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卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!  作者: hikoyuki
4章 survival 超次元の生存競争!

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第105話 ギルド結成 2

 次の日、いつものように【フォッダー】にログインすると、衝撃の事態が発生していた。


「【ギルド】メンバー数、15200人……?」


----

>貢献点稼いでおいたぞ


>感謝しろ


>ギルドスキルはよ


>軍隊かな?

----


 どうやらちょっとログアウトしている間にメンバーの方々がメンバー上限を拡張しておいてくれていたらしい。とはいえメンバー上限が拡張されたからといってそれだけの数の【ギルド】員が加入してくれるかというと、それはまた別の話だと思うのだけど……。


「ああ、【ギルドスキル】って役職持ちじゃないと発動できないみたいですね。試しに発動してみますね。30分間の未鑑定装備のドロップ率アップとかでいいですか?」


 などと言いながら【ギルドスキル】の一覧を見てみると、必要な貢献点はだいたい4桁のようだ。で、現在の所持貢献点は……6桁……?


「すでに常時発動し続けてもお釣りが来るくらいなんですけど、大丈夫なんですかね?」


----

>ギルドメンバーが多いほど貢献点が稼げる→より多くの恩恵が得られる→メンバーが増える→さらに貢献点が稼げる→過疎ギルドが崩壊する


>ギルドシステム終わったな


>ギルドバトルってメンバー全員参加できるんだっけ?


>15000人で30人くらいのギルドを蹂躙するクソゲー来たな


>マジかよ卍さんのギルドに加入するわ

----


 ボクがそんなことを言った途端、急速に加入申請が再び押し寄せてきた。幸いにも枠は空いているので問題はないのだけど、加入を許可していくごとに貢献点も恐ろしい速度で増していく。


「えっと……経験値増加とステータスアップも適用しておきますね」


 とりあえず貢献点の量的には常時適用で問題ないようだが、30分ごとにボクがかけ直すのもつらいし、ボクがいないときに使用できなくなってしまうので、何人かのメンバーに【ギルドスキル】を使用できる役職を付与しておく。


「おねえさま♥今日はなにをしますか?」


「昨日は結局【ギルド】のメンバー枠増設のためにずっと狩りをしてましたからね……。今回は【ギルド】機能でできることについて調べてみましょうか」


 もうアップデートがあってから3日は経ってますし、ネットでも大まかな仕様は載ってるんですけどね。


 その中でも面白い機能として、【ギルドハウス】を作成する機能がある。これは通常の【ホーム】機能よりもさらに踏み込んださまざまな拡張が行える便利な拠点らしい。


 もしかしたらこの【ギルドハウス】も〈ホームタクティクス〉の起点として扱えるのかもしれないけど。さすがにこれは事実上の公共施設。15000人ものプレイヤーが有効に利用できる便利な拠点として街に置いておきたい。


「というわけで、今回は【ギルドハウス】に手をつけてみようと思います!」


「どこに建てるんですか?♥」


「うーん、そうですねー。【ガベジー荒野】に建てましょうか。【ホームリターン】の拠点としても使えることを考えると、利便性が高い気がしますし」


 【ガベジー荒野】は他の主要な街と違い、交通の便が非常に悪い。にもかかわらず固有の有用施設がいくつもあるものだから、そこに一発で移動できるのは非常に便利なのだ。毎回【コールグループ】で呼んでもらうのも悪い気がするしね。


 そんなことをのたまいながらも【ギルド】メンバーに【コールグループ】で【ガベジー荒野】に呼んでもらい、さっそく建てる場所を探す。


「【訓練場】の近くは……完全に家が乱立してますね。他にもっと立地条件がいいところはないでしょうか」


「そういえば、【ガベジー荒野】には特殊な施設が複数あるんですよね♥【訓練場】以外は存じませんが、なにがあるのでしょう?」


 あたりをきょろきょろと見渡しながら施設を探す明日香さん。確かにボクも【訓練場】以外の施設にはあまり訪れたことがありませんでしたね。


 配信でもそれらの施設について触れたことはなかった気がするので、ここらで触れておこうか。ボクは遠くに見える建物を指さしながらガイドさん気取りで解説を始める。


「例えば、【訓練場】より少し北に密集地帯がありますよね?あれは【カジノ】です。絶対に当たらないと評判なんですよ。」


----

>当たりにくいならともかく絶対当たらないのか……(呆れ)


