夜会後の会議
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周囲をざわつかせた夜会も終わり、重要人物たちだけで行う会議に出席している。ここには、ミッチェルハーロウ公爵、バズビーテイラー辺境伯、マクファウスト侯爵、マリンネグロ侯爵、マクラーレン侯爵が集まっている。第2王子は居ない。居たら居たで困るからな。秘密の会議だ。居てくれとも思わないが。今は既に第2王子が王城に帰っており、到着次第、各派閥の長に連絡文書を送る事になるんだろうと思う。
折角大魔境を順調に開拓していたというのに、急遽方針転換せざるを得ない状況になる訳なんだが、ご愁傷さまと言わないとな。開拓に成功しても、その後に潰されたら元も子もないのだ。こちらの情報を偽情報として受け取るという事はしないとは思うが……。その判断は、他の公爵家がすることだからな。俺たちがどうのこうのと言う事はない。
「しかしだな、ミッチェルハーロウ公爵よ。先に情報が欲しかったぞ。それであれば準備は万全に整えられたのもを。4か月も失ったと言うのは大きいぞ。判断としては間違っていないのか? 少なくとも私の所には情報が欲しかった」
「バズビーテイラー辺境伯が言うのももっともなのだが、実は大厄災の未来予知では、ハースベック王国はそこまでの被害が出ない予知なのだ。準備もしっかりとしてもらう予定では居るのだが、一番被害が出ると思われているのはラスコシッラ公爵派閥なのだ」
「となると、隣か。なるほどな。王族の部隊をどうするのかと言うのは、ラスコシッラ公爵派閥の援軍に行かせる予定なのか。だが、北は良いが、東と南はどうなのだ? 前例を考えると、南という事は無いとは思うが、東側は解らんぞ?」
「それについても未来予知の結果は悪い訳では無い。多少の被害は出るものの、北側よりはマシだと言う事になっている。煽りはしたが、現状の守備体制でこちらの派閥は何とかなるのだ」
既にミッチェルハーロウ公爵もバズビーテイラー辺境伯もマクファウスト侯爵もマリンネグロ侯爵も代替わりが終わっており、比較的若い当主による話し合いになっている。主導権を握るのは、ミッチェルハーロウ公爵とバズビーテイラー辺境伯であり、そちらでどんどんと話を進めている。
「とはいえ、未来予知も絶対では無かったはずだ。未来は変わるという事が言われている。まあ、悪化する様な事には滅多にならないとは聞いているが」
「それについても、各勇者が小さな厄災を撥ねのけていけば、未来は少しずついい方向に変わっていくという話だったか。この国では勇者は3人。他の派閥の事は解らないが、少なくとも3人居るのだから、大きく負ける様な事は無いのではないか?」
「マクファウスト侯爵、マリンネグロ侯爵よ。その考え方は危険だ。悪い方向にも行く事を想定しておかなければならないだろう。勇者も負けることはあり得る。その結果、悪い方向にころがる事もあるのだ。その辺は考慮しておくべきだろう」
「ですわね。絶対がない以上、何が起きても大丈夫なように体制を整えておくべきでしょう。バズビーテイラー辺境伯の言う通り、こちらに事前に通達してくだされば、よりよい未来を掴めたのではないですか?」
「マクラーレン侯爵の言う通りだぞ、ミッチェルハーロウ公爵。勇者を信用しない訳では無いが、準備は出来る限りしておくべきだと思う。寄子たちは、まあ仕方がない。兵を出せと言っても、内政が不安定のまま兵を出すわけにもいかないだろうからな。だが、ここに集まっている5家は、主に兵を出すのだ。それなりの通達は欲しかったがな」
「そうか。こちらとしては勇者を信用していたからな。それについては謝罪しよう。だが、考えても見て欲しい。まだ3年もあるのだ。準備は出来る。兵士の増強と冒険者の囲い込みを行ってもらいたい。そして、時期がくれば大移動をしてもらう事になる。後方の憂いは殆どないと思ってくれてもいい。魔物の大氾濫が起きている状況で、魔境からのスタンピードは無いと考えてもいい」
「いや、それは不味いだろう。少なくとも備えていなければいけない。家は主戦場になるから良いが、他の家にとっては死活問題になりかねん。補給の問題もあるしな。何年続くのかが解らないんだろう? そこまで解っているのであれば、夜会で公開したはずだからな」
