11 斜め上
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「すみません、ご迷惑をお掛けして」
受付業務が終わるとマリベルは勇馬にそう謝罪した。
「いえ、別に構いませんよ。元々昨日言った50個だって取り敢えずの数ですし。告知が事前にできていなくても昨日はそれだけ需要があったのですから今日のことは仕方ないですよ」
結局、勇馬が引き受けた作業は合計130個。
マリベルは勇馬に対して申し訳なさを感じていた。
マリベルが勇馬の作業部屋から出て行って勇馬は作業を開始する。
「まあ、これだけ数があったら同じ内容の付与も結構あるからな」
最も人気のある組み合わせは【重量軽減20%】と【自動洗浄】の有効期間2週間の組み合わせである。
そのためこの組み合わせの作業はマジックペンを印判モードにして一気に付与した。
勇馬は5つ以上同じ組み合わせがある内容のものは印判モードで付与をして効率よく仕事をこなしていく。
そうして結局1時間も経たないうちに130個もの武具への付与を終えることができた。
「マリベルさん、ちょっとご相談したいことがあるんですが」
作業部屋を出た勇馬は正規のカウンターで受付をしていたアンナにマリベルを呼んでもらうとそう切り出した。
マリベルは勇馬から「やっぱりできない」と言われるのではないかと内心はらはらしていた。
「仕事があまりにも早く終わるのでギルドに来る日を隔日にしたいのですがいいでしょうか?」
勇馬から相談された内容はマリベルの斜め上をいく内容であった。
「他国出身の冒険者への告知もありますので、隔日とするのは来週からにしていただけると……。恐らく明日も噂が広がって先着枠を巡って多くの冒険者が集まると思いますので」
「わかりました。では来週からということで。それから明日は50名を上限としていただいて個数制限についてはなしでいいですよ。勿論、1人で10個も20個も持ってこられると困りますので常識の範囲内でというのはありますけど」
「では明日からは整理券を配布するようにして50名を超えた場合は抽選とするよう告知しておきます」
そう話を終えたところでマリベルが時計に目をやるとちょうどお昼休みの開始となる12時になろうかという時間であった。
「勇馬さんも一旦お昼休憩に入って仕事を再開されますか?」
何気なく聞いてきたマリベルに勇馬は静かに首を振った。
「いえ、今日の仕事はもう終わっていますのでこのままお暇します。お昼休みに入る前に確認をしてもらえると助かります」
「……えっ!?」
勇馬はまだ仕事の途中だと思っていたマリベルは驚きのあまり言葉を失うのだった。
ここが最新話です。
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