてしまった。みゆきは意識が失いそうだった。そして・・・。



 ・・・・・・・・・・・・・・・。


 みゆきが目覚めると、妙な夢を見てしまった。『カタストロフィーインパクト』って何?しかもそれが起こったらこの地球は崩壊してしまうと言っている。その力はみゆきの力が必要だと夢の中で現れたお母さんが言っていた。それにみゆきだけの力だけではその『カタストロフィーインパクト』を防ぐことは出来ないと言っている。


 みゆきは疲れていたんだろうな。今日は散々な目に会ってしまったのだから。学校ではいじめられ、それで蔵石に復讐されるわ、体を起こすと異様な寒さに凍えて死にそうになってしまう。


 するとみゆきが眠っていた部屋から、メグさんが現れて、メグさんはみゆきにうどんを作ってくれた。


「みゆきちゃんにおうどん作ったんだけど、お口会うか分からないけれど、とりあえず食べてみて」


「メグさん!?ここは!?」


「ここはあなたの部屋よ。何時間もあの寒い中下着姿でいて力を使い果たして、無理しすぎて気を失ったところを私がバイクで運んで戻ってきたのよ」


 辺りを見ると、確かに昨日寝たみゆきの部屋だ。それに後ろからキラリちゃんと武士君がやってきた。


「みゆきちゃん大丈夫!?」


 キラリちゃんが心配の眼差しでみゆきに言ってくれた。

 キラリちゃんはみゆきの事が怖くないのか?みゆきの正体を知って、びびっているんじゃないだろうか?心配だったがその心配もなさそうだ。

 それに武士君はみゆきのおかげで閉ざしかけていた心の扉を開いて、みゆきの事を心配して声をかけてくれた。「大丈夫ですか!?」と。


 それよりもみゆきはメグさんにおうどんを冷めないうちに召し上がれと言われて、みゆきはメグさんに言われたとおり、メグさんお手製のうどんを堪能することにした。凄くおいしかった。梅と鰹節が効いていて、とてもおいしいうどんであった。うどんを食べ終わると体がポカポカしてきて、風邪で会った病状が徐々に消え失せて行った。そのままベットからキラリちゃんと武士君のところに行こうとしたところ、メグさんとキラリちゃんと武士君に、病み上がりだから大人しく寝ろと言われて、そうすることにした。


 明日も学校か、でもここはみゆきが求めていたユートピアかもしれない。みゆきは目を閉じて、眠りに入った。



 朝になると凄く調子の良い体で朝日を浴びることが出来た。ベットの上から下のベットを眺めると、キラリちゃんと武士君は同じ布団で眠っていた。そんな二人を見ると何か心がほっこりした。本当に武士君頑張ったよ。昨日は殴ったことをありがとうって言っていたっけ。本当にお礼を言いたいのはこっちの方何だけれどもな。


 時計を見ると七時を示している。


 二人を起こすと、二人は二人で眠っていた事をみゆきに見られて恥ずかしそうにしていた。そんなに恥ずかしがらなくても良いのに。


 さあ、朝ご飯だ。みゆきとキラリちゃんと武士君とまどかさんは食堂へと向かった。食堂に到着するとまたあのお人形のように白い髪の女の子がいた。あんなに目立つのに、何で周りはその存在を知らないかのようにしている。


 そのお人形のようにかわいい女の子はみゆきを見るととても驚いた目でみゆきの方を見て孝君って言ったっけ、その子の後ろに隠れてしまう。いったい何だって言うんだ。


 調理室から、メグさんの声が聞こえてきた。みゆきとキラリちゃんと武士君とまどかさんが呼ばれて、そう言えば料理の配膳はみゆき達四人の日で会ったみたいだ。朝ご飯のメニューは、パンにソーセージに目玉焼きとサラダと飲み物の牛乳であった。


 みゆきは配膳でお人形のようにかわいい女の子の前に立ち、食事を渡した。すると孝君は何か呟いていた。


「お前見えるのかよ?」


 何のことだと思ってみゆきは一瞬きょとんとしてしまうがキラリちゃんと武士君に早く食べないと学校に遅刻するよと言われてみゆきは急いで朝ご飯を食べてみゆきは歯を磨き、藍色のワンピースに着替えて、武士君とキラリちゃんと一緒に学校に行った。


 学校に到着すると、今日は上履きには得たいのしれない虫は入っていなかった。教室に入ると、みんなキラリちゃんとみゆきにおびえて何もするような事はなかった。根本の方を見ると、根本はみゆきとやる気か?みゆきにガン飛ばしてきた。でもみゆきも負けずに鋭いナイフのような目で根本を見つめて、根本はビビって、目を反らして戦意をなくした様子だった。


 みゆきとキラリちゃんはそれぞれの席に座って、担任の篠原先生を待った。

 ホームルームが始まり、一時間目はみゆきの苦手な算数であった。小学校五年になっても分母の違う足し算を出来ないんだもんな。今日は円の公式を覚える日で会った。


「キラリちゃん。半型って何?」


 篠原先生に聞こえないように聞いてみる。


「みゆきちゃん。算数は小学校三年生から出来ないんだよね。良いよ、うちが教えて上げるよ」


 するとみゆきとキラリちゃんの声が聞こえて来たのか?篠原先生が「俺も教えてやるよ」するとクラスのみんなが「あたし達も教えて上げるよ」とみんなみゆきに押し寄せてきて、教えて貰った。


 何か分からないけれど、みゆきとキラリちゃんは人気者になってしまったみたいだ。根本はふんぞり返っていたが、そして学校は終わって、みゆきとキラリちゃんはクラスの人気者になってしまった。


 それと武士君は昨日のきっかけからいじめっ子が来ても、勇気を振り絞って立ち向かいいじめっ子を撃退させたみたいだ。


 それを見たキラリちゃんは武士君の頭をなでるのだった。

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