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卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!  作者: hikoyuki
4章 survival 超次元の生存競争!

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第148話 カードバトル

 というわけでやってきました、【カードバトル】の試合会場です。ルールも知らないし対戦したこともない謎のゲームをプレイするために、ここまで頑張って来た甲斐がありますね!


 まだ開催時間には少し早いので誰も集まっていません。【サバイバル杯】とは大違いですね。ひとまず手に入れた【カード】の効果を眺めつつ、人が集まるのを待ちましょうか。


----

>くっそ過疎ってんな


>なんか気づいたら寝てたんだけど勝敗どうなったの?


>俺も覚えてないけど卍さんが勝ったらしいよ


>卍さんが第二人格を覚醒させたところまでは覚えてる


>第二人格を覚醒させないと勝てない敵とか卍さん以外勝てないじゃん


>Multaでよくね


>相手はMultaの上位を自称してるのに普通にMultaで対抗できるのか……(呆れ)

----


「いや、あの戦いは実は水面下でさまざまなテクニックが活かされていてですね……」


 【モーションアシスト】で人類が進化する!なんて言っても信じてもらえるかな?でも、ボクが《『心眼』》に覚醒したときは他の人もいろいろな方法で敵を観測してた気がするし、実体験も合わせて信じてもらえるかも。


 とはいえ、今からそんな話をしても面倒くさいことになるだけなので、後日あらためてということで。今は【カードバトル】に集中しましょう!


「しかし、人が全然来ませんね。どうしちゃったんでしょう?」


 待てど暮らせど観客はおろか、参加者すら来ない。この【カードバトル】に参加しようとしていたプレイヤーは少なからず存在していたはずだけど……開催時間を間違えちゃったんでしょうか?


 何か失敗をしてしまったのではないかと冷や汗をうっすらかきながら待っていると、ついにやってきた!あれはメグさんですね!


「メグさんこんにちは!」


「こんにちはなのですー。おや、卍さんだけです?」


「そうなんですよ。みなさんどうしちゃったんでしょう?」


 メグさんに聞いてもわかるわけないか。


「……」


 しかしメグさんはなにやら心当たりがあるご様子でボクから目を逸らし、あさっての方を向きながら「うーん、です、どうしちゃったんでしょうねーです」などと崩壊した口調でとぼけはじめた。


「……もしかして」


「………」



【参加者無し ゲームセット WIN:卍荒罹崇卍】


「うわぁあああああ!なんですかこのオチ!!」


 もしかして、みなさんは【カード】を集めきれなかったということですか!?


----

>草


>草


>何だこのクソチャンネルは!!!!


>不戦勝で優勝する配信奴おる??


>これ絶対クソゲーだろ


>卍さんAIから貰ったカードで参加権を得て優勝とか恥ずかしくないのか???


>生まれて初めて笑った


>卍さんのおかげで感情を取り戻した人がいるぞ。よかったな


>もっと親の顔笑って


>笑われる親御さんかわいそう

----


「ごめんなさいなのです。次の大会までには揃えておくのです……」


「いえいえ、いいんですよ。また今度対戦してみましょう!」


 とはいえ【サバイバル杯】から続く不戦勝の嵐。運がいいのか悪いのか。少なくとも配信としては今日一日を通して最高に締まらないオチになってしまったことはまず間違いない。


「まあ、今日の目標はこれで全部達成ということで!見ていてくれましたよね、みなさん!」


----

>そういえば本当にサバイバル杯で卍さんが勝ったの?


>証拠として動画挙げてよ


>全く覚えてないんだけど絶対嘘松ですわ


>俺の方でもAIの人と戦ったけど勝てたよ。お友達になった


>視聴者でも勝ってるというのに卍さんときたら捏造か?

----


「ちょっと!待ってくださいよ!忘れちゃった人が悪いんでしょう!編集して動画を上げるから待っててくださいね!最後のほうはちょっとカットしますけど」 


 ボクがそう言うとカットするなんてやましいことがあるに違いないだの無修正で上げろだのコメント欄は大盛り上がり。全部上げたら、また都合よく記憶が消えちゃうでしょ?そもそも本当に忘れてるんですか?騒動があったのはAWP-002さんを倒した後ですよね?


「うるさいうるさーい!とにかくボクは勝ったんです!今日の配信はこれで終わり!別にAIが本気出しても人間は勝てます!それではまた次回お会いしましょう!」


 強引に配信を切ってログアウトする。早く戻って対戦の動画を上げておかないと何を言われるかわかったもんじゃありませんよ。


 ゲームから離脱して急いで『VRステーション2』から出ると、灑智が出迎えてくれた。


「おかえりなさい、お姉様。動画の編集はすでに完了していますよ」


「ありがとう灑智!……あっ、ちなみに灑智は【サバイバル杯】どうだったの?」


「残念ながら、負けちゃいました……。ゆうたさんが強くて」


「そっかー。また次は頑張ろうね!」


「はいっ!」


 今回はボクにとって特に重要なイベントだった【サバイバル杯】だけど、【フォッダー】というゲームにとっては特に大きなイベントではなく、これから毎週開催される定期イベントのひとつだ。


 何度か挑戦すれば運によって優位に立てるかもしれないし、逆に上級プレイヤーでも運が悪ければ簡単に脱落する。それが【サバイバル】。灑智にはこれに懲りずにまた挑んでもらいたいところです。


「あっ、そういえばお姉様にメールが届いていましたよ」


「そうなの?なんでしょう。コラボ申し込みとかですかね?」


 あるいはユーキさんからのお手紙かもしれませんね。なんにせよ見てみないことには始まらない。早速メールボックスを開き、新着のメールを見てみると、差出人の名前は……っと。


 AWP-002さん。


 わざわざゲーム内のメッセージではなくメールを送ってきたらしい。ちょっと怖いですね。報復でウイルスとかがどっさり詰まってるかも?


 念のためにセキュリティスキャンを3つのアプリで走らせ、一応問題ないことを確認してから、恐る恐る開いてみると……。


『ウイルスは入ってないので、そんなにスキャンしないでもらえませんか?』


「読まれてる!?」


 ボクが必死にスキャンしてたのを見てから文面を変えたわけじゃないよね?ユーキさん、AIは人の思考を読めないって話はなんだったんですか?


『本日は対戦ありがとうございました。腹立たしい気持ちでいっぱいです。本当はこのメールにも直前までウイルスを添付しようか悩みました』


「ほら!?ボク悪くないよね?スキャンしないと危なかったよきっと!」


「お姉様、メールの文面に1行ずつツッコミを入れないでください」


「はい」


『私の他にもさまざまな同志があの戦いには参加していたのですが、結果を見るとまさに五分五分といったありさまで、完全に私たちの作戦は破綻していました』


 ほえー、そうなんだ。他のところでも普通に勝ってたんだね。あんなに人類の危機!?みたいな感じでユーキさんに煽られたのに。他のプレイヤーも頑張っているんですね。


『なので、あなたの努力は無意味でした。仮にあなたが負けても結果は変わらなかったと演算の結果が出ています』


「いちいち刺々しいね!?」


「お姉様?」


「はい」


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