表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/15

ゲーム起動

 大正執事物語。


 何とも言えない表題(タイトル)だ。

 売る気があるのか?

 今時、こんな表題(タイトル)で売れるはずがないだろ!


 とか文句を言いたいが、俺の手元にこれがあるのは会社の先輩から貸して貰ったからだ。


「ビジネスマナーがなっていない」


 そう指摘されて貸して貰ったんだが、こちとら大学卒業したての社会人1年生だっつーの。

 まあいい、早速始め(プレイし)よう。


 遊戯(ゲーム)機本体に記録媒体(ソフト)投入(セット)して、起動させた。頭部端末(ゴーグル)手袋(グローブ)を装着したら、寝台(ベッド)へ横になって準備完了だ。


接続開始(コネクトオン)


 全感覚(フルダイブ)型としては今時珍しい、閉鎖(クローズ)(タイプ)遊戯(ゲーム)だが内容は至って簡単(シンプル)だ。利用者(プレイヤー)は執事として名家に勤め、お嬢様を育成して玉の輿を目指す。

 まずは自らの名前の入力を求められた。

 んー、本名でもいいが、ここは既存設定(デフォルト)にしよう。

「伊集院 令人(れいと)

 入力完了。顔立ちとか、全部既存設定(デフォルト)でいいや。面倒だ。

 次は、相棒(パートナー)女中(メイド)の名前?

 これも既存設定(デフォルト)でいいだろう。

千代子(ちよこ)

 これで良し。

 次は勤め先か、簡単(イージー)普通(ノーマル)難しい(ハード)と難易度があるんだな。

 初めてのゲームだし、簡単(イージー)にしよう。

 早速、ゲーム開始(スタート)だ。


「大正四年三月、令人は新任の執事として葉室(はむろ)家に雇い入れられた」


 ナレーション、いい声だな。この葉室家ってのは平安時代から続く貴族の家柄で、子爵家らしい。

 んで、育成する御令嬢が、京子(きょうこ)さん、十歳。

 メチャメチャ可愛いし、黒髪が和服姿に似合っている。

 おっと、お嬢様とは挨拶しかできないんだな。屋敷の奥に案内されて、ここが俺の部屋か。

「令人さん、無事に就職できて良かったですわね」

 相棒(パートナー)の千代子だ。彼女は設定上、姉ということになっていて、この令人と共に流れ(フリー)の執事と女中(メイド)をしている。

 手順解説(チュートリアル)が始まった。

 ゲームの流れは、毎日の午前、午後、夜の行動予定(スケジュール)を組んで、屋敷の運営と、お嬢様の予定に合わせることか。

 例えば自分自身の行動予定(スケジュール)として、午前中は屋敷で勉学に励み、午後はお嬢様のお迎え、夜は旦那様のお供。

 お嬢様は学校に通っているので、夜は自習や習い事をさせるなどして成長させる。

 このゲームでは執事自身にも能力値(ステータス)技能(スキル)があって、それに応じた行動しかできない。

 屋敷の運営では、食事の献立(メニュー)女中(メイド)の予定、庭師の手配なんかもある。かなり忙しくないか?

 まあ、取り敢えず相棒(パートナー)が組んでくれた予定で決定。


「おはようございます、旦那様」


 うおお、行動を決めると勝手に動くのか、ちょっと面食らったぞ。勝手にお嬢様の部屋まで移動するし。


「おはようございます、お嬢様」

「伊集院さん、おはようございます」


 京子お嬢様、かわえー。

 ん、何か光ってる、何だこれ?

 執事の慧眼(バトラーズアイ)

 使ってみるか。


 葉室 京子 十歳

 身長132.7cm 体重32.5kg

 B55.2cm W30.4cm H50.2cm

 筋 力 8

 体 力 8

 知 力 10

 敏捷性 7

 気 品 15

 色 気 7

 モラル 20

 信頼度 5

 攻撃力 8

 防御力 7

 芸術性 12

 礼 法 15


 能力値(ステータス)が見えるのか、これは便利だな、……と、お嬢様の体格(スリーサイズ)まで把握するとか、とんだ変質者(ストーカー)執事だぜ。

 つかこれ、絶対に目が光る演出効果(エフェクト)がついているに違いない。


「朝食のお時間でございます」

「はい、すぐに向かいますわ」


 十歳とは思えない物腰だな。このゲーム、こんな感じで半自動(セミオート)なんだろうか?

 画面の上に「自動(オート)」と表示されている。どうやら手動(マニュアル)にもできるようだ。この後、お嬢様を送り出してから自由時間(フリータイム)があるはずだから、その時に試してみるか。


「行ってらっしゃいませ、旦那様、お嬢様」


 使用人一同が玄関先で親子を見送る。ランドセルを担いでいたお嬢様、可愛かったな。

 さて、手動(マニュアル)を試してみるか。まずは自室に戻ろう。それからだ。


「令人さん、お仕事には慣れましたか?」


 千代子がやって来た。彼女の説明によると、初心者の為に自動(オート)の機能があるのだという。手動(マニュアル)にすると言葉遣いも全て地で行われるらしい。


本気(マジ)かよ」

「ほら、そのような言葉遣いでは解雇(クビに)されてしまいますわよ」


 現在の設定は手動(マニュアル)だから、俺の口調そのままで台詞(セリフ)になってしまうようだ。これは難しい。


「それから、持ち物に手帳があるでしょう?」


 持ち物、手帳。これか。

 開くと最初に千代子のプロフィールが掲載されている。


「その手帳は大切に扱って下さいね。出会った人や、新しく知ったことなどを書き記して、後で見返すこともできますから」


 パラパラとめくると、千代子以外にも葉室家の御令嬢と父親が掲載されていた。


「それと、これはお姉さんからの贈り物」


 手帳に栞が挟まる。その(ページ)を開くとそこには「お姉さんの特製オムライス」なるものが掲載されていた。


「新しい献立を知ったら、教えて下さいね。お姉さん、頑張って作りますから」


 千代子、可愛いよ千代子。

 ふと画面の端を見ると、例のアレが点滅していた。 

 これは使うしかない。


執事の慧眼(バトラーズアイ)


伊集院 千代子 二十五歳

 身長162.1cm 体重48.5kg

 B89.3cm W50.2cm H82.6cm

 筋 力 100

 体 力 120

 知 力 90

 敏捷性 115

 気 品 150

 色 気 100

 モラル 200

 信頼度 30

 攻撃力 110

 防御力 117

 芸術性 120

 礼 法 145


「そんなに見詰められると、お姉さん照れちゃうから……」

 心なしか頬が紅潮し(あかくなっ)ている。これってもしかして、体格(スリーサイズ)まで知られるのに気付いているのか?

 だとしたら……


……エロいな。

声の想定(ボイスイメージ)

伊集院令人  小林祐介さん

伊集院千代子 今井麻美さん

葉室京子   生天目仁美さん

ナレーション 宮野真守さん

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 千代子さんスタイル良い…… キャストの采配も乙女ゲー的な雰囲気がありますね。 大体想像できるので音声アリで読めそうです。
[一言] 悪役令嬢はどうなってしまうのでしょうか? ドキドキしながらまってます!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