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恐怖のカタストロフィーインパクト再び!

 みゆきは倒れたお母さんを抱きしめた。


「お母さん。お母さん」


 とみゆきと貴之はそう言い合ってお母さんを揺さぶった。


 キャリアスは絶対神の力を手にしてしまった。これがキャリアスの思うつぼだったのか!みゆきと貴之は互いにホーリープロフェットとイービルプロフェットの力を増長させた。魔王を倒すにはそれしかなかったんだ。キャリアスは魔王と私達を利用して絶対神になったのだろう。


 やっぱり流霧さんの言うとおりキャリアスの罠であった。でも罠でも何でも良かったのだ。絶対神になったキャリアスにみゆき達は敵わないだろう。


 でもこのままではキャリアスに世界も異世界も冥界も地獄も天国もキャリアスの思うままになってしまうだろう。そんな事はどうでも良いなんて思うけれど、お母さんが許さないだろう。


「貴之、ここで絶対神になったキャリアスを倒してこの冥界の平和を取り戻そう。奴は私達人間界でカタストロフィーインパクトを衝突させて世界を滅ぼそうとした張本人。だから決して奴をこのまま野放しにしてはいけない」


 絶対神となったキャリアスの力はとてもすさまじい物だった。私達が敵う相手ではないと思っている。でも私達には地獄の王のサタンと天国の王のルシファーがいる。この二人の力も合わせて戦えば良いとみゆきは思った。


「絶対神になったキャリアスに我々は敵わない」


 サタンは言う。


「だがサタンよ。このまま奴をのさばらせてはいけないのではないのではないか?」


「それもそうだな。ここにはホーリープロフェットのみゆきとやらとイービルプロフェットの貴之とやらの力も存在する。この神にも匹敵する二人と我々神々が力を合わせれば勝てない相手ではないだろう」


「サタン、ルシファー力を貸してくれ」


 とみゆきは二人に懇願した。


「もちろん貸す。だが我々の力では絶対神には敵わぬぞ」


「ひょひょひょひょ、絶対神となった我に戦いを挑もうなど笑止千万、まとめて肉体もおろうとも無に返してやる」


 そう言って絶対神となったキャリアスはみゆき達に攻撃をしてくる。


「ひょ!」


 そう言って指先から何か得たいのしれない漆黒の炎を解き放ってきた。


 みゆきと貴之がホーリープロフェットとイービルプロフェットでそれを向かえ打とうとする。するとサタンが「よけろ!馬鹿者!」と言ってみゆきと貴之はサタンに衝撃波を喰らってキャリアスの攻撃から免れた。そのキャリアスの攻撃はこの狭い岩の壁に当たり、ものすごい衝撃が走って岩は粉々に砕けて凄い爆発がした。


 みゆきと貴之は吹っ飛んで意識がなくなりそうになった。


「ひょひょひょひょ。これでも凄く手加減をしたのにな」


 絶対神となったキャリアスの力は少しの力でも相当な力を発している。みゆき達はおろか魑魅魍魎達もその衝撃で消滅していった。そして岩は砕けて、空の太陽が見渡せた。


 みゆき達は本当にエゴイストなのかもしれない。ただ、みゆきと貴之はお母さんに会いたくてここまで来たと言うのに、こんな事ってありかよ。これはみゆきと貴之とサタンとルシファーが束になっても敵わないだろうな。


 今更後悔したって仕方が無い。キャリアスに絶対神の力を与えさせてしまったのはみゆきと貴之が原因だ。あれほどお母さんは来るなと言ったのに、みゆき達はそんな忠告さえも聞かずに行ったのが悪かったんだ。


 ゴメンね、お母さん。でもお母さんにまた抱きしめられて、それで頬を久しぶりに叩かれて叱ってくれて嬉しかったよ。お母さんがいない子供達はメグさんが経営する施設の子供達も同じなのに、それでキャリアスは絶対神の力を手にして、もう世界も冥界も地獄も天国もすべてむちゃくちゃにしてしまうだろう。


 本当にみゆきと貴之はエゴイストだ。お母さんの言うとおりにしていれば、みんなを巻き込む事は無かったのに。ゴメンね、笹森君、ゴメンね、麻美ちゃん、ゴメンね、リリィ、その他のみんなこんなみゆきと貴之を許してはくれないだろうね。やがてキャリアスは冥界はおろか人間界まで来ても世界を壊し回るのだろう。


