みゆきの運命の人!?
学校に到着すると、みんなみゆきの顔を見ると『おはよう』の挨拶をしてくる。だからみゆきも『おはよう』と挨拶をする。貴之の方を見ると、貴之は窓際の席で、どこか遠くを見渡している。
そんな貴之にも『おはよう』と言って来る女子もいた。その子は貴之の事が好きなことがバレバレな感じで勇気を持って挨拶をした事が分かる。女の子の名前は相笠さんって言う女子だ。そんな相笠さんに対して、貴之は「ああ」と返事をしてまた外の方を見てしまった。
それは無いだろう貴之、勇気を出して挨拶した相笠さんの身になって見ろよ。とみゆきは思う。でも貴之はみゆきと双子で生まれたので双子座だ。今日の双子座の運勢は最高で運命の人が現れると言っている。もしかして貴之の奴にもう運命の人が現れたんじゃないかと思ってみゆきはヒヤヒヤさせられる。なぜヒヤヒヤさせられるかって言うと、それは何かそう言った恋の話って結構ドキドキするもんだなあって思い知らされる。
貴之は私じゃないのに、そう言った恋沙汰を見てみると心臓が飛び出しそうな程ドキドキする。
そして先生が入ってきて、「みんな自分の席につけ」するとみんな素直に篠原先生の言うことを聞いて自分の席に座る。
「じゃあ、委員長号令を」
委員長のみゆきは先生にそう言われて「きりーつ、きょうつけ、おはようございます」と御辞儀をする。そして「着席」と言うとみんなこぞって席に座る。
「はい。おはよう。今日は新しい仲間が増えるぞ」
教室の廊下から一人の長身の男の子が入ってきた。髪は長めでねずみ色のフードのついているトレーナーを着ている。それにジーパンもきまっている。
「じゃあ、自己紹介を」
「新潟から転校してきた長島純と申します。以後よろしくお願いします。僕の名前を呼ぶのはしたの名前で呼んでくれたら幸いです」
「じゃあ、席は坂下の隣が空いているな、そこに座ってくれないか?」
「分かりました」
みゆきはそんな転校生に「よろしくね純君」と言うと、ニカッと笑って微笑んでくれた。凄い笑顔で見てくれたから、みゆきは少しドキドキしてしまった。
そんな転校生の純君は教科書を持っていないのでみゆきが見せてあげることにした。この純君って何か人当たりの良さそうな感じがする。
本当にこの人が今日星座占いでやっていた運命の人なのか?みゆきはホーリープロフェットで純君の事が気になり調べようとすると、純君はいい人で田舎である新潟で色々とボランティアをしていたと言っている。どんなボランティアかと言うとお年寄りや自閉症の子供達に接したりして、色々と良きことをしていることが分かった。そんな素敵な人なんだなってちょっと見とれたりしてしまった。
何だろう。純君の事をもっと知りたいと思ってホーリープロフェットの力で調べてみると、成績も優秀で体育の授業も優秀でとにかく抜きん出た人だと言うことが分かった。家族構成は父母姉がいるみたいだ。
「・・・さん」
「坂下さん」
「えっはっはい」
そんな純君に呼ばれてみゆきは緊張してしまい素っ頓狂な声が漏れてしまった。
すると篠原先生は「何、坂下、どうしたんだ?」
「い、いえいえいえ、何でもありません」
と言ってみんなの笑いの的となってしまった。
この長島純君って子はかなりの良い男性みたいだ。みゆきはもうホーリープロフェットは使わずに純君と接したいと思っていた。
お昼ご飯になり、給食のメニューはカレーうどんだった。
「やったー僕、カレーうどん好きなんだ」
そうなんだ。って純君誰に言っているの?純君に声をかけようとしてもうまく声が出せないままでいた。みゆきは純君に恋をしてしまったのか?こうして純君と隣にいるだけで、凄く胸が破裂するほどのときめきが沸いた。
純君はカレーうどんが好きなんだ。そう思ってみゆきはノートの端に書いておいた。どうしよう、もっと純君とお近づきになりたい。と思っているが、純君に声をかける事も出来ない。そうだ。私は委員長なのだ。委員長として純君に接すれば良いのだ。
「じゅじゅじゅじゅじゅじゅ、純君」
「はい坂下さん」
みゆきの名前も下の名前で呼んで欲しい。
「みゆき達は三班だから、三番目になったら給食を取りに行くよ」
「はい。って坂下さんは下の名前は何て言うんですか?」
キターと思って「私の名前は坂下みゆきって言うのよ。これからはみゆきの事を下の名前で呼んでも良いよ」
「じゃあ、みゆきちゃんの事をみゆきちゃんって呼ぶね」
みゆきの両手を掴んで、本当に手と手が触れただけで急激に頭に血が上って仕舞いみゆきは・・・。
「純君、みゆきのカレーうどん分けてあげようか?」
「本当に?みゆきちゃん大好き」
大好き?大好き?大好き?
