表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!  作者: hikoyuki
5章 Communication 異文化交流と配信戦争!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

195/506

第189話 無職の神

 確定撃破コンボが完成したところで、動画は完全に同じことを繰り返すだけの作業配信になってしまったので、いったん閉じることにした。このまま見続けていても仕方ないでしょう。


「さてどうしましょう!あかりちゃんさん、あと5日くらいで倒されちゃいますよ!」


「5日なら結構余裕がある気がするけど……こうしちゃいられない!あかりちゃん、それまでに【女神】を倒しきるよ!絶対に!」


 あの莫大なHPは誰も時間内には削りきれないだろうなーと甘く見ていたけれど、5日かけて削るとか言い出す謎の人が現れた。そして「こいつは本当に5日かけて削るんだろうなー」と思わせるくらい説得力のある配信までやってのける。


 まったり頑張っていこうと思っていたボクの背中を押してくれる、最高のプレイヤーでした。具体的な時間制限があるというのもグッドですね!


「しかし、強い敵を倒すのではなく、DPSを叩き出す方法を探す、というのは割と新しい展開ですよね」


 家をぶつける方法については先程も考察したけれど、【アンカー】を使ってぶつけるのが1番丸い。けれど、完全に封殺していた先程の戦いと違って、【女神】様もあらゆる職業(クラス)のスキルを使って対抗してくるので結構難しい。


 それでも最適解を選んで戦っていけば、できないこともないかもしれないけど……もっと効率のいい、安定した戦い方が欲しいよね。なにせ全力で戦っても1日はかかることが見込まれるわけだし、【モーションアシスト】があっても集中力が切れてしまえばミスをしかねない。


「何かいい感じの戦い方はありませんかね?」


(AWP-002がくれた盾を使ってみるのはどうかな♥)


 AWP-002さんがくれた盾?そういえば、なんかもらってたんでしたっけ。【メモリシード】で作成した可動機能付きの装備で、たしか家を取り付けて相手の攻撃を防ぐ、というコンセプトだったような……。


 そうか。たしかにこの盾で突撃すれば、体当たり自体にそのまま物質干渉力を乗せられるんですね。ただし、それを装備しているボクの腕も同時に逝きますが。


(あれから考えてたんだけどね。その盾の可動機能って『家を任意のタイミングで外せる』っていうところに意味があると思うんだ♥)


 とがみんがその使い方について補足してくれる。明確な使い方そのものに関する説明ではないけれど……すぐに、その説明が何を意味しているのか理解した。なるほど、それはたしかに便利だ。そして、このゲーム中でも最強最悪の火力ソースとなり得る。


 となれば、これと同機能の装備を7人分用意して超火力で削っていけば、もしかすると1日かからずに【女神】を撃破できるかもしれない。


 たった今とがみんが教えてくれた戦術を、チャット機能を通じてあかりちゃんさんに説明する。さすがにこの戦術を堂々と配信で暴露すると、先に誰かに使われて【女神】を討伐されてしまうかもしれない。ボクたちの戦闘を通じて初公開するということで、チャット内容は公開しないまま、戦術に関して軽く話し合った。


「なるほど、今卍さんが【女神】を討伐するためのとっておきのアイディアを考えてくれたよ!さっそく準備して再戦してみよっか!」


「6人目のメンバーも確保しないといけませんね。どうします?ゆうたさんと明日香さんがこっちのチャットで自己主張してるんですが……」


「うーん、今回はこっちのメンツでいい?神が『【女神】との戦いに呼ばないとは何事か!』って連投してきてるんだよね」


「なるほど、【ダブル杯】であかりちゃんさんと組んでた人でしたっけ?かまいませんよ。職業(クラス)はなんですか?」


「無職だね」


「?」


「無職だよ。さすがのあかりちゃんもドン引き」


「えっと……あのときは少なくとも【ビショップ】と【ナイト】を持ってると思ってたんですが……?」


「あれは装備効果だよ。本人は無職」


 たしかに思い返すと、【ナイト】だと思っていたのは重装備からの推測であって、実際に使っていた攻撃スキルは1つで【ビショップ】のスキルも2つ程度。たしかにあり得ない話ではない。けど……。


「メリットはあるんですか?」


「ステータス増加は一応、あらゆる職業(クラス)の中でも最上位みたいだよ。でも、メリットは関係ないね〜。仮にも神である自分が【女神】に祈りたくない!だって」


 すごいですね。これまで見てきた中でも最強のロールプレイヤーじゃないですか?さっそくお呼びしましょう。



「我は神だ。質問あるか?」


----

>神を自称する無職


>かっけえ……


>狂ってやがる……

----


「神様、本日はよろしくお願いしますね!」


「頭を垂れよ」


 そう言われたのでぺこぺことお辞儀をすると、それだけで満足したらしく、「頭を上げよ」と言ってくださった。


 少しばかり尖ったタイプのプレイヤーだけど、まあ1億円を課金したり、人体を改造したりするようなプレイヤーと比べれば常識的だ。「教義はありますか?」「信者はいますか?」と軽く雑談をしていたら、すぐに仲良くなれた。


 さて、新たなる【パーティ】メンバーを加えて、それからは準備に奔走する。まずAWP-002お手製の盾と同性能のアイテムを量産し、メンバーに配布する。さらに戦術に対応した【マクロ】を構築したり、余った時間でスキルの検証を重ねていく。


 ついでにとがみんが作った最強のうさみみ帽子も借りておこう。うさぎの耳にフィットするように取り付けられる仕組みになってはいるけれど、帽子である以上、人間でも取り付けられるからね。


 最後にレベルの低いアリンドさんを軽くレベル上げして、これで準備完了!


 再び【女神】へ挑みますよ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
▼ 他のオススメ作品 ▼
【VR】ブレイブファンタジー【神ゲー確実】
掲示板形式で進む謎のVRMMOモノ。
結月ゆかりは画面を見つめる
VR全盛時代に古きを貫こうとする謎の二次創作モノ。
サキュバスさんがおうちにやってきた
平和な謎の日常コメディモノ。
これが僕らのMMO!
現実のMMOを主題とした謎のエッセイ。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