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卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!  作者: hikoyuki
3章 Crossing 重なる世界!

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第88話 ドラッグストア

 無事に30層を突破し、ダンジョンから脱出したら荷物整理の時間だ。


 ここまでの階層の宝箱とボスをフルコンプしただけあって武器や防具が山のように溜まっている。


 必ずしもいい装備が出てくるとは限らないが、こういう時間がハック&スラッシュの醍醐味!


 ぽいぽいと各々の【ストレージ】から山のように装備品が取り出されていく。モンスターのドロップはともかく、宝箱は1人1回開けられるようになっているので本来なら分配なんていらないんだけど、今回は入手したアイテムを【パーティストレージ】に入れておき、後で分配する取り決めだ。人によって欲しい装備の性能には違いがあるからね。


「呪われた装備は?くーるな呪われた装備はありますか?」


「種族特化装備が欲しいね」


「おいおい、ナウい装備と言ったら追加ダメージ装備だよ?」


盾役(タンク)としては防御系の装備とかないかなー?」


「私はお姉さまにあわせて水着が欲しいです♥」


----

>そういえば卍さん水着だったな


>慣れすぎて意識から消えてるよな


>呪われた装備を欲しがる妹ちゃんかわいい

----


「水着かい?ぱっと見た限りではナッシングのようだけど」


「残念ですわ……♥」


 明日香さんが水着を着ると配信がR-18になりかねないからやめてほしい。


 さて、ボクとしては炎属性に関する装備があるといいんだけど……。あるいはゴブ蔵が使える闇属性装備かな?


 とはいえ、そんな都合よくそれぞれの目的に沿った装備があるわけもなく、闇属性の強化装備こそいくつかあったものの炎属性の強化装備は0だった。


「見てくださいっ!呪われた装備ですよ!」


禁忌に触れし愚者の鎧

・それはMPを減少させる

・それはINTに50%のマイナス補正を加える

・それは感知能力を低下させる

・それは己が受ける妨害(デバフ)の効果を増加させる

・それはDEXに75%の補正を加える。


「う、うん。灑智がそれでいいならそれを選んでもいいと思うよ?」


「わーいっ!」


 破滅的な装備を選ぶ灑智と比較すると、ボクがゴブ蔵用に選んだ装備は実に常識的だ。


暗闇を流離う滅びのイヤリング

・それは闇属性に35%の補正を加える

・それは自身の死亡時に闇属性の追加ダメージを与える

・それはHPが0になった時にアンデッドとして転生させる


 【聖雷様】が落としたアイテムだ。いい感じに闇属性の効果が2つ重なっているのでいただくことにした。単純に闇属性強化としても便利なのだけど、3効果のうち、とくに2番目が強力だ。


「ゴブ蔵は死んでもすぐに再召喚できるから特攻させれば爆弾にできるんですよね!」


----

>クズ行為やめろ


>人道に反する最悪の発想


>最低ですね卍さんのチャンネル登録外します

----


 3つ目の効果はよくわからないけど、かなり強力な効果に見える。蘇生に類似する特殊な効果を及ぼすのだろう。テトリスさんに聞いてみたけれど、そんなことを言っていた。


 ゴブ蔵を召喚して早速イヤリングをつけてあげると嬉しそうにくるくると回転して喜ぶ。


 他のみんなもそれぞれ欲しい装備を選択して、残った装備は売却することにした。ランダム要素が大いに絡んでいる以上、大半の装備は使い物になるとは言えない効果なのだ。


「さて、無事30層を攻略できたわけだけど。次からは流石に【レギオン】がオヌヌメのエリアだ。俺たち以外のプレイヤーの習熟も待たないといけないし、本格的な探索はしばらく後の話になるだろうね」


 144人が前提の探索エリア……どんな魔境なのだろう。想像するだに恐ろしい。



 今日はもうこれ以上の探索は行わないということで【パーティ】を解散して別れることになった。


 とはいってもおっさんとテトリスさんが別れただけで、灑智とめりぃさん、明日香さんはこの場に残っている。


「んー。これから何します?」


「【A-YS】の探検をしよー!まだダンジョン以外よく知らないしねー」


「そうですわね。確か、『ドローン』みたいな機械が販売されているという話を聞きましたわ♥それも見てみたいです♥」


「えー!?『ドローン』って実質的な召喚モンスターじゃん!買い占めたいー!」


「お買い物回ですねっ。お姉さまがネタに困ったときの定番って言ってました!」


「ちょっと灑智!?」


----

>買い物回=ネタ切れなのか


>今度から買い物する度にディスられるなw


>変なアイテムが出てくるのは面白いからセーフ

----


「少なくとも今回はネタ切れじゃないですから!探検という重大な目的がありますから!さて、みなさん行きましょう!」


 要するに完全な行き当たりばったりなのだけど。そこら辺は勢いでごまかしましょう。


----

>行き当たりばったりかな?


>行き当たりばったり定期

----


「行き当たりばったりじゃないですって!」



 というわけでボクたちは町中を歩きつつお店を探す。まず最初に見つけたのはポーションの瓶みたいなマークの看板が取り付けられているお店、薬局だ。


 透過ドアをくぐって中に入ると店員さんは例によって存在せず、自動購入のレジシステムが稼働しているようだ。


 やっぱり【フォッダー】以外のゲームだとこんなもんだよね。とはいっても他のゲームだと見かけ上は人間の姿をしたオブジェクトを置くことが多いから、ここまで潔いシステムはなかなか見かけないけれど。


 やけに現代的な都市だけどやっぱりポーションとかあるんだねーと思って入ってみたのだけど、棚にはポーションがない。


 チューブに入った塗り薬とか粉末状の薬とか、そういうのがパッケージに入った状態で並べられている。


「あっ、見てみてー!注射器があるよー!戦闘中に使うのかなー?」


----

>戦闘中に注射打つキャラとか薬物中毒者にしか見えない


>薬物ダメ。ゼッタイ。


>刺してる途中で体当たりされて体内に針が残りそう


>こわいからやめてくれ

----


 説明を見てみたところ、液体の薬剤を使用するときにこの注射器を経由すると、その効果が大幅に増加するのだとか。何にせよ、怖すぎるのでボクはパスですね。薬物をキメている場面としてネットに晒し上げられてしまうかもしれません。


 適当に棚に並べられた薬類からスプレー缶のような薬を手に取って見てみると、ただの【消臭スプレー】だった。その隣に置いてあるのは家庭でもよく見かける【消音スプレー】。さらに隣にはテレポート用の【酔い止め錠剤】。


「もしかして、本当に普通のドラッグストアなんですか?」


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