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14 開戦前夜①

 勇馬は作業部屋に積まれた武具をみて溜息をついた。


 以前にも1日1200個もの武具に付与を施すという荒業をしたことがあるが今回もそれに匹敵するものとなりそうだ。


 しかし勇馬には秘策があった。



(というよりも新たに得られた『印判モード』のスキルを使ってみるだけだけどな)



 早速勇馬は「メニュー」のヘルプから『印判モード』の使い方を確認する。


「スキルを発動の状態にしてからマジックペンで版下はんしたとなる文字を任意のものに書く。次にマジックペンを『印判モード』に変更してその版下に押し当てて印判を作る、か」


 勇馬は印判モードのスキルを発動させ、その部屋にあった適当な紙に『強度1・3倍』と記載をした。


 次にマジックペンに向かって『印判モード』と口にすると手に持ったマジックペンの形状が代わり、印判の形となった。

 勇馬は印判の版の部分を紙に書いた文字の部分に押し当てると紙に書かれた字が消え、印判に凹凸が現れた。


「試してみるか」


 勇馬はそこにあった鉄の剣に印判をぽこんと押した。


 すると鉄の剣に『強度1.3倍』と書かれた光の粒子が付着した。


 鑑定してみると確かにそのとおりの付与が施されていた。


「これなら楽だ!」


 勇馬は作業部屋に置いてある武具に次々と印判を押していく。


 アイリスが勇馬のペースに合わせようと必死に武具の入れ替えをしようとするが勇馬のペースが速すぎてそれも追いつかない。


 とうとう勇馬は作業部屋に置かれてある武具に印判を押して回るようになった。


 勿論、重ねられていたり場所が悪くて入れないところに置かれた武具についてはアイリスが手伝って勇馬の作業のサポートをしてくれたものの部屋いっぱいにあった武具に付与を終えるのにそんなに時間はかからなかった。


 アイリスに付与を終えた武具を台車で運ばせているとマイヤーが勇馬をマスタールームに来るよう呼びにきた。



「ユーマくん、さっきの仕事が一段落ついたらやってもらいたい仕事がある」


 勇馬が頷くのを確認するとトーマスは勇馬を連れて1階の大きな部屋の前へとやってきた。


 トーマスがその部屋のドアをノックしたところ「どうぞ」という声が中からした。その声に勇馬は聞き覚えがあった。


「失礼します。今回作業を手伝わせていただきますうちの職人をご紹介に参りました」


 トーマスとともに勇馬が部屋の中へと入る。


「あら、それはご丁寧に」


 そう言って作業を中断して向き直ったのはシスター服を身に纏う1人の若い女性だった。


「セフィリアさん!?」


 勇馬は思いがけず出会った知人を見て思わず声を上げた。


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