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【書籍化】庭師の錬金術師【★10月10日★販売!】  作者: ルケア


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闇の中から出てきたもの

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 クラークを送り出してから暫くして、長雨が続いたんだよ。15日くらいずっと雨だった。そういう時は冒険者も半分以上は休みを取る。雨の日に狩りをするのは難しくはないが、感覚が違うので、新人程休む方が良いと言われていた。


 なので、ベテラン勢が異常を確認するために潜っているんだけど、異常が発生したらしい。それはアルローゼンから2つ目の町であったらしいんだよ。


 何か、どす黒い空気が漂っていると言っていたらしく、それで緊急でこっちにまで伝令が来たんだよ。近くで何かあった時はこっちにも知らせるって事になっていたからな。


 原因不明の空気。これは若干不味いのでは? と思い、スタンピードと同じような編成を集めている。しかも今回はベテラン勢を思い切って集めた。


 総勢20万。兵士5000人、冒険者195000人。これで念のために町に常駐することになったんだよ。何が起きているのかが解らなかったからな。


 そんな非常事態なので、俺が行く事は確定していたんだけど、クラークが居ない。それは間が悪かったとは思うんだけど、それよりも何よりも、フランチェスカが行くと言い出したのだ。確職もしていないのに、何を言い出すんだとは思ったんだけど。


 何でも、最近の花嫁修業に飽き飽きしてきたらしく、甘味でやる気を出す作戦も幾度となく行われた所為で、やる気の上がり幅が少なくなってしまっていた。


 ラウレーリンからも仕方がないから連れていくようにと言われている。息抜きも必要だろうと言う扱いだ。まあ、良いなら良いんだけど。


 そんな訳で、馬車で2日間フランチェスカと移動をしてきたんだけど、フランチェスカがよく解らないことを言い出した。


 何でも、闇が強いらしいのだ。……よく解らないんだけど、かなりやばいものが生まれているらしい。それってなんなんだろうな?


 やばいものの正体が解らないんだよな。やばいって何が? と言った感じである。何を感じ取っているんだろうな?


「この空気は本当に不味いですわ。闇を凝縮したような空気です。長雨によって地脈が変わりましたの? いえ、地下水脈によって不浄のものが流れ着いた、と見るべきでしょうか。これはかなりの相手が生まれるでしょうね」


