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いざ、アラタトへ

 目覚めるとベットの上だった。


「メグ、流霧、みゆきが目覚めた!」


 リリィの声がする。どうやら意識が失いそうになった時、リリィに助けられたみたいだ。それにメグさんも流霧さんもリリィが見えるサングラスをかけている。


「リリィ」


 そう言ってみゆきはリリィを抱きしめた。


「みゆき、お願いだから無茶な事は止めて」


「そんな事よりもカタストロフィーインパクトがこの地球に近づいているんだよ。あの東の空を見てみてよ」


 するとメグさんと流霧さんは唇を慎めとばかりに唇に人差し指を差し出した。どういう事なのかみゆきは聞いてみると、みゆきに流霧さんは紙とペンをみゆきに差し出してきて、心の目で空を見て見ろ。と書いてあり、心の目?とそう紙に訴えかけられてもみゆきには分からない。


 心の目で空を見るんだ。私達は監視されている。カタストロフィーインパクトを発動させようとする物に。リリィには見えるのか紙とペンで問いかけて見ると、見えると言っていた。それにリリィはみゆきなら見えると書いてきた。


 みゆきは言われたとおり、しんがに問いかけるように空を見上げた。すると空は、気味の悪い目玉でいっぱいに染まっていた。ここにいる分には大丈夫だが、リリィが外に出たら、その目で見られて、リリィは捕まってしまい、それこそこの世の終わりを意味していると言っている。


 何だ。あのおびただしい目玉は?気味が悪くて嘔吐しそうになってしまう。とにかく移動するときは何か身を隠す何かを発明しなければならないと言っていた。そうか、今朝からメグさんが口を割らなかったのもそういう訳だったのか。


 ここは流霧さんの秘密の基地で、あの目玉から見えないように出来ているみたいだ。迂闊に外に出たり、喋ったりしたら、あの目玉に見つかって、リリィやみゆき達が危うい。


 流霧さんがみゆきに大きな水晶玉を差し出してきた。どうやらみゆきは先ほどの戦いで力を増したようだ。でも流霧さんはここが見つかるのは時間の問題だと言っている。この空に見える目玉を欺くには時間が足りないと言っている。


 いったいこの目玉を発している者は何者なの?あの目玉を操っているのはマブーと言う、女性らしい、力は無いが、こうして頭上から見る力を持っていると紙で書いてきた。ここにいられるのも時間の問題だと書いてくる。


 じゃあ、どうすれば良いのか、あの目玉、本当に気味が悪い。みゆきはマブーに見られてメビウスの幻影に殺されそうになったが、そのおかげで、みゆきは強くなって助かった。


 どうしてリリィもメグさんも流霧さんもこの目玉の事を教えてくれなかったのは、メグさんも流霧さんもみゆきに強くなって欲しいことだった。でもリリィはちゃんと教えた方が良いんじゃないかと紙で書いてきたが、もしこれで死んでしまったら、それまでの事だと冷たい返答が帰ってきた。


 メグさんと流霧さんは紙にもっと強くなってと書いて来た。そうだ。私はもっと強くならなければならない。それにメグさんと流霧さんはみゆきにかけていたらしい。もしみゆきがあのまま死んでしまったら、この世界は誰も守る事が出来ずに、カタストロフィーインパクトは地球に直撃して、人類は滅亡していたと。


 そこまでみゆきの事を信頼していたらしい。それはそれで冥利に尽きるが、ここにいられるのも後一日みたいだ。もしリリィがあの目に見つかってしまってリリィがさらわれてしまったら最後らしい。そこまでリリィはカタストロフィーインパクトを防ぐ物を作れるらしい。

 あの目を欺くにはリリィと一秒でもあの空でみゆき達の事を監視している目から逃れるには、一秒の時間が必要らしい。その一秒の時間とはあの空で監視している目玉が時々瞬きをする事だ。その瞬間を逃す手は無いと紙に書いてくる。でもいつ瞬きをするのかは分からない。


 そこで思いついてしまった。今ここ場所的にはk398らしい、私達が目指すのはk400の地点だ、そこに行けば、アラタトの上空に辿り着くとリリィは紙に書いてきた。そしてみゆきは予言した、あの目がこのk398地点を瞬きする時をホーリープロフェットで予言して見せた。すると明日の午前11時23分38秒だとホーリープロフェットは言っている。目指すはk400地点、そこは廃館となった旅館だった。