 みゆき達はとんだ失敗をしてしまったよ。こんな事になるなら、お母さんを助けに行かなければ良かったのかもしれない。


 あれ?みゆきはどうなってしまったのだろう?何も見えない、何も聞こえない、出来ることと言えば感じることと思う気持ちだけ。


 みゆきが小さい頃、お母さんはいつもみゆきの事を心配してくれた。そんなお母さんが大好きだった。叱られた事もあったけれども、それでもお母さんは最後には笑ってくれるんだ。お母さん行かないで。みゆきがわがままを言ってゴメンね。あれだけ来るなって言ったのに、みゆきと貴之は我慢しきれずに来てしまったんだよな。キャリアスがあんな事をもくろんでいたなんて分からなかったんだ。


 もう絶対神となったキャリアスに敵う相手はいないだろう。


『いいえありますよみゆき』


 どこからかお母さんの声が聞こえてきた。


「お母さん」


 と言いながらみゆきは目覚めた。


 ここはどこだ?辺りは真っ暗な森でたき火なんて焼いている。


「起きたか」


 とサタンは言う。それにルシファーもいる。それに貴之も。


 森の中は真っ暗だが、かすかに光が見える。


「サタン、ルシファーそれに貴之、私達はどうなったんだ?」


「何もないよ、我々はキャリアスから逃げてきたのだ。あの絶対神の力を手にしたキャリアスを倒すには我々には無理だ。あれは神の領域の範疇を超えている」


 サタンは弱々しげに言う。


 そしてここにはお母さんもいた。


「お母さん!」


 と言ってお母さんの胸に飛び込もうとすると、お母さんは私の頬を殴った。


「あれほど来てはいけないと言ったのに」


 お母さんは怒っている。みゆきと貴之の事を嫌いになってしまったのだろうか?そう思うとみゆきは言った。


「そうだね。本当に来なければ良かったよ、こんな冥界に何て、そうすればキャリアスの野望も叶う事は無かったし、この世界はこの宇宙は全部キャリアスの物と化してしまったんだからね」


 とみゆきはお母さんに皮肉を言ってやった。お母さんはみゆきと貴之の事を愛していなかったのだ。本当にみゆきはお母さんなんて助けに来なければ良かった。みゆきが持つボールサイズのホーリープロフェットを司る水晶玉は言っている。


 まだ。何も分からないと。


 分からないと言う事は僅かながらに希望はあるって事なのだろうか?


「そうだ。貴之、死神様を呼んでみようよ」


「何だお前達死神様に会ったことがあるのか?」


 サタンは少し恐れをなしている感じだった。


「ああ、死神様なら何か絶対神になったキャリアスを倒す何かを知っているのかもしれない」


「じゃあ、キリが迷子になっている。きっとキリを探すためにお供え物を出したら、死神様は来てくれるかもしれない」


「あなた達死神様って、そんな人達にも会ったの?」


 お母さんの言うことなど、もうシカトした。貴之もお母さんの事をシカトしている。するとお母さんは「質問に答えなさい」とピンタをしようとしたが、みゆきはそれを素手で受け止めた。


