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誰にも気づいてもらえない少女、リリィ

 あの子の事が見えるってどういうことだろうとメグさんに聞いてみる。


「あのねみゆきちゃん。あの子の事は孝にしか見えないのよ。それに孝に語りかけても、その子のことを話そうとはしないのよね」


「どうしてみゆきにだけ見えたんですか?」


「それは分からないわ、とにかくその子が見えるみゆきちゃんに頼みたいことがあるんだけれども良いかな?」


 頼みたいこと。メグさんの頼まれごとなら何でもやってやろうと思っている。そしてメグさんはみゆきに頼みたいことは、その女の子と接触して欲しいと言われた。あのお人形のようにかわいい女の子の事を調べてきて欲しいって、出来れば、その女の子とみんな見えないと言っていたが、見えないのでは無く気がつかない、そしてさらに本人もみゆきと孝君以外気がつかないみたいだ。


 これから地球の危機が迫っているとメグさんは言っていた。その地球の危機を救うのはそのお人形のようにかわいい女の子の力も必要だとも言っていた。


「メグさん。もしかして、これから『カタストロフィーインパクト』が始まるからそれにはみゆきやあの女の子の力が必要なんですね」


「みゆきちゃん。どうしてカタストロフィーインパクトの事を知っているの!?」


 メグさんは目を丸くして、驚いている様子だ。


「いつも夢に出てくるお母さんが言うんです。そのみゆきの水晶玉の力が無ければ、カタストロフィーインパクトは防げないって」


 メグさんは言っていたカタストロフィーインパクトは千年に一度のアラタトと言う大陸の神の試練だと。でもそのアラタトは千年に一度の神の試練であるカタストロフィーインパクトにアラタトとその民は防ぐことが出来ずに何人かのアラタトの人間が地上に降りてきたのだが、地上の者は何人かアラタトの見える者の人間が入る事で少数ながらもアラタトは地上に繁栄をもたらした。


 アラタトの民は凄い頭脳の持ち主で色々な化学兵器を作ったと言われている。その化学兵器は戦争に使われることとなり、大勢の人間達が抹殺されたと言っている。そして人々はアラタトの人間は危険な者と言われて、地上の人間達はアラタトの人間は抹殺されることなり、次々とアラタト人は殺されて言ったと言われている。それにアラタトの民が見える人間も抹殺されていったと言われている。


 そしてアラタトの民の事は歴史上からも抹殺されてしまったと言われている。アラタトの人間が見えるのは原因は分からないがみゆきと孝君が見える。


「じゃあ、あのお人形のようにかわいい女の子はアラタトの民だと言うの!?」


「そうかもしれない。現にカタストロフィーインパクトを防ぐにはアラタトの民の知識が必要とされていると言われているわ!」


 どうしてみゆきには見えたのかは謎だが、早速メグさんの頼み事でアラタトの人間なのかどうか分からないが、みゆきはその子に接触を試みようと思っている。でもあの孝君何か近づくなオーラ全開だし、どうしたら近づく事が出来るのだろうか?


 でもそんな事は言っていられないだろう。世界の運命はみゆきが握っていると言っても過言では無いと思っている。みゆきは孝君が帰ってくるのをずっと勉強室で待っていることにした。


 そして一時間が経過して孝君とお人形のようにかわいいアラタトの民と思われる女の子は帰ってきた。


「あー孝君、話があるんだけれども」


「それはこっちも聞きたいぐらいだよ。どうしてお前にはリリィが気づいてリリィはお前のことに気がついているんだよ!?」


「その子の名前はリリィと言うの!?」


 リリィと言う女の子は怖いのか孝君の後ろに引き下がってしまった。


「お前リリィに何かして見ろ、俺はお前を許さないからな!」


「別にみゆきはリリィに何も取って食おうなんて思っていないよ」


 そこでリリィは孝君に耳打ちをしている。


「そうか。リリィがお前の事に興味を持ちだしたらしい」


「それはみゆきも同じだよ。リリィさん。みゆきの事をよろしくね」


 と言って握手を求めた。でもリリィは握手することを何をためらっているのか分からないが、みゆきはリリィの腕を取った。するとリリィは「きゃ」と言ってみゆきを払いのけてみゆきは二メートルぐらい吹っ飛んでしまった。