 と言っている始末。正直よく解らない。ただ、言える事があるとするのであれば、何かが生まれるらしい。よく解らないんだけど。


 そして、長らく続いた雨が終わり、晴れるのかと思いきや曇天のまま。空気は重く、俺ですら異常に気がつくレベルまでに達していた。


 無論、兵士は皆警戒レベルを最大限にまで引き上げている。冒険者も誰一人として魔境に潜らなくなってしまった。


 それだけ異常。むしろこの空気の中、魔境に潜れる方がおかしいと思えるほどには重く、暗く、深い。何かがそこにはあった。何なのかが解らないだけに怖くなってくる。


 そして夜。そろそろ眠らないと明日に支障が出ると思い、布団の中で目を瞑っていた時、地底の奥底から湧き出る不快な闇が、巨大な闇が出てきた幻覚を見た気がした。


「な、なんだ!? ……気のせいか? いや、そんなはずがない。そんな訳がない。あれは、何だ? 全身が何かを伝えようとしている?」


「お父様! お父様! 起きていらっしゃいますか!? 大変です! 早く外で指揮を執ってくださいまし!」


「フランチェスカ!? まあいい。指揮を執るのか? てことは何かが出てきたんだな? 解った。直ぐに良く!」


 よく解らないが、フランチェスカが飛び込んできて、指揮を執れと言ってきた。何かがあったんだろうと思う。何かは解らないが、直ぐに着替えて外に飛び出した。


 そして、城壁で見たのは、天高く貫く、夜よりも黒く、そして不快な闇だった。


 何だこれは。何が起きている? 兵士たちもそれを見て震え、怯え、誰も何も言葉を発せられなかった。それ程の重圧。それ程の威圧感。これから何が始まろうと言うのか。


「お父様! 気を確かにして下さいまし! 兵士が恐慌状態のままでは、一方的にやられてしまいます! 鼓舞を! 兵士を奮い立たせてくださいまし!」


「!? 解った! 皆! 怯えるな! 奮い立て! ここまで来て逃げ腰になるな! 精一杯の勇気を出せ! そして声を上げろ! 大声で叫べ! 我武者羅に声を出せ! 敵が来るぞ! 何もしないままで居るつもりか! 後ろには町がある! 俺たちで食い止めるぞ! 無理だと思うなら外壁の中に戻ってこい! そんな弱腰の奴は逃げ帰っておけ! 気合を入れろお前らぁああああ!!!!!」


「「「「「「うぉおおおおおおおお!!!!!!!!!」」」」」」


 来る。何かが。ゆっくりと。闇の中から。


 あれは、人? 否。断じて否。あれが人な訳がない。あれがまともな生き物の訳がない。何かは解らないが、あれは出て来ては駄目なものだ。


「皆さん、おはよう。こんにちは。こんばんは。今宵は良い夜だ。何せ私が産まれたのだから。歓迎の贄をありがとう。これで私の存在を満たせと言う事なのですね? 誰だか知りませんが、この出会いに感謝を。そして死ね」


「冒険者下がれ! 兵士前へ出ろ! 精鋭20人!」


「……あれは、悪魔ですか。それも伯爵、いえ、侯爵級はありそうですわね。マクラーレン侯爵家の兵士が強いとは言っても、あれを聖剣なしで相手をするのは、荷が重いでしょうね。状況次第ですが、私が出るしか無いでしょう。今回は魔力もたっぷりとある事ですし」


「防御陣形! 飛び出るなよ! 相手は何をしてくるか解らん! 盾で止めるな! 武器で薙ぎ払え! 普通の魔物と思うなよ! 猛者を超える魔物だと思え!」


「……そう言えば、この世界にも勇者の称号がありましたわね。勇者が来てくれるのを待つ方が良いんでしょうが、そんな都合よくも行くはずがありませんか。ともかく、死人が出るのは望ましくありませんね。様子見の段階で飛び出すのも問題でしょうし、どうしましょうか」


「ほほぅ。私の攻撃を受け流し、弾いて見せるとは。人間にしては中々ですか。少々遊んで差し上げましょう。何処まで踊れるのか楽しみですね」


 なんだ!? 何だあれは!? 精鋭20人で漸く防ぎきれるだと!? 一体何が起きた? 何が出てきたと言うんだ?


「出し惜しみは無しだ! 魔法を解禁する! とにかく狙い撃て! 自由にさせると不味い! 援護射撃! 準備出来た奴からぶっ放せ!」


 とにかく攻撃を当て続ければ倒せるはず! 多分だけど。あれが何なのかはマジで解らない。とにかく攻撃を当て続けるしかない。しかし、何故か闇は膨大に膨れ上がった。


「お父様! 不味いです! 耐えるように言ってください!」


「貴様らぁあああああああああああ!!!!! 鬱陶しいぞ! 邪魔をするなぁああああああ!!」


 声が、重く圧し掛かる。勝てない。これは、流石にやばい。勝てない。


「お父様! 鼓舞を! ここで倒れる訳にはいきませんわ!」


 逃げるしかないのか? これから? どうやって逃げる? いや、逃げても無駄だ。なら殺されるのか? それは嫌だ! 皆をおいて逃げるのか? それも嫌だ!


「うぉぉおおおおおお!!!! 立て! 奮い立て! まだ終わった訳じゃないぞ!」


 それでも絶望は張り付いたまま。微かに震え、恐怖が全てを支配する。


「死に晒せぇええ!!!」


 あれが、闇の手を伸ばしてきた。そして、


「お断り致しますわ!」


 その闇の手を、拳で弾き返す娘が居た。

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― 新着の感想 ―
悪魔という存在がいたんですね!想定外でした〜〜! フランチェスカ、君ならやれる!!がんばれ!!
まさかの展開! 以前の感想で仰られてた転生者は娘ちゃんなのか!? 続きが気になる!
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