「純君、今何て言ったの!!?」
****** ******
「みゆきちゃん」
純君の声が聞こえてくる。
「みゆきちゃん」
あれ、今度はキラリちゃんの声が聞こえて来たぞ。
みゆきは目を開けるとみゆきは保健室の布団の上で眠っていたみたいだ。
「大丈夫みゆきちゃん」
目の前にいるのはみゆきの友達のキラリちゃんだった。
「あれ、純君は?」
「みゆきちゃん。どれだけ分かりやすい人なのよ。みゆきちゃん純君の事に対して惚れたな」
「ち、ち、違うよ何を根拠にそんなことを言っているのかね?」
「純君に両腕を捕まれた瞬間に鼻血を出して貧血を起こして気絶。あれだけのリアクションを見たら誰だって分かるよ」
「・・・」
どうやらみゆきはクラスの人達に純君が好きなことを知られてしまった。「凄く恥ずかしい。もう教室には行けないし、学校にも行けない。みゆきはこれからどうすれば良いの?」
「って言うかみんな心配しているし、みゆきちゃんは委員長としてみんな応援しているよ」
「本当に!?」
「とにかくみゆきちゃん。そろそろ五時間目の授業が始まるけれど、出れる!?」
どうしよう。出れる事は出れるけれど、純君に思いを知られただけでみゆきはもう生きていけない感じでお母さんに頼んで転校を頼みたい気分だった。でもそんな事をしたら、みゆきは純君に会えなくなってしまう。
「出るよ。キラリちゃん」
「根性だねみゆきちゃん。その勢いで純君にアタックしてきなよ」
「もうキラリちゃん。もう茶化すのはやめてよ」
「ゴメンゴメン。でもみゆきちゃん本当に純君の事が好きなんだね」
「その事を純君は知っているのかな」
「そう言えば言っていなかったけれど、ここまでみゆきちゃんを運んできたのは純君なんだよ。お姫様抱っこして、もうこれは傑作だね。もしかしたら、みゆきちゃん、純君の恋が叶うんじゃないかな?」
「みゆきと純君が?」
「それよりも純君の事、どこが好きになったの?今日会ったばかりなのに?」
やばい。ホーリープロフェットで予言した事なんて言えない。
「ははん、さては以前のみゆきちゃんのホーリー何とかって奴で調べたな!」
「だって今日は双子座で運命の人が現れるだとか何とか言って、それにみゆき、そんな純君に興味があって面白半分に純君の事を探って見たら・・・」
すると保健室に純君が現れた。
「みゆきちゃん。大丈夫?」
「は、はい。大丈夫でごじゃります」
もう自分でもおかしくなっていることに気がついているがもうみゆきには止められない。みゆきは純君の事が心の底から好きになってしまったみたいだ。でもこの様子だと純君はみゆきが純君の事を好きなのが分かっていない様子だった。
キラリちゃんはため息混じりに言う。「あれだけのリアクションを見ておいて気がつかないなんて」と呆れた感じで純君の事を見ていた。
五時間目の授業は体育だ。でもみゆきは出られそうにもないから、篠原先生もみゆきの気持ちを知ったみたいで、「とにかく頑張れよ委員長」と茶化された。
みゆきはキラリちゃんやみんなの話を聞くと、みゆきは純君に恋をしていることを知ってしまっている。知らないのは凄く鈍感な純君だけ。本当に鈍感だ。だから純って名前なのだろう。
体育の時間、みんなドッチボールをやっている。みゆきも参加したいがキラリちゃんやみんなのみゆきの純君の反応を見て、あれはダメだろうと言われて見学することになってしまっている。そんなに盛大に鼻血を出してしまったのか?何たる失態。
うちのクラスのドッチボールを見ていると、純君は大活躍だった。あれは持てるかもしれない。
みゆきも参加して、純君と一緒にドッチボールがしたいなとみゆきは思う。
そして体育の時間が終わって教室で体操着を着替えるとき、発育の良い女の子を見て、鼻の下を伸ばしている純君、結構エッチなんだなあと思わされてしまう。でもそんなエッチな純君もみゆきは大好きだと思っている。男の子ってみんなエッチな人多いからな。いやみゆきが思うには男はみんなエッチなんだとみゆきは思っている。現に貴之の奴なんか、クラスの女子の着替えを見て鼻の下を伸ばしている。
それよりもみゆきの胸はまだ小さくブラジャーなんていらない感じだが、クラスでは発育の良い子はブラジャーをつけている女子はわんさかいる。みゆきの胸を手に当ててみると切なくなるほど胸が小さい。みゆきが女の子としての証はお○んちんがついていない事でしか証明できない。でもみゆきの白いワンピースをまどかさんはそれはそれで魅力的だと言っている。
そこでみゆきは思うんだ。もしみゆきにも魅力があるならまどかさんの前で脱いで見るのはどうだろう?
