ミッチェルハーロウ公爵領領都に到着
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ミッチェルハーロウ公爵領領都に到着し、とりあえずいつも通りに兵士たちには散策をさせている。取り入れられることは取り入れていきたいからな。
そして、お土産については先ほど渡してきた。使用人にマクファウスト子爵家からと伝えてあるのと、侯爵になった場合の家名をマクラーレンにするという事で話はしてある。
今回の夜会でそれらが発表される。覚えておいてくれと言う事なんだよ。個人的には覚えられる気がしないんだけど、そこは貴族。しっかりと覚えていく事だろう。
「しかし、もう少しでマクファウスト侯爵家も来るんだろう? 挨拶とかはしなくても良いのか? 毎回話をしていたように思うんだけど」
「今回は必要ないわね。向こうが話をしたいというのであれば、断る理由も無いのだけれど。こちらから話をしないといけないことが無いもの。領地をどの位貰うのかについても、ある程度は解っているのだし、それについて話をしないといけないって事も無いものね」
「そうなんだけどさ。それにしても、あの領地の規模は無いだろう? ちょっとどころではなく貰い過ぎだと思うからな。貰って管理が出来るのか?」
「やるしかないわよ。単純に考えて、領地が10倍になるの。ロレシオには早く学校を出て貰わないといけないわね。新開拓領地で経験を積ませるいい機会だから、積極的に仕事を与えるつもりよ。その後からは子供たちがどんどんと新開拓領地に行く事になるでしょうね」
「そうなるよな。そうならないと回らないからな。子供は足りる? もう産まないって言ってたけどさ。なんか後10人くらいは必要なんじゃないかって思えてきたんだけど?」
「皆が無能であれば足りないでしょうけど、そうではないもの。勉強を教えている家庭教師からも中々の評価を貰っているのよ?」
「それは解っているんだけどさ。実践すると結構勝手が違ったりもするじゃない? 多分だけど。俺は感覚的にやっているからよく解らないんだけど」
「勉強と現実とでは全然違うわよ? そもそもだけれど、秘匿している事までは教えないもの。それらを駆使して領地を発展させていくのだから、勉強とはまるっきり違う事をやる訳よね。それでも勉強していないのとでは大きな差が出てくるのだけれど」
「そりゃそうだろうな。そうならないと勉強する意味がないんだし。まあ、俺でも出来るんだから、大丈夫だろうとは思うけどな?」
「あら? ハインリッヒは優秀な方よ? 臨機応変にきちんと正解を導き出しているもの。自信を持っていいと思うわ」
「そうか。ありがとう。なんだかんだ言っても、半分は勘で動かしているからな。領地運営なんてまったく経験が無かったんだし」
「私も勘で動くわよ? と言うか、勘は鋭くなければ領地運営なんて出来ないわ。ここぞという時の判断を間違えると大変な事になるもの」
「ラウレーリンでも勘で動くんだな。……でも、これから貰う領地が領地だろう? 全部を勘でやる訳にはいかないけどさ。ちょっと貰い過ぎだと思う訳だよ」
「思った以上に開拓できてしまったのだから仕方がないでしょう? 普通の侯爵家3つ分くらいの領地を貰う事にはなったけど、運営するしか無いもの。貢献度を考えるとこれでも少ないと思われても仕方がないのよ?」
「いや、そうだけどさ。確かに兵士や冒険者は送ったさ。他の貴族家が兵士や冒険者を送れずにいる中、積極的に送り込んだのはその通りだけど、新領地はいくらなんでも広すぎると思うんだよ」
今回、新領地になった開拓地だが、予定では村1400、町120,都市30となっている。これは通常の侯爵家の3倍の領地だ。
こんなに貰っても管理できる気がしない。もうちょっと少なくても良かったんだけどな。けど、そうすると貢献度問題が出てくる。