>クソ施設すぎて草


>なんでそんなクソみたいな建物が密集地帯の核になってるんだ……

----


「コインはお金で買えますからね。ちょっと高いアイテムショップみたいなものですよ。で、その隣にあるタワー型の建物。あれは【ライブラリー】。圧倒的な数のゲーム内書籍が置いてあるそうです。現実(リアル)において著作権が切れた本なども置いてあるらしいんですけど」


 理論上は【ライブラリー】の本を読破すればゲーム内のあらゆる仕様をつかむことができると言われている。そんなことできれば苦労しないけどね。


 直接的なヒントなんてなくて、あくまで物語から読み取るしかないとかそういうレベルのばっかりだし、本当にすべてがヒントになっているというわけではないから調べてみて肩透かしだったりすることもあるし、ヒントであると気づけないことも多いらしい。


「それであの建物は——うん?あの建物見たことないですね。密集地帯にもなってないようですし」


 ぽつぽつと家は建っているのだけど、他と比べるとやけに少ない。まるで最近できたばかりのような……。もしかして、アップデートで追加された新規施設なのでは!?


 そんな推測を立てたボクたちは、やけに透明感のある豆腐型の巨大施設に近づいてみる。


「これは……なんでしょう。【植物園】?」


 透き通ったガラスから中を覗いてみると、荒野と呼ばれるようなマップには似つかわしくない大自然が広がっている。


「【ガベジー荒野】は、いろいろとSF要素がありますからね♥かつての古代文明の方々が種の保存をしていたエリアとかでしょうか♥」


「あー。ありがちですね、そういうの。とりあえずどういう施設かはわからないですけどここに【ギルドハウス】を建てておきましょうか。どうせ他の施設とそこまで距離があるというわけでもないですし」


 【ギルドハウス】はプレイヤーメイドの建物とは違い、申請を行うだけで簡単に建造できる。また、その外装や内部構造も貢献点を消費して拡張を行っていくようなので、某猫っぽい店員さんのお世話になる必要はないのだ。


 というわけで【植物園】のすぐ隣の土地を購入し、メニュー画面からどかんと【ギルドハウス】を設置した。


 やはり【ギルドハウス】も【ホームリターン】ならぬ【ギルドリターン】の対象物件として扱えるようで、建てた瞬間からぞろぞろとギルド員の方々が瞬間移動でやってくる。


 とはいえとても15000人ものユーザーが利用できる建物とは思えないサイズだ。貢献点を消費してドカドカと規模を増築していくと、隣の植物園と遜色ないサイズの巨大なお城になった。


 これでもまだまだ貢献点は余っている。やっぱり数は力ですね。零細ギルドの方々は果たして大丈夫なのかちょっと不安。


「のりこめー!」


「わぁい♥」


 というわけで門を開けて中に入ってみたのだけど。中は空っぽ。外観だけ大きくして内装を忘れていました。

 

 内部の施設もやはり貢献点を使って解放できるようだ。【ギルド】のメンバー全員が利用できる便利施設のようなので、最高級の鍛冶場や特別素材が販売されるNPCの派遣店員、特定のエリアまで一瞬で飛べるワープ魔法陣やギルドダンジョンなどを設置して模様替えに勤しむ。


 夢中になって他のプレイヤーたちと一緒になって模様替えしていたら、いつの間にかとんでもなく時間が経過していたので泣く泣くログアウトした。



 そして次の日。



「ギルドメンバー256070人……?」


テクニックその72 『軍団ギルド』

【ギルド】はメンバーが多ければ多い程に貢献値が溜まりやすく、システムの恩恵を受けやすくなる。

それならばとりあえず一番人が多いギルドに入ったほうが良いですよね。

上記の理屈によりギルドのプレイヤー数が極端に偏ってしまうという恐るべき仕様です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 上限が設定されてないのアホすぎて草生えますわ〜
[一言] 凄いことになってらしゃる!?wwww
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