夜会で重大なことが発表される
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馬車で揺られてミッチェルハーロウ公爵家の領都であるヴァイスホルトにやってきた。既にヘリコプターが何機か止まっている。早い所は到着しているらしい。
流石に庭を改造してきているな。本来であれば、庭師の俺の仕事みたいな感じなんだけど、本職ではないからな。俺はパッシブスキルしか育ててないし。
部屋を用意してもらい、準備は出来ている。いつでも夜会を始めてくれて良いんだけど、この時間で情報を集めるのが吉。今回の夜会で何を話し合われるのかを予想する段階となる。情報を持っている貴族家は持っているからな。
特にバズビーテイラー辺境伯家やマクファウスト侯爵家は情報を持っている可能性が高い。なので、繋がりを利用して接触してみたんだけど、こちらの望んでいる通りにはならなかった。何処も情報を持っていないのである。
これは流石に予想外だ。知っている家が1つか2つはあるだろうと思っていたのだが、なんと結果は解らないという事になった。
事態はどうやら思っていた以上に重いらしい。そう考えて夜会に臨んだ。勿論、ロレシオやエミリア、クラークにラッテにも情報を共有し、ある程度の事は知ってもらった。
初めてのお披露目でもあるので、緊張はするだろうが、目を鍛えろと言う事も言ってある。まあ、俺よりは解っているとは思うが、一応な。
「しかし、何処の貴族家も大分余裕が出てきたみたいだな。特にお腹周りが成長している。食事がいい方向に動いている証拠だな」
「そうね。前回は酷かったもの。着ている服も殆どが新調されているわね。良い傾向だわ。寄子たちにも同じことをしないといけないのだけれど」
「それは後からだな。今回の後の会議でどうなるのかだろう。少なくとも悪い事にはならないはずだもんな。……それに関しては、だけど」
「ええ、特大の問題が出てくるはずだもの。その様な些事は簡単に通ると思うわよ。でも、王族が来るとは言っていたけれど、まさか第2王子とはね。そこも予想外と言わざるを得ないわね。そうなってくると、あの噂が現実味を帯びてくるわ」
「ん? 第1王子には何か噂があるのか? ラウレーリンが知らないって事は、無能って路線では無いと思うんだが……。それなら知っていてもおかしくないもんな?」
「そうね。……第1王子は、何かの病に侵されているって話なのよ。それで既に表舞台に立てない状態みたいね。ここに来ていないと言う事は、そういう事なんでしょう」
「じゃあ、実質の次の国王は、第2王子になるって事なのか? でも、その噂って何処まで信用できる噂なんだ?」
「かなりの眉唾だとは言われていたのよ。現に何度も第1王子が出て来ていたらしいから。けれど、この集まりに来ないと言う事は、本格的に不味い状況になってきたのでしょうね。次期国王は第2王子で決定じゃないかしら?」
「そこまでか。……病気ってなんなんだろうな? ポーションで治るのであれば治せるが、治らない病気もあるからな。それこそ、薬師の出番なんだけど、それでも無理となると、本当にどうしようもないんだよな」
「そうね。どうしようもないから、第2王子が出てきたのでしょうね。治るのであれば、マクファウスト侯爵家か、私たちマクラーレン侯爵家に話が来るはずだもの。ミッチェルハーロウ公爵家からね。流石にあそこにはアムリタの情報までは抜かれていると思うから」
「だよな。流石に抜かれててもおかしくはないよな。作り方も解らないとは思わない。こっそりと作って居る分には構わないんだけどな。大量生産が出来るのは、マクファウスト侯爵家とマクラーレン侯爵家だけになるんだし」
「そうね。大量生産が出来なければ意味がないもの。でも、ミッチェルハーロウ公爵家から第1王子には接触している筈よ。それでも無理だったのであれば、諦めるしか無いと思うわ。始まるわね」
そう言うと、ミッチェルハーロウ公爵と第2王子が壇上に登った。……バズビーテイラー辺境伯は居ない。という事は、情報を洩らさなかったのではなく、本当に知らなかったんだな。という事は、新情報なのか、余程機密をしっかりとしていたかだな。
「諸君。今宵は集まってくれてありがとう。久々の夜会だ。楽しんで欲しいと思うのは山々なのだが、こちらでとんでもない情報を手に入れた次第だ。故に緊急で集まって貰った。だが、我々も進歩している。今までとは違い、移動の速度が格段に上がっているのだ。諸君らもヘリコプターを使って空を飛んできた筈だ。近くの家に関しては、馬車で来たかもしれないが、格段に移動力は上がっている。これは大きな進歩であると共に、大きな力となるだろう。魔道具の可能性を広げられたのだ。それは素晴らしい事だとは思う」