貢献度は1位はバズビーテイラー辺境伯家なのは解り切っているんだけど、2位がマクファウスト侯爵家で、3位がマクファウスト子爵家、4位がミッチェルハーロウ公爵家になっているらしい。
公爵家よりも貢献度が上ってどういう事なんだよとは思うんだが、開拓民は送り込めるんだよ。何処の貴族家でも。余っている人材を送り込めばいいからな。
しかし、実際に開拓で活躍するのは兵士や冒険者である。彼らが居ないと木も伐れないし、魔物の対処も出来ない。なので、貢献度的には兵士や冒険者を送り込んだ方が高いんだよ。開拓民が殆どの場合は、そこから兵士や冒険者を募る事になるからな。
今回マクファウスト子爵家が送り込んだのは、兵士と冒険者のみだ。貢献度は高くなる。そういう評価をされるんだよ。だから3位という事になっているんだけど。
そして、バズビーテイラー辺境伯家がある程度の領地を持っていくのに対して、俺たちがこれくらいは貰わないと分配が出来ないくらいには開拓が出来ていたらしい。聞いてた話よりも大分多くなっている気がするんだけど。
それもそのはず。バズビーテイラー辺境伯家が持っていった領地が思ったよりも少なかったからなんだよ。新領地ばかりなんだ。広すぎても管理が出来ない。
そういった訳で、マクファウスト侯爵家とマクファウスト子爵家が次点なんだから、沢山もらってくれないと分配が上手くいかないっていうからこうなった。
もう少し少なくても良いんだけどな。半分以下で良いんだけどな。かなり大きな侯爵家が出来ることになるんだけど、大丈夫なのかね?
色々と大丈夫じゃないのは解っているんだよ。王国基準で考えると問題しかないんだけど、これは仕方がないんだ。そうしないとバズビーテイラー辺境伯家が困る事になる。
実際問題、ミッチェルハーロウ公爵家はかなり悩んだとは思うぞ。貢献度的にこうせざるを得ないからな。仕方がないと思うしかないんだよ。
「ロレシオが何処まで出来るのかだよなあ。クラークも続くし、何とかしてもらわないといけないんだけど、圧倒的に人口が足りないよな」
「そうね。その内増えるんでしょうけど、ロレシオの代はロレシオが40歳くらいにならないと人材不足が解消されないのではないかしら?」
「俺たちも生きているだろうけど、既に実権を渡した後だろうからな。しかし、どうするんだ? 代替わりもするのはするんだろうが、何時頃と考えているんだ?」
「少なくとも全員が学校を出てからの話になるでしょうね。その時のロレシオを見て判断するわ。その頃には内政がどういうものなのかをしっかりと理解しているでしょうし、文官学校に出している文官たちも帰って来るはずだもの」
「あー、それは確かに。文官学校に出ている人も3年くらいで帰って来てくれるとロレシオが帰って来るのに間に合うのか。その辺で諦めてくれると良いんだけどな。普通は通らないというのを解ってくれるのかどうかだよな」
「まあ、文官については後でも大丈夫よ。新領地に関しては、道路整備からだもの。まずはそこから始めないといけないわね」
「だよなあ。資金的に余裕があるし、これだけ広かったら鉱山も沢山あるだろうしな。石材についても心配は要らないだろうな。問題があるとすれば、人手が足りるのかどうかだろう。それと、何十年後に終わるのかどうかだな」
「100年はかかると思ってもらっても良いわね。人口が予想以上に溢れ返ってきたら、もっと早くなるんでしょうけれど、そんな事にはならないと思うわよ? 受け皿はまだまだあるからどんどんと子供を作って貰っても良いのだけれど」
「簡単には増えないよな。いくらバズビーテイラー辺境伯家が農村から人口を増やしにかかっていても、今回はそれ以上に領地が増えたからな」
単純に増えすぎたんだよな。正式発表は今回の夜会だけど、聞く限りではそれだけの領地が貰えることになっている。
管理が追いつくのかね? 放置する訳にもいかないから、しっかりと管理をするんだけど、距離が遠いのが一番の心配点だよな。