 とにかく明日k400地点の廃館にいくには空にそびえる目玉を欺くためにいくのだ。わずか一秒だが、そこは隣だ。この一瞬を逃したら奴らの思うつぼだ。今度こそみゆき達は見つかったら、今度は戦っても勝てない相手を奴らは送り込んでくる。いや今度こそ奴らアリウス達はリリィをさらうつもりだ。今度は傀儡では無く、オリジナルのアリウスが現れる。


 そう言えばアリウスの奴言っていた。アリウスとみゆきは同じ姉弟だと。いったいどういう事なんだ。姉弟なら助け合うのが普通なのでは無いかと思うが、そうも言っていない。奴らいったい何者なのだ。


 とにかく今、リリィはアラタトの下界に辿り着けば、アラタトにいける兵器を作っている。時計を見てみると今は午後3時23分58秒を示している。綿密に計算すると20時20秒の時間がある。あの空に瞬く目玉が瞬きをするのは一週間に一回だ。そうしたら、一週間が経って、カタストロフィーインパクトは地球に直撃してしまうだろう。そうなったら人類の最後だ。


 とりあえず、メグさんはみゆき達におにぎりを作ってくれていたみたいだ。特にリリィには役に立って貰うためにリリィにも食べて貰う。リリィの故郷であるアラタトかあ、みゆきも見てみたいと思っている。


 部屋の中にはリリィが作業をしている音しか聞こえてこない。アラタトにいくための兵器をリリィは作っているのだ。今はみゆき達はリリィにかけるしか無い。みゆきもホーリープロフェットで何か無いか調べてみると、後一週間ちょいであのカタストロフィーインパクトは衝突してしまうと言っている。その為にはアラタトに言ってカタストロフィーインパクトを食い止めるしか無い。


 神様は悪魔なのか、あのカタストロフィーインパクトは神の試練だと言っていた。どうして命をかける事をしてまで、神はカタストロフィーインパクトを発動させなければならないのか?みゆきには分からなかった。神は何のためにアラタトに試練を与えたのか、みゆきには分からなかった。


 とにかくみゆき達は後20時間後にあの空にそびえる目玉がk398地点からk400地点まで瞬きをする。その時を逃さない為は無い。それにk398地点からk400地点までわずか十二メートルだ。一秒であのマブーと言う奴を欺くことが出来る。


 何か落ち着かない。そのマブーと言う奴はいったい何者なのか?どうして世界を滅亡させるためにアリウス達に加担しているのだろうか?そんな事を考えたって何もない。とにかくマブーと言う奴はみゆき達の敵だ。


 しかしかすかに見える頭上を見てみると、本当に気味の悪い目玉がみゆき達を監視している。とにかく20時間後にk398地点からk400地点までマブーが放った目玉が瞬きをする。その間一秒。それを逃したらみゆき達の未来はない。


 とにかく今は会話は伏せて我慢だ。それまで充分時間はある。それまでみゆき達は休むことになった。リリィはマブーの目玉を欺く兵器とアラタトにいける兵器を作っている。リリィに紙で少しは休んだらと書いたら、リリィは世界の命運はリリィ達にかかっている。それにリリィは自分のふるさととも言えるアラタトに行きたいとも書いてある。


 メグさんも流霧さんも体力を温存するかのように、壁に寄りかかり腕を組んで眠っている。みゆきはリリィには悪いがみゆきも眠らせて貰う。改めて空を見ると、世界が狂ったかのように、目玉でいっぱいだ。あの目玉はみゆき達を狙っている。とにかく今は我慢だ。あの目玉に見つからないようにしないといけない。


 みゆきも流霧さんやメグさんと並んで、壁に寄りかかり腕を組んでその目を閉じた。マブーが瞬きをする時刻が迫る中、リリィはマブーを欺く兵器を作るか、アラタトにいける兵器を作るか、どちらかにしないといけないと言っている。


