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絶対神キャリアス

 キャリアスは魔王の幹部なのに魔王に攻撃を仕掛けた。


「な、な、何の真似だ!キャリアスよ」


「魔王様、いや魔王よ!あなたはもう用済みなのですよ。こ奴等の力をここまで高めさせて貰ったことはこちらの計算通り。絶対神の力は私が受け取ります」


「貴様ああああああああああああ!!!!」


 そう断末魔をあげて魔王は消し飛んでしまった。


 敵とは言え何とむごいことをするキャリアスだ。もはや魔王も幹部もないここは弱肉強食の世界に魔王達はいるのだろう。


「哀れな魔王だ」


 とサタンは言う。


 そして魔王の事などどうでも良い、それよりもお母さんが心配だった。


「キャリアスお母さんを返せ!」


「ああ、返すとも」


 すると地面からお母さんが召喚された。


 だがそのお母さんはみゆきのお母さんを模造したに過ぎない人形だと言うことは分かった。だからみゆきはそのお母さんを聖なる炎で焼き尽くした。


「キャリアスいい加減にしろ。みゆき達のお母さんを返せ」


「ならばみゆきと貴之とやら、我についてこい」


 すると精霊石からお母さんの声が聞こえてきた。


『二人ともキャリアスの後についていってはいけません。あなた達は罠にかけられかけているのです』


「そんな事はどうでも良いよ!お母さん。みゆき達の目的はお母さんを助けに行くことなんだから・・・さあ、キャリアス!お母さんの元へ案内しろ!」


「ならば我についてこい」


 みゆきと貴之はキャリアスが作った黒いブラックホールの中へと案内され、そこには魑魅魍魎達がうごめいていた。


「キャリアス、本当にここにお母さんはいるんだろうな?」


 魑魅魍魎達がうごめく闇の中に案内され一筋の光りが見えてきた。そこには周りは岩で。お母さんが地面に円の描かれた中央にとらわれていた。


「二人とも来てはいけないとあれほど言ったのに」


「ひょひょひょ!親子の愛はいつ見ても良い物ですね。それがお前達の命取りになろうとしても」


 キャリアスは右手を挙げた。するとみゆきと貴之とお母さんが吸い込まれるように引き込まれていく。


「魔王を倒した物の力は我に絶対神の力を与えてくれる。お前達は母親と同じホーリープロフェットとイービルプロフェットの使いなのだ。そしてお前達の力は増した。絶対神を我の力にするために」


 引き込まれているのはみゆき達じゃない。みゆき達の力の源のホーリープロフェットとイービルプロフェットの二つの玉だ。


「その玉を離してはいけません」


 お母さんは凄い剣幕で言う。みゆきと貴之はお母さんの言うとおりみゆき達のホーリープロフェットとイービルプロフェットのそれぞれの玉を抱きしめるようにお母さんに引き寄せられるが、お母さんは「お母さんに引き寄せられてはいけません」と言うので言うとおりにした。


 でもみゆきと貴之はお母さんを助けるためにここまで来たのだ。こんな玉もういらない。貴之もそう思ったのか自分のイービルプロフェットの玉を手放した。


 それぞれの玉はお母さんに取り込まれてみゆきと貴之はお母さんに抱きついた。


「お母さん」「母さん」


 みゆきも貴之もお母さんにどれだけ甘えたかった事だろうか。お母さんはそんなみゆきと貴之を抱きしめた。


「お前達それほどまでにお母さんの事を・・・」


 そうだ。もう絶対神が何だか知らないがそんなことはどうでも良い。みゆきはお母さんに甘えたい。ずっとずっとこうしていたい。これからキャリアスが何かを犯すのだろう。そんな事はもう知った事ではない。みゆきと貴之はこの日を待っていたのだ。もう冥界や人間界がどうなろうともみゆき達には関係ない。


 だが、お母さんはいったん私達を抱きしめてすぐに引き離してみゆきと貴之にそれぞれピンタをかましてきた。


「甘えるのもいい加減にしなさい。あなた達は自分たちの事しか考えないエゴイストよ。そんなのお母さんが許しません」


「何言っているんだよ。お母さん。みゆきと貴之はこの日をどれだけ待ったか分からないのかよ」


「分かりたくもない。でもお母さんがいなくても自分達の運命を呪うのだけはやめて」


 そう言ってお母さんにホーリープロフェットとイービルプロフェットの水晶玉が取り込まれて輝きを放つ。何が起ころうとしているんだ。お母さんは?お母さんは?どうなってしまうの?


 するとキャリアスは呪文のような物を唱えている。何だか知らないが、キャリアスを止めないといけないような気がする。


「キャリアス。お前の野望もここまでだ」


 だがホーリープロフェットとイービルプロフェットの力を持たないみゆきと貴之はキャリアスの前では子供のような物と同然でキャリアスの前では何も出来ない。


 キャリアスは私達の事を見下ろしニヤリと笑いながら呪文のような物を唱えている。私達の力はもう子供の人間の力しか残っていない。そんなキャリアスを止めよう何てみゆき達には出来なかった。


 すると精霊石が輝きだし、みゆきは願った。お母さんを助けられる力が欲しいと。するとみゆき達の力の源であるホーリープロフェットとイービルプロフェット玉がそれぞれボールサイズぐらいの玉が出てきた。そしてそのみゆき達に託した精霊石は粉々に砕けて無くなった。


 これならキャリアスに挑むことが出来る。


「ひょひょひょひょ。遅かったな。我は絶対神の力を今手にした。喜べ、お前達がこの絶対神の犠牲者第一人者だ。いや二人者か」


 キャリアスからすさまじい力を感じるこれが絶対神の力なのか?


 それよりもお母さんは?お母さんの方を見ると、お母さんは気絶しているみたいでキャリアスの事よりも気絶しているお母さんを助けようとみゆきと貴之はお母さんの元へと向かった。

 絶対神だろうと何だろうとそんなのどうでも良い。神様でも魔王でもみゆきと貴之はお母さんを助けに来たんだ。キャリアスが絶対神になったと言うことはもうみゆき達はキャリアスに敵わないだろう。ならばみゆきと貴之はせめてお母さんの元で眠りにつきたいと思っている。

 倒れたお母さんの元に行き、キャリアスは。


「そんなにその母親が大事か。いつ見ても親子の縁と言う物は良い物だな。ひょひょひょひょ」


 もうみゆき達はおしまいだろう。これでみゆき達はキャリアスに殺されてしまうのだろう。だったらもう良い。


「ひょひょひょひょ。お前達せめて母親と共に燃え尽きるが良い。親子と死ねるのがお前達の望みなら」


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