「痛っ!」


「言い忘れていたがリリィの力は人間の五倍くらいの力はあるから気をつけるんだな」


「それを早く言ってよ」


「みゆき、大丈夫?」


 リリィが初めてみゆきに声をかけてきてくれた。それにリリィはみゆきに手を差し伸べてきた。リリィの手を取ると、リリィは軽く握ったつもりか凄い握力で手が壊れそうだった。


「ちょ、リリィ!!」


「ゴメンみゆき。力、入れすぎた」


 そこで孝君が、みゆきにリリィに迂闊に触れない方が良いぞと言われてしまった。リリィは走ると、百メートル七秒台で走りきると孝君は言っていた。孝君もリリィに触れるときは本当に気をつけているみたいだ。リリィは生きている者すべてが見えないみたいだ。生きている者というと人間や動物はおろか植物も見えないみたいだ。


 でも食事は見えることが出来ると言っている。食べ物はみんなかつては生きていた者だが、死んでいるので見えるみたいだ。じゃあ、死体とかは見えるのかと聞くとそれは見えると言っていた。


 みゆきは想像してみたリリィの観点で、リリィの瞳には孝君とみゆきしか見えない。それ以外の階段とかベットとかは見えるみたいだ。とにかく加工した物は見えるが人間や動物に植物にとにかく生きている物が見えるのは孝君とみゆきだけだと言うことは分かった。


 それにリリィはテレビゲームが得意だと言っている。だから夜中にピコピコと言うような音が聞こえるのか?きっと孝君はリリィの為に夜中にゲームをさせているのだと。それにリリィは人には気づかれずにいる。リリィと一緒にいると孝君が周りから見たらリリィのように気づかれなくなってしまうみたいだ。


 とにかくリリィの事は分かった。生きている物すべてが見えない。さらに迂闊にみゆきや武士君は触れてはいけない。すさまじい怪力で潰されてしまうからだ。


 そしてそこにキラリちゃんがやってきた。


「キラリちゃん」


 と言うと、キラリちゃんはリリィと共にしているためにみゆきと孝君とリリィの存在に気がついていない。


「リリィと接触していてもみゆき達の事が見えないの?」


「見えないって言うか気づかないって言った方が適切だ」


 そうか、リリィはみゆきと孝君以外は気付かないみたいだ。そんなリリィが不憫に思えてきた。


「明日、お前、みゆきって言ったな!みゆきは明日学校休みだろ、だったらリリィと俺と町に出て遊びに行こうぜ!」


 何か半分強引な所がある孝君。そうだ、みゆきはメグさんに頼まれてリリィの事を調べてきて欲しいと言われたっけ。だから孝君の言うことを聞くことにした。何か嫌な予感がするのは気のせいであって欲しいと願うみゆきだった。


 リリィと孝君がいなくなると、キラリちゃんに声をかけられた。いきなりだったものでみゆきは驚いてしまった。


「どうしたのみゆきちゃん。いきなりいなくなるから探したんだよ」


「そうなの?」


 キラリちゃんにリリィの事を話そうとしたが、何か話がややこしくなるのでやめておいた。明日かあ、とりあえず今日はみゆきとキラリちゃんと武士君とまどかさんで買い出しにいく当番だったのでキラリちゃんはみゆきを探していたみたいだ。


 今日のメニューは秋刀魚だと言っていた。秋刀魚を十一匹買って大根を一本買って、みゆき達はそれをメグさんに渡して秋刀魚を焼いて貰うことにした。


 そこでまどかさんが、みゆきにモデルになって欲しいと言われてヌードモデル以外なら良いかと思って、みゆきはまどかさんの申し出を断る理由は無かった。それにまどかさん、みゆきにバイト代もくれると言っていたし、まあ良いか。


 まどかさんは今日はみゆきに着て欲しい服があると言う、その服は白いフリルのついたロングスカートであった。早速みゆきは着替えて、メグさんによつんばになってくれと言われたのでその通りにした。


 何か嫌らしいポーズだがバイト代はくれるので、そのバイト代を明日孝君とリリィと町に出かけるのでその費用を稼ごうと思っている。でもみゆきのポーチには三百万は超えるほどのお金を持っているが、これは以前キラリちゃん達がさらわれた時や、非常時の時に使おうと思っている。そうすれば力は無くす事は無いとみゆきは感じたんだ。