 メグさんと流霧さんの目を見てみると、メグさんはマブーを欺く兵器を作った方が得策なんじゃ無いかと言っているが、流霧さんは借りにマブーを欺く兵器を作っても時間の問題ですぐに見つかってしまい、カタストロフィーインパクトは地球に衝突する時間が早くなってしまうと紙に書いてきた。


 じゃあ、いっそアラタトに言って、カタストロフィーインパクトを防ぐ兵器を一刻も早く見つけ出した方が良いと言っている。これは賭けに等しい、借りにアラタトに行っても、そこにはアラタトの知識でカタストロフィーインパクトを防ぐ物はあるのかどうか分からない。でもみゆき達はその賭けに乗るしか無いかもしれない。あの目玉を欺いてもカタストロフィーインパクトを防ぐ知識を持つ物はいない。


 ここでみゆきのホーリープロフェットを発動してみると、全く分からない真っ白に染まっている。どちらにしてもみゆきのホーリープロフェットはこんな肝心な時に限って使えない。舌打ちをしようとしたら、見つかってしまうのでそれをこらえるしか無かった。


 そして流霧さんの言うとおり、リリィにはアラタトに行く兵器を作って貰うしか無かった。アラタトはみゆきやリリィ、きっと孝君も見えると思うけれど、メグさんや流霧さんには特殊なサングラスをつけていないと見えないのだろう。


 サングラスをつけている状態はリリィと同じようになるらしい。だから、今、メグさんと流霧さんは特殊なサングラスをしているため、みゆきとリリィと孝君にしか見えない状態になっている。それにサングラスをかけている時はアラタトの関係者ではないものは見えないようになっている。


 でもそれは今は好都合だ。もしこの時に流霧さんやメグさんの知り合いに出会ってしまったら、あの目に見つかり、みゆき達の居場所が特定されてしまう。後九時間、幸いな事に、メグさんの時計は電波時計になっている。だから正確な時間を見ることが出来る。


 みゆきが眠っていると、メグさんに起こされた。あと11時23分58秒まで後一時間に迫っている、メグさんの時計を見てみると、時計は午前10時24分23秒を示している。今、みゆき達が連中に見つかって戦うことになったらまず勝ち目は無いだろう。


 あと一時間を切った。緊張が高まる。リリィの方を見てみると、凄い集中力でアラタトに行く兵器を作っている。まだなのか?リリィ、リリィだけが頼りなんだよ。1時間後、アラタトはk400地点を通過するだけなんだろ、それまでにアラタトに行く兵器を作って貰わないとみゆき達は全員お陀仏だ。


 その地点はアラタトに重なるために、マブーからの死角になれる。その隙にアラタトに行けば良いのだ。アラタトは浮遊大陸であり、普通の人の目では見れない大陸らしい。数千年前にアラタトは誕生して、その誕生を知るものはいないと言っている。


 アラタトの大陸は神の力によって作り出された物だと、リリィは言っていたが、それは本当なのかは謎だ。とにかく神が作り出したアラタト人に千年に一度の試練が訪れ、千年前にその試練に打ち勝つことが出来なかった。それで我々地上の者の地球人にその試練が課せられたとリリィは言う。


 どうして神は、アラタトに試練を与えたのかは、アラタト人が平和に怠けていないかをチェックするためだと言っている。そして千年前、アラタト人は神の試練に打ち勝つことが出来なくなってしまったらしい。


 それは流霧さんに貰った紙に書いてあった物だ。みゆきはアラタトだが何だか知らないが、こちらにトラブルを持ち込まないで欲しいと言いたいところだが、これは愚痴を思っても仕方が無いことなのかもしれない。


 みゆきが思う神様は人を不幸にしたりしないと思っている。それなのに、みゆき達にその火花をこちらに向けてくるなんて、しかもアリウスというみゆきの双子の姉弟はカタストロフィーインパクトを利用して、世界を滅亡させようとしている。


 そしてリリィはアラタトにいける兵器を開発した。


 リリィは紙に書いてきてみゆき達にそれを見せた。


 よし後は一秒の間にk398地点からk400地点まで行くだけだ。


 時間は時々刻々と過ぎていき、十秒前、メグさんは腕時計をみゆき達に見せて、目で気を引き締めてと言わんばかりにアイコンタクトを取って、運命のカウントが始まる。


 3、2、1、0。さあ、アラタトまで出発だ。

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