「ですわね。私どもも2割は兵を残します。緊急時に動ける体制は作っておくべきでしょう。それこそ、派閥の垣根を超えた協力体制が必要だろうとは思いますが、どうでしょうか?」
「それも必要だろうとは思うが、話を付けておくだけで良いだろう。こちらで対処できないとなっては借りを作ってしまう事になる。現実的には動けないだろうな。領界であれば軍を動かしても良いのだろうが……」
「だろう。マクラーレン侯爵の言いたいことは解るが、私もマクファウスト侯爵の意見に賛成だな。それに、自派閥内では協力しても問題無いのだ。それで乗り切るしかあるまい?」
「私たちはどうにでもなるのですが、寄子たちですわね。引き抜いたところでは、まだまだ兵士が足りていないのが現状ですから。それに、引き抜いたばかりの寄子たちにはポーションの作り方も教えてないですから」
「あー、なるほどな。寄子を増やしていたらそうなるのも無理は無いか。だが、裏切った派閥から助けを貰うのはどうなのだ? いくらなんでも都合が良すぎるように思うが?」
「派閥の垣根を超えるのは良いが、限度は守れと言う事なのだろう。派閥が違っても仲のいい貴族家があってもおかしくはない。……まあ、ミッチェルハーロウ公爵派閥と仲がいいと噂をされれば、どうなるのかは目に見えているが」
でしょうね。ラウレーリンも無理だと解っているけど、最終手段として取ってもいいかどうかの確認だろうな。無理なのは解っているがって感じだ。
無理でも何でも、協力をしないといけない時は来てしまう。それは避けられるのかと言われたら、避けられないだろう。大氾濫時にスタンピードが起きないという保証は何処にもないのだから。自衛できるのであれば良いが、出来ない場合は他派閥を頼るしかない。
出来る限り、自分たちで何とかするのは最低条件なんだけどな。出来ないから助けを乞う訳で。そんな事態にならないことを祈るしか無いんだよな。
「とりあえずは、第2王子から連絡が行くと思われる。それ次第だな。北側からくるのであれば、派閥単位で動ける。最低限度の兵数を残し、全力でバズビーテイラー辺境伯家の領地を守る。これでとりあえずの方針は良いか?」
「異議なしだな」
「無論だ」
「承知した」
「解りましたわ」
「では最後に、悪魔をどうするのかだ。マクラーレン侯爵家では戦闘経験があるそうだが、どうなのだ? 勇者でなければ倒せないと言うのは本当の事か?」
「本当でしょうね。事実、こちら側の攻撃は回復されたとの事です。戦闘中にです。ハインリッヒが指揮を執り、精鋭30人を当てましたが、それでも圧倒され、結局は勇者が来るのを待つだけの事しか出来なかったそうなので」
それは一部嘘だな。勇者しか倒せない訳では無いらしいが、特殊な何かをしないといけないのは事実。そして、それが出来たフランチェスカも勇者になってしまった。現状では手はないが、方法としては無い訳では無いという事だ。選択肢として採れないので、無いのと変わらないのだが。
「うーむ。魔物の相手はいつも通りにしていれば何とかなるだろうが、悪魔か。情報通りであれば、とんでもないものが出てくるわけだ。しかも勇者しか倒せないときた」
「聖剣しか効果が無いとなると、時間稼ぎしか出来ないか。勇者が多ければ考えなくてもいい話なんだろうが、10人しか最大でも産まれないという話だろう?」
「何処まで本当の事なのかは解らないがな。教会が言うのだから、嘘ではないだろうが、本当の事は神にしか解らん」
「打つ手なし、という所だろう。時間稼ぎをしている内に、勇者が来てくれることを願うしかない。一応だが、勇者はミッチェルハーロウ公爵派閥に縁のあるものが3人も居るのだ。誰か1人は助けに来てくれるだろう」
「そう考えるしか無いだろうな。では、3年後、戦力を集めて迎撃に向かうように。出来れば4月には配置について欲しい所だが……」
「無茶を言うな。私の所は良いが、飛び地からも呼び寄せる関係上、遅くなるのも仕方がない。出来れば4月、遅くても8月という事にしておいてくれ。それまでは何とか耐えて見せよう」
皆で出来る事をするしかないよな。出来る事って言っても、少ないんだけどな。




