16錬金目、鍛冶師ギルドにインゴットを納品する
━━━━カイトside━━━━
錬金術師ギルドの炉の火炎石を補充してからというものの鉄と銅のインゴット製作の効率が上がり、鍛治師ギルドへの納品日まで余裕がある状態で納品数まで出来上がった。
純度の割合が80%が5割、90%3割、100%2割となっている。因みに100%は全部カイトが作製した物だ。
「す、素晴らしいです。皆さん、お疲れ様でした」
「「「「お疲れ様」」」」
本当なら純度100%を5割以上作っても良かったが、ルーシィに止められた。
流石に純度100%を、これ以上増やすと鍛治師ギルドが払えなくなる。
「カイトさんも鍛治師ギルドに一緒に来てくれませんか?」
「俺がですか?」
カイトが持つ鍛治師ギルドのイメージって強面な男達しかいなく頑固で客を値踏みするような感じである。
素直に言ってしまえば、行きたくない。
「ワタクシの【収納魔法】では、全部仕舞えませんので」
「そ、そうですか」
俺なら余裕で【収納魔法】に仕舞え込める。それが普通だと思っていた。
「流石は錬金術師最上職の黄昏ですね。【収納魔法】の容量が桁外れです」
「これくらい普通じゃないですか?」
「ワタクシなんて、この1/10しか容量がありません」
全部で700kgの1/10だから70kgか。それでも一般的な錬金術師が持つ【収納魔法】よりかは大分入る方だ。
「鍛治師ギルドに行きましょうか。あちらのギルドマスターには、既に連絡を取っております」
「今からですか?」
「はい、今からです」
【収納魔法】は物理的な重さは感じないが、大容量を出し入れすると精神的な疲労が生じる。
「ここが鍛治師ギルドです」
「ここが鍛治師ギルド」
錬金術師ギルドから徒歩で十数分の距離に鍛治師ギルドはあった。外にいても中から金属を叩くような金属音が聞こえる。
周囲には住宅や店はなく、職人が行き交うギルドしかない。
「こんにちは。キティーちゃんいるかな?」
扉を開けた早々、ルーシィが誰かの名前を呼んだ。金属音が響き渡る中で良く通る声がギルド内に響き渡る。
そのせいか、こちらに注目が集まる。ギルド内にいるのは見た通りに土精族ばかりで人間の半分程度しか背丈がない。
ただし、顔が強面で一斉に注目の的になるとビビる。出直したい気持ちが徐々に沸き上がってくる。
そう思ってると、クルクルと何かがこちらに飛んで来る。
「五月蝿いよ。その名前で呼ぶなと何回言ったら分かるんだい?」
「あっはははは、ごめんごめん」
受付の奥から出て来たのは褐色肌でオーバーオールを着ている女の子だ。背丈的に10歳位に見える。
えっ?この子が鍛治師ギルドのギルドマスター?
錬金術師ギルドにいる時よりもルーシィは何か楽しそうだ。それに飛んで来たハンマーを難なくキャッチしてる時点で、この人の強さの一片を知る事が出来た。
「それで何用だい?」
「インゴットの納品に来たのよ」
「うん?まだ納品日は、まだ先のはずだが?」
「みんなが頑張ってくれたのよ」
ニコニコと膨満な笑顔を振り撒くルーシィ。鍛治師ギルドのギルドマスターと知り合いらしく、早く納品出来る事によっぽど嬉しいらしい。
それに滅多に出来ない純度100%のインゴットが2割も出来たのだ。自然と笑顔が溢れるというものだろう。
「それでそのインゴットは何処にあるんだい?まさかルーの【収納魔法】で持ってきたのかい?」
「それは違うけど、この子の【収納魔法】に入れてるのよ」
「はん、そんな子供の【収納魔法】なんか高が知れてるってもんだ」
森精族や土精族から見たら人間なんて何処まで行っても子供だろう。まず、生きられる年齢が違い過ぎる。
「出して上げるから広い場所を用意してくれない?」
「良いだろ。もし、インゴットが発注した分がなかったらオレの言うことを何でも聞いて貰おうか?」
「良いわよ。その代わりに、そっちも同じ条件を聞いて貰うわよ」
ルーシィとギルドマスターと板挟み状態になってるカイトは早く帰りたいと内心では涙目だ。
「着いてきな」
鍛治師ギルド:ギルドマスター?の土精族の女の子に着いて行くと、エントランスよりも広い空間に辿り着く。
「ここなら置けるだろう。さぁ出しな」
「はい、これです」
【収納魔法】からカイトが全てのインゴットを床に置いた。塵も積もれば山となると言うように1t近い量のインゴットは壮観である。




