警備隊と兵士について
「上手く入れられなかった設定をだらだらと並べるだけじゃ、面白くないじゃない」
「だから面白くないものを無理矢理それっぽく見せるの。死体を隠すには山の中ってね」
「そもそもマティウス君が、ちゃんと説明してくれないのが悪いんだからね」
「とにかく、さっさと説明しちゃうわよ。じゃあここはまず、アレクお願い」
「わかった。本編で『警備隊』や『城の兵士』という単語が出てきたと思うのだが――」
「結構な頻度で出てきたな。これらに『ん?』と思った人もいるかもしれん」
「その通りです。わかりやすく言い換えると、城の兵士は公務員。警備隊は民間企業と言ったところだな」
「世界観ぶち壊しすぎだろその名称!? っつーか伏字が仕事してねえ!」
「そしてオレとマティウスが属しているALS○Kは、かなり大規模な団体で力もある」
「だからALS○K言うなや……。ちなみに警備隊ができた経緯は、2話と17話で軽く触れてるぞ」
「ならばそれは割愛しよう。国は警備隊に絶対の信頼を置いており、城の中の重要な警備も警備隊が努めているというわけだ」
「小学校の校長に、民間出身の人間を採用するのと似た感じかしら」
「お城の兵士さんのお仕事は、城門の警備とか見回りとか、そういうものばかりだものね」
「人も結構いるのよね? マティウス君とアレクも警備隊の人間なのにお互い知らなかったし」
「一人の隊長が、大体二十~三十人くらいをまとめている。それが一つの隊だ」
「隊が違ったら、ほとんど他の隊の人間とは会わないことになるな」
「そういえばお前のところの隊長は、いい加減な奴で有名だったな」
「え、そうなのか? でもおかげで俺はティアラの護衛になれたわけだし、それはまぁ、別に良いんじゃね?」
「ほほぅ。マティウス君も結構いい加減なのは、その隊長さん譲りというわけね」
「言っておくけど、俺は仕事は真面目にやるタイプだぞ。お前の方がよっぽどいい加減だろうが!」
「本当に真面目な人間は、仕事中に惚れ薬とか飲ませないと思うの」
「な、何でもない! 何でもないからな! 心の底から地の果てまで本当に何でもないからな!」
「動揺しすぎて例えがよくわからんものになっているぞ。で、惚れ薬って何の話だ?」
「ちょっと俺外を走ってくるわ! 最近体が鈍っているような気がするし! じゃ!」
「そういえば、アレクはどうして警備隊に入ったの? 女性で警備隊に入る人ってかなり珍しいよね」