そうだった。みゆきには昨日まどかさんからモデル代として二千円のお小遣いを持っている。それを純君を誘ってカラオケに行かないか・・・ヘタレなみゆきにそんな度胸はなかった。
「純君。今日のドッチボール大活躍だったね」
「純君、勉強も出来るし、何でもこなしてしまうんだね」
「純君そろそろホームルームの時間だよ」
私が隣にいることさえ気がつかない女子達は良くそんなにみゆきの好きな純君に気軽に声をかけることが出来るなと感心してしまう。本当に凄いな彼女たち。
よーし、みゆきだって負けないぞ。
「じゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅ、純君」
みゆきがそう言うと純君は振り向いてくれたが、他の女子の生徒達の冷たい視線を感じた。この子達も純君の事が大好きなんだ。
「どうしたのみゆきちゃん」
純君は言った。みゆきのことを名前で呼んでくれた事にみゆきは感心した。
「良かったら、今日・・・一緒に・・・帰らない?」
「えっ何て言ったの?」
聞こえなかったみたい。
そんな時である。キラリちゃんが助け船をみゆきに送るように言った「純君、みゆきちゃんと私と私の弟みたいな武士と一緒に帰らない」
「弟見たいってどういう事?」
「まあそれには複雑な事情があるんですよ」
すると純君の周りを囲っていた女子達は、「何よもう」なんて言って純君の側から去って行った。またこの事でいじめや何やら面倒な事が起こらないことをみゆきは思う。でもみゆきには義務がある。このクラスはみゆきが委員長で絶対にみゆき自身も含めていじめなんて絶対にさせないことを。でもみんなには悪いことをしちゃったみたい。もしかしたら明日みんなに嫌がらせをさせられても文句が言えないかもしれない。
純君は頭も良いし顔はいまいちだけれども、みゆきのハートをがっちりと掴み挙げている。
放課後、ホームルームが終わると、純君とみゆきとキラリちゃんと武士君で一緒に帰ることになった。
「へーそうなんだ。キラリちゃんと武士君って親がいないんだ。だから今施設で暮らしているんだ」
何か純君、自分がそう言った人のボランティアをしているから、みゆきよりもキラリちゃんの方に興味が言っている感じだ。
「みゆきちゃんも片親何だよ」
「じゃあ、みゆきちゃんも片親で色々と辛い思いをしてきたんだね」
純君にそう言われて心がドキッとした。
「みゆきちゃんのお母さんって何をしている人なの?」
と純君に聞かれて別に隠すことじゃないと思って「占い師をやっている」と言った。
「占いかあ、俺占い好きだよ。今度お母さんに俺の事を占ってくれないかな」
ここがアタックポイントだと思って「みゆきも占いが出来るんだ」
「本当に!?じゃあ、俺の事を占ってよ」
「みゆき知っているよ。純君は色々なボランティアをやっているみたいだね」
「何でそんな事を知っているの?」
「だ、だ、だ、だって占って欲しいって言ったから純君の事を占ってあげたんじゃん」
「でも凄い当たる。俺の運命の人も占えるかな?」
「そこまでは分からないけれど」
「それは私が占ってあげよう」
とキラリちゃんが突然言い出してきてキラリちゃんは、「ズバリ、純君の運命の人はみゆきちゃんだと思うよ」なんて事を言い出した。
それを聞いた純君は「ええっ!」と驚き、みゆきの心臓は破裂寸前って感じで驚いている。