 そして言ってやったよ「お前なんか母親じゃない」と。


 するとお母さんは悲しそうな顔をしていた。


 これで良いんだ。自分の事しか考えない親などみゆきと貴之には必要ない。今みゆき達に必要なのは死神様を呼ぶことであった。


 みゆきと貴之は森の中に入ってアケビや食べられるキノコを採取したり、木の実などを採取して、死神様を願った。


 するとキリが死神様の腕を掴んで現れた。


「死神様、いたんですね」


「お主達は以前の子供達だったじゃないか、あの後魔王を倒してキャリアスから、母親を救うことは出来たのか?」


「聞いてください死神様」


 すると幼女の死神様はその手をみゆきの頭に置いた。


「なるほど、すべてはキャリアスの陰謀通り、絶対神の力をキャリアスは手にしたのだな」


「そうなんですよ。死神様何かお知恵をくださればと思って、とりあえずアケビやキノコや木の実などを採取したので食べてください」


「おお、これは、また馳走になろうとしよう」


 死神様は木の実やアケビやキノコなど、おいしそうに食べている。


「あの、死神様お知恵を・・・」


「今は食事中じゃ後にせい」


 何か嫌な予感がしてきた。


 死神様は食べることに夢中でこちらを向こうとはしない。


 そして死神様が食べ終わると、死神様は「お主達絶対神に敵う相手などこの世のどこにもない」


「じゃあ、どうすれば」


「お主達の頭の中を覗かせて貰ったが、絶対神はまだ目覚めていない。だが絶対神が目覚めればキャリアスから絶対神を分離する事が出来る」


「それにはどうすれば良いですか?」


「サタンもルシファーもこの森におるのじゃろう。その者達もこちらに呼んでこい」


 みゆき達はサタンとルシファーとお母さんの元に戻って、死神様を連れてきた。


「あなたは死神様」「死神様我々にお知恵をくださいませんか?」


 サタンとルシファーは言う。


「そうじゃのう。我は死神、先ほどこやつ等に絶対神を目覚めさせる事を教えてやった。その絶対神を目覚めさせればキャリアスは絶対神から分離してキャリアスは元の姿に戻るだろう。そうして絶対神を封印するのじゃ」


「それはどうすれば出来るのでしょうか?」


「キャリアスが絶対神と分離させなければ我の森もむちゃくちゃになってしまう。それは困るじゃから我もキャリアスを絶対神から分離させるように協力しよう」


「本当に」


 みゆきは喜びながら言った。


「その為にはお主達の力も必要じゃ。それにもうキャリアスは人間界に戻っていった」


「戻って何をしに行ったの?」


「再びカタストロフィーインパクトを衝突させるために行ったようじゃ」


「そんなあ」


 みゆき達は絶対神には敵わないことは分かった。でもキャリアスから絶対神を分離させることは出来るであろう。その事にかけてみるしかない。


「行こうみんな人間界にそれにはみんなの力も必要だ」


 とみゆきは宣言する。


 するとサタンもルシファーも貴之もお母さんも死神様もキリも協力してくれるみたいだ。


 死神様は人間界に通じる扉を開いた。その向こうには数日経っただけなのに妙に懐かしく思うみゆきと貴之とお母さんが住む人間界だ。サタンもルシファーもみゆきも貴之もお母さんも死神様もその中へと入っていく。


 待っていろ、キャリアス、お前だけは許しはしない。そう思いながら人間界に戻ると流霧さんはみゆき達がお母さんを助けるために来た所だった。今思えばお母さんを助けたことをみゆきは後悔している。きっと貴之もそう思っているかもしれない。みゆきや貴之はお母さんに愛されていなかったのだ。キャリアスが絶対神と合体した時、みゆき達の事よりその事に対して怒っていた。そんなの母親じゃない。


 もしこの事で成功したらみゆきはメグさんの元で悪いが世話になることを考えている。


 人間界に戻ると、そこは流霧さんが冥界への扉を開く鳥居だった。


 みゆき達が戻ってくると流霧さんは気絶して鳥居の前で倒れていた。


「流霧さん。どうしたの?」


「絶対神を手にしたキャリアスにやられた」


「キリ、ポーションを」


「これが最後のポーションです」


「それでもいい。流霧さんをみゆき達の仲間を助けてあげて」


 キリはみゆきの言うとおり最後のポーションを流霧さんにかけた。

 すると流霧さんは回復して立ち上がった。


「これがポーションの力か、こんな高価な物をあたしに使って大丈夫だったのか?」


「そんなこと言っていられないよ、流霧さんはみゆき達の仲間だもん」


「仲間か・・・」


「それよりもキャリアスは?」


 すると流霧さんは上を見よと言わんばかりに、首を上に上げた。


 頭上を見上げるとカタストロフィーインパクトをきっとキャリアスの奴がまた仕掛けて来たのだろう。そうはさせない。


「貴之」


「うん」


 みゆきと貴之は阿吽の呼吸で力を高めてカタストロフィーインパクトを壊した時のような力を放出させた。


「「はああああああああああああああ」」


 みゆきと貴之は互いに力を高め合う。キャリアス一度までも二度までもカタストロフィーインパクトを衝突させたいか、そんなにみゆき達に邪魔をされた事が憎いか。みゆきと貴之はパワーを高め合って力が満ちた所でカタストロフィーインパクトにみゆきのホーリープロフェットと貴之のイービルプロフェットを放出してカタストロフィーインパクトを消滅させようとしたときだったキャリアスがみゆき達の攻撃を止めた。


「キャリアス!!!!!!?」


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