まあ、移動手段にしてはそうだよな。ヘリコプターがあるのとないのとでは、雲泥の差が出る。少数しか送れないが、少数を送る事に意味がある。大規模運用は難しいが、精鋭で作られた特殊な部隊編成で後方かく乱を狙えるからな。
それよりも、とんでもない情報を手に入れた方が問題なんだけどな。そっちを聞きたい。緊急で集まったのはその為なんだからな。何が出てくるんだろうか。
「事の発端は、大魔境の開拓中にあった。大魔境の開拓中に、冒険爵を持つ者が、神と接触し、聖剣を受け取った。つまりは勇者が誕生していたことになる。それも何年も前にだ。冒険者もそれを隠していた訳では無いそうだが、自分が勇者であるとは思っていなかったそうだ。だが、その者は勇者となり、あちこちで魔物を討伐している。そして、その後だ。2人目の勇者が生まれた。それはこちらでも情報を貰っていた。不吉な予感がしていたのだが、もっと大きな厄災が近づいてきている。この年始に、我が公爵家の冒険者の1人も勇者になったのだ」
……3人目の勇者だと? 本気で言っているんだよな? 兄さんは放置しておくとしても、フランチェスカが勇者になって、その次の勇者が現れた? 同じ国で3人も勇者が生まれるものなのか? ちょっとその辺りの情報を知らないから、どうしようも出来ないんだけど。
「諸君らも聞いたことがあるだろう。勇者とは10人しか存在できないのではないか。神が10柱しか居ないのだ。なればこそ、10人の勇者が居る筈だと。だが、3人も同じ国から勇者が出たと言う記録は、過去を遡っても無い。いや、そもそも勇者が複数誕生したという記録は、1500年程遡らなければ無いのだ。それは過去の大氾濫の時だ。そこまで遡らなければ、勇者は複数現れていないとなっている」
という事は、俺が死んでから、魔物の大氾濫があって、神様が職業を作って、勇者を決めたって事になるんだよな。順番的にはそうなると思うんだよ。なるべく良い職業の人に勇者になって貰って、魔物を押し返した、のかね? 詳しい事までは俺は知らないからどうしようも無いんだけど。
「勇者が現れる時は、大抵大きな災いが起きる時である。その為の勇者であるからだ。同じ国で3人もの勇者が出てきた。これは何かあると感じた私は、勇者の未来予知の結果を尋ねた。答えは大厄災が起きると言う話をしていた。北の大魔境から、大量の魔物がやってくることが解ってしまったらしい。それが凡そ3年後の事である」
……ちょっと待って欲しいんだけど、3年後? 本気で言っている……んだろうな。本気なんだよな。兄さんもフランチェスカも言っては居なかったけど、悪いことが起きるのは確かだとは言っていたんだよ。具体的には何なのかが解らないと言う感じだったんだけど、そうか。
過去の大氾濫の再来と言う訳なんだな。それで勇者が3人も……いや、もしかしたら10人目なのかもしれない。既に別の国で勇者が出て来ていてもおかしくはないからな。もしかすると、10人以上いるのかもしれないが、それは置いておくとしてだ。ちょっと訳が解らなくなってきたぞ。3年後に大厄災がある? 準備が全然終わってないんだけど。
「それでだ。諸君には大厄災を止める準備をしてもらう。場所は北側。バズビーテイラー辺境伯家のある領土付近で起きるはずだ。大量の魔物が襲ってくる。それを止めて貰う。これはこの夜会の後に、第2王子により大々的に発表してもらう。国内外にだ。これは、もはや派閥がどうのと言っていられる状況ではない。全ての派閥の力を集結して収めなければならない。だが、派閥での確執があるのも解っている。だから我々はバズビーテイラー辺境伯家の領地を守る事に専念する。後方に抜けられた場合の抑えの戦力として、王家が兵士を派遣してくださるそうだ。故に我らは前方より来る魔物を殲滅することを目的とする。よって、それを成すために、非常に多くの物資を抱え込まなければならない。ポーション、食料、塩、その他諸々を準備する必要がある。皆にはそれの協力を求めたい。物資を大量に用意し、3年後の大厄災を乗り切ろうぞ!」
マジか。本気なんだよな? 3年後に大厄災があるねえ。何処までの精度の話なのかは解らないが、勇者からの話ってだけでも、聞かないといけない話なのは確定だな。対策をしていなければ、色々と不味い事になる。それは避けないといけないだろう。