 しかしこのポーズ少し疲れるな、まどかさんはその瞳をキラリと光らせてよつんばになったみゆきをモデルに鉛筆をなぞっている。少しでも動いたら、「動かないの」と注意されて、なるべく動かない事にした。


 そして三十分が経って、まどかさんに動いても良いと言われてモデルは終わった。


「今日のモデルお疲れ様」


 と言ってみゆきに千円札を差し出した。


 このお金で明日、孝君とリリィと町で遊ぶお金にしようと思う。


 まどかさんのモデルも終わってみゆきは勉強室で勉強することにした。


 みゆきは将来学校の先生になりたいのだ。それはみゆきの夢でもあるからだ。


 でもメグさんも言っていたが、カタストロフィーインパクトを何とかしなければ、将来も何も無くなってしまう。そう思うとみゆきは勉強をやる気が失せてきた。


 全く神の試練だか何だか知らないが、カタストロフィーインパクトを抑えなければ私達に未来は無いのだ。とにかく明日、孝君とリリィと一緒に町に遊びがてら、メグさんが言っていたカタストロフィーインパクトの事を説明して上げなければならないと思った。


 本当にみゆき達は大丈夫なのだろうか?とにかくカタストロフィーインパクトを防ぐにはリリィのそのずば抜けた知識が必要とされているからだ。


 みゆきが勉強のやる気を無くしていると、リリィが現れ、リリィはみゆきが座っている向かい側に座ってきた。


「みゆき、勉強している?」


「うん。みゆきは将来学校の先生になりたいから」


「勉強ならリリィ教える」


 と言うことでみゆきはリリィに勉強を教わることになった。リリィはずば抜けた知識の持ち主で、五年生の勉強はおろか、それ以上の知識を持っている。それに歴史は六年になったら教わるのだが、リリィはその事も知っていて、みゆきに懸命に勉強を教えてくれた。


 みゆきは頭を使って疲れてしまったが、リリィはそれでもみゆきに勉強を教えようとする。

「リリィ、ちょっとたんま、みゆきちょっと疲れちゃったよ」


「リリィならまだ。やる気はあるけれど」


 そうだリリィは人間の五倍の力を持っているって孝君は言っていた。リリィに人間であるみゆきにそんな体力は無いと言ったら、リリィは納得してくれた。時計を見ると、午後八時を示していた。みゆきはそんな事も知らずにリリィに勉強を教え続けられていた。そう言えばリリィと共にいるとみゆきは気づかれなくなってしまうんだっけ。


 リリィから視線を反らすと、キラリちゃんと武士君がみゆきの事を探していて、孝君がリリィを探していたみたいだ。


「リリィ、どこに言っていたんだ。探したんだぞ」


「ゴメン孝、リリィみゆきに勉強教えてた」


「そうか、それで時間を忘れてしまったんだな」


 そこでキラリちゃんが「あれ、孝の奴どこに行っちゃったんだろう?」そうだリリィが意識しているときはみんなリリィのように気がつかなくなってしまうんだ。ちょっとこれって危険かもしれない。


「みゆきちゃん探したんだよ。どこに行っていたの?」


 心配していたのか、ちょっと怒っている感じだった。


「みゆきはちょっと勉強していただけで、ずっとここにいたよ」


「いや、さっきここ勉強室にも探したけれど、いなかったよ」


 そうだこの際だからここでリリィの紹介をするのはどうだろうと思って、孝君に相談しようとすると、孝君は大反対だった。でもカタストロフィーインパクトを防ぐにはリリィの力も必要となってくるのだ。だから孝君を説得したが、孝君はリリィをみんなに相談することを大反対した。


 なぜ孝君はリリィの事を紹介するのを拒んでいるのか?今のみゆきには分からなかった。何か深刻な事情があるのか分からないがいつかは孝君を説得して、リリィをこの百合の里のみんなに紹介する。いつか。そうしないとカタストロフィーインパクトは防げないからね。


 だから明日、孝君とリリィと共に町に出かけがてら、孝君を説得する必要があると思う。それと孝君にもカタストロフィーインパクトの事を話して置いておいた方が良いだろう。それにもしかしたらリリィも知っているかもしれないが、カタストロフィーインパクトの事を話して置こうと思う。

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