5 戴帽式
今はありませんが、昔の看護婦さんたちはみんなナースキャップかぶってましたよね。現在では不潔だからという理由から廃止されてしまいましたが。
そのナースキャップなのですが、実は免許をもらう前にかぶることができるんですよ。もちろん、誰しもかぶれるわけではありませんけれど。
准看護師免許をもたずに入学する専門学校や衛生看護専門学校は、入学して半年から八ヶ月後に戴帽式というものを迎えます。
それを迎えるとナースキャップをかぶることが許されるようになるんですよね。
ちなみに、戴帽式っていうのは『この仕事はとても責任を伴う仕事です。それをしっかり自覚しなさい。そして、このキャップに恥じることなく職務をまっとうすること』といったような意識づけをするためのものだそうです。
これ、私も今回ちゃんと調べて初めて知りました。
というのも、当時は『入学してからこれでよく学びましたね。これからはナースキャップをかぶることを許しますよ』ってことだと思ってたからなんですよね。
それで、これを調べて『だから、戴帽式でナイチンゲール誓詞を覚えさせられ、言わされたりしたのか!!』と合点したしだい。
考えてみるとナイチンゲール誓詞の内容って、ざっくり言うと私は責任もってしっかりこの仕事を勤めることを誓いますよ~って内容なんです。
ですが、戴帽した本人がよくわかってないままにそう言わされていただけなので、今考えると、戴帽式に本人に責任を持たせるといった目的は果たせなかった、ということになるのではないでしょうか。
話が脱線しましたが、そんなわけで看護学校に入学して最短半年でナースキャップをかぶることが許されてしまうわけなんです。
これ、今考えると『なぬ!』ってなります。
なぜなら看護師以外でも言えると思うのですが資格取ったばかりの時って生まれたてのヒヨコ並みになにもできない状態だと思うのです。
そんななにもわかっていない以前の状態の学生にナースキャップをかぶらせて仕事をさせるのって、本当に恐ろしいことです。
患者様からしたら、ナースキャップかぶってれば全員プロの資格を持った看護師に見えてしまうと思うんですよ。
それが、実は看護学生なわけですから仕事に責任を持てとか教え込ませる前に、ナースキャップは資格を取ってからかぶるよにするべきでは? って思います。
とはいえ、ナースキャップ廃止になった現在、ナースキャップかぶってるのは学生ぐらい。
なので、逆にナースキャップかぶってるのは看護学生だとわかるからいいかもしれませんね。
ちなみに、私の入った学校では戴帽式を迎えるまではオペ室でかぶるスクラブキャップってのをかぶって仕事してました。
私たちの学校でのこの帽子の通称は『海坊主』でした。
こんな帽子をかぶっていたので、それはもう戴帽式を楽しみにしていたのを覚えています。
戴帽式当時、私は外来に配属転換されていたのですが若い医者から、ナースキャップめちゃくちゃ似合ってる。可愛い、可愛いって言われてとても嬉しかったのを覚えています。
今考えると、海坊主からナースキャップに変わってれば、そりゃインパクト大きかったんだろうなと思うばかりですが。




