ロレシオ帰還
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何も起きないという事は、とても良い事である。スタンピードは何回か起きているけど、それもしっかりと対処できているし、問題にはなっていない。
むしろ資源が集まってくるんだから、歓迎するまである。勝手に資源が増えてくれるんだから、有り難いよな。ゴブリンは要らないんだけど。
こういうのってどうしても弱い魔物の方がスタンピードを起こしやすいってのが解ったからな。解りたくも無かったんだけど、統計からそうだという事が確定した。
問題は天災なんだけど、それを起点に数が急激に増えるのは、弱い魔物の特徴なんだそうだ。まあ、普段よりも急速に増えるから、許容限界を超えて増えてしまい、スタンピードを起こすというのが研究の纏めになっている。
特にゴブリンなんか弱い魔物が多いんだよ。グランドドラゴンなんかは、天災で危機になる方が珍しいので、スタンピードは余程でないと起きないという事が解った。
色々と解ってきているんだよ。いや、昔から解っていたんだけど、確定的な結果と資料が無かったとでも言えば良いのか。
ラウレーリンが来てからは、統計なんかをしっかりと取る様になったし、統治者の中のパッシブスキルの中にも何かがあるのかもしれない。詳しいことは聞いたことが無いので、よく知らないんだけど、何かがあるんだろうな。
そして、無事にロレシオが新領地から帰ってきた。無事におつとめを果たしてくれたようで何よりだな。向こうの代官の下に付けたんだよ。上じゃない。
下に付けることで、しっかりと内政を見て貰いたかったんだよな。上に付いたらもっと面倒な事に巻き込む恐れがあったからな。
しっかりとその辺は報告書を読ませてもらった。……内容は悪くはなかったぞ。俺的には釈然としない所はあるけど。
冒頭に、俺みたいに変なことは考えないけど、堅実で未来を見据えた発言をしてくることが多いと書いてあったんだよ。いや、確かに俺のやることは面倒だし、前例が無い事が多いけど、そこまで言われなくても自覚はあるからな。
自覚があっても直す気がないんだけど。突飛に聞こえるかもしれないけど、領地を思っての発言だからな。益は出しているだろう?
益の無い話はしていないはずなんだから。俺だって、自由に何かを決めている訳では無い。ちゃんと考えて物事を判断しているんだ。
外部に協力者がいて、そっちの方がより突飛な存在だから問題なんだよ。俺が悪い訳では無い。大体がウェンリー兵士長のせいである。
「約1年間お疲れさまと言っておきましょう。新領地を見てきて何を思ったのか、何を感じたのか。聞かせてくれるかしら?」
「はい、母上。新領地は、現在活気に溢れています。王都で感じたようなドロドロとしたものは無く、今から新しいものを作っていくのだという活力が溢れていました。あれであれば、代官がどのような人でも成功すると思います」
「そうね。あそこまでお膳立てされていたのであれば、代官が誰であってもある程度の成功は確定でしょうね。仕事は溢れている。お金も持っている。平民が不自由することなく生活できている証拠なのよ。そこは解った様ね」
「はい。けれど、どうしても人が足りていないと感じました。その、父上が盗賊を雇って住民にしているというのは、本当なのですか?」
「ええ、ハインリッヒは盗賊を住民に変えてしまっているわね。それが不思議でならないかしら? 意図は解らないかしら?」
「不思議に思いますけど、意図は解ります。あれだけ人口が不足していれば、盗賊であろうとも受け入れた方が町は回ると思います」
「そうでしょうね。仕事が余っている。この言葉が一番合うでしょうからね。でも、それだけであれをしている訳では無いの。それは解るかしら?」
「えっと、すみません。解りません」
「盗賊になる人たちというのは、他の貴族領の人間なの。本来であれば、盗賊にならなかった人たちでもあるのよ。それが盗賊になってしまっている。領地を荒らし回っている。それが、ふとしたことで無くなってしまうのよ? 解るかしら?」
「解ります。えっと。母上の言いたいことは、他の貴族家を助けているようにも聞こえます。盗賊が居なくなれば、利益を得るのは、他の貴族ですよね?」
「そうね。他の貴族が得をするように見えるわね。でもね? 元々はその貴族の住民なの。それを盗賊だからという理由で突き放したのがその地の領主な訳。まだまだ使える人材なのにも関わらず、盗賊にしてしまっている訳ね」
「使える人口を手放した? という訳ですか?」
「そう。そして、他の貴族家を助けているように見えて、追い込んでいるのよ。盗賊を排除するのは良い事のように聞こえるけれど、同時に盗賊を増やす工作もしているの。乗合馬車の商人たちの持ち物をチェックしたことがあるかしら?」
「はい。あります。多くは塩が持ち込まれていたと思います。後は建材や食料品が多かったと思います。でも、特別な何かを持っているとは聞いていません」
「そうね。特別な何かは持っていないわ。でも、その領地にとっては特別だったのよ。商人が持ち込んでいるマジックバッグが多くなかったかしら?」
「とても沢山のマジックバッグを持っていました。中には何も入っていないマジックバッグもありました。こちらで仕入れるためでは無いのですか?」
「ええ、違うのよ。いえ、新領地で物資を買い漁るのは正解だし、マジックバッグいっぱいに買っていくのはその通りなのだけれど、目的があるのよ。そのマジックバッグの多くは、他派閥の貴族領で買われたものなのよ」
「他派閥の貴族領で? ですか? でも、マジックバッグはそう難しいものではないはずですよね? 自分たちの領地で買った方が良いかと思いますけど」
「アルローゼンの様な場所であれば、その様にするのが正解でしょう。でも、普通の町や都市では、魔石は貴重品なのよ。魔石は魔物からしか取れないわ。それをするにはポーションが必要でしょう? 他の領地では難しいわよね?」
「あ! マジックバッグでも、魔石を使っている以上は、その領地では貴重品になるという事なのですね! ですが、それを買って、何をするんですか?」
「食料品を買うのよ。その都市や町で、出来る限りの食料品を買うの。更には村でも可能な限りの食料品を買っていくの」
「食料品をですか? でも、食料品は足りていますよね? ……あ! 王領に届けるのですか。確か、王都も食料が不足していると言われていました。王族とは同盟関係にあるとのことなので、そこに食料品を売るのですね!」
「半分は正解ね。もう半分はそれをすることによって、新たな盗賊を作り出すことを目的にしているのよ。食料品が足りないのだもの。盗賊になるしか、生きていく方法が無いでしょう?」
「だとすると、他貴族の領地の治安が悪化します……あれ? そう言えば、盗賊を住民に引き抜いていましたよね?」
「そうよ。私たちはあえて盗賊を作る事をしているの。そして、住民に引き込むのよ。そうすれば、向こうの貴族は盗賊討伐の恩を貰うのと同時に住民を知らない内に奪われているのよ。貴方が居たときにも、かなりの数の移民が来ていたはずよ」
「はい。知っている限りでは、8か月の間に1万人近くの移民が来てました。それも全部作戦の内なんですか!?」
まあ、そんな反応をするわな。何処かの誰かが考えた悪辣な方法なんだけど。それを嬉々としてやっている俺たちも同罪なんだけどな